
アトラス彗星(C/2024 G3)が 近日点を通過する1月13日の観望記録です。
実は1月12日もアトラス彗星ウオッチングをしたのですが雲で確認することはできませんでした。
2025/1/12 06h16m27s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f320mm ISO1600 F5.6 1/10sec
で、本日の近日点通過日が早朝観望のラストチャンスとなります。太陽との離角はわずかに5°、彗星が地平線から昇ってくる時刻は日の出20分前の6時30分です。
家を出発したのは昨日と同じ5時40分ですが、彗星の出が遅くなっているぶん時間に余裕があるのでコンビニでホットカフェラテだな…と思いながら車を走らせてると西空に真っ赤な火星が見えました。
昨夜は夜半に曇ったので最接近の火星撮影は断念したのですが何時頃から晴れたのだろう?撮影できたかな?…と思った直後のことです。メタセコイヤの林の上でこちらを見ているまん丸お月さまが突如として視界に飛び込んできました!おー、これは…
そう!これはまさにあの有名な映画のワンシーン… エリオットがBMXのバスケットにETを乗せて空を飛ぶシーンそのものです… わ~ぉ!
(見た時は運転中だったのでコンビニで撮影した写真がコチラ→photo)
うん、いいものを見たな~、早起きは三文の徳だなぁ~と思いながら観望地に着くと、なんと東の空はほぼ全曇りでした…トホホ
2025/1/13 06h20m35s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f170mm ISO400 F5.0 1/8sec
それでも雲のスキマから見えることを期待して撮影を続けましたが…
2025/1/13 06h47m19s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO250 F6.3 1/250sec
画像処理をガリガリにしてもなにも出てきませんでした。
2025/1/13 06h53m06s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO250 F5.0 1/640sec
ま、この天気なのでしかたありません。今日は天気が良くなったら白昼のアトラス彗星を撮影する予定なので帰って準備をすることにしましょう。
白昼のアトラス彗星撮影システムは、μ210+モノクロ惑星カメラ174MM+IR-Pass Fillter 685nmです。ピン合わせは昨夜の宵の口に完了済みです。
天気は晴れてきましたが雲が多くしばらくは待ちの時間がただただ過ぎていきました。10時過ぎにようやく太陽の周辺が快晴の状態になったので撮影開始です。
撮影方法は太陽でアライメントをとったあとに自動導入で望遠鏡をアトラス彗星(C/2024 G3)に向けます。μ210+174MMの画角は 0.3°×0.2°なので一発導入させるためには太陽アライメントを正確に行う必要があります。
太陽で望遠鏡のアライメントをとるのはとても危険なので注意が必要です。私の場合は望遠鏡に太陽の光が入らないようにまずはしっかり蓋をします。
で、ファインダーの対物レンズ側にソーラーフィルターをかぶせて太陽アライメントをスタートさせます。太陽は視直径が30′もあるのでファインダーの十字線が太陽の中央に来るように微調整をします。
ファインダーで合わせているので正確ではありませんが離角が5°と近いので画角に入ることを期待して導入スタートです。望遠鏡が止まったら最初にファインダーのソーラーフィルターを外してファインダーの視野に太陽が入ってないことを確認します。
ここで、望遠鏡の蓋を外しますが、望遠鏡の筒先には迷光が入らないように長めのフードを取り付けます。さあ~、アトラス彗星(C/2024 G3)は画角に入っているでしょうか?露出を変えて数ショット撮影したら室内にノートPCを移動して動画チェックです。
う~む、やはり一発導入は無理か~と思ったのですが、ゆらゆら揺れる何かが写っています。ビンゴです! 自動導入が頑張ったようです。白昼のアトラス彗星ゲットです!
2025/1/13 11h03m(JST), μ210, ASI174MM, IR-Pass685nm, 5.771ms×1000frames×25%, 5 degrees from the sun.

太陽に0.095au(1425万km)まで近づいたアトラス彗星(C/2024 G3)
2025/1/13 11h19m(JST), μ210, ASI174MM, IR-Pass685nm, 14.06ms×1000frames×25%, 5 degrees from the sun.
11時00分から開始した撮影は11時20′過ぎに雲が多くなって終了となりました。晴れる気配がなかったので午前の撮影はこれで終了となりましたが、望遠鏡でアトラス彗星(C/2024 G3)が見えるかを確かめることができなかったので午後に晴れたらチャレンジです。
で、午後は14時過ぎに晴れたので8cm屈折望遠鏡をセットしてアトラス彗星(C/2024 G3)を導入したのですがまったく見えませんでした。惑星カメラASI174MMを装着して撮影も行ったのですが画像処理をかけても検出できず…
太陽アライメントのほかに金星でもアライメントを取って導入をしたのですが、何度やっても見えず写らずでした。コントラストが低いのかそれほど明るくないということなのか分かりませんが最後まで検出はできませんでした。
アトラス彗星が南中する頃を見計らって太陽を屋根で隠して双眼鏡で探した時も眼視ではまったく見えませんでした。SOHO画像では頭部が
ブルーミングを曳くほど明るく写っていたのですが白昼見える彗星とはならなかったようですね。
太陽が山越えの雪雲に沈んだ直後も8cm望遠鏡で撮影を続けたのですがアトラス彗星を確認することはできませんでした。日中にμ210で撮影できたことはミラクルな出来事だったかも…ですね。
〈追記~18年前の1月13日夕方に目撃したマックノート彗星(C/2006 P1)〉