

12月2日のパスは、最大仰角が50°、直距離は540kmなので拡大撮影しても細部まで写すことはできない通過ですが天気が良かったので25mmアイピース+Apollo-cカメラでテスト撮影してみました~。


・撮影日時:2024年12月2日18時07分
・撮影機材:ドブ30cm+アイピースPL25mm+拡大撮影アダプター+Apollo-C(UV/IRcut)
・合成焦点距離:f 4,860mm(F16.2、倍率3.24倍)
・露出:Shutter=0.903ms、Gain=260 (54%)
・イベントデータ:最大仰角50°、距離560km、光度 -3.0等
・画像処理(PIPPでセンタリング→AS!3でスタック→レジスタックス6→ステライメージ)
ピント合わせはいつものバーティノフマスクを使ってベガで行いましたが、ピントは望遠鏡の温度順応が進むにつれて徐々にズレるので直前での再確認が重要なポイントです。
さて、時刻は通過30分前になりました。撮影開始ポイントのベガとアルタイルの中間地点を目視で確認していると、撮影ポイントから天頂方向に飛行する暗めの人工衛星が見えました。
と、同時に視野の端っこ(天頂付近)で同じコースを飛行する人工衛星が見えた気がしてふと見上げると、おおー!いっぱい飛んでいます。いや、いっぱいではありません。等間隔に、離角で表すと20°は離れているので視野全体で見えている数は5~6ほどです。
おー、これはばらけたスターリンク衛星です!天頂付近を西から東に次々と通過して行きます。こ~れは千載一遇のチャンスです!スターリンク衛星を拡大撮影できます!
しかし、拡大撮影で写るのだろうか?スターリンク衛星の光度は北斗七星よりやや暗めです… となると露出は?…と迷っているヒマはありません!ゲインの感度をテキトーに上げて撮影開始です!
アルビレオ付近で捉えて、東の空まで追いかけて、望遠鏡を西に戻すと次のスターリンクがこっちも撮影してくれ~と言わんばかりのタイミングで現れます。考えるより先に体が反応して再び追尾開始…
それを5~6回繰り返したところできりがないのでやめました。(笑) 望遠鏡を西に戻したタイミングでゲイン感度を少しずつあげたので適正露出のショットが入っていることを願いつつ、急いでISS撮影の設定に戻して再度バーティノフマスクでピン確認です。
ふう、ISS通過10分前には準備完了しましたが、通過コースが雲でおおわれています。トホホ… 細い雲がベガからアルタイルにかけて、つまり飛行コースに沿ってそこだけあります。
結局ファインダーでISSを追尾することはできましたが、クリアな空にならないまま地球の影に入って終了~となりました。ま、しかたないですね。そんな日もあります…
で、スターリンク衛星ですが、写っていました!



2024/12/2 DOB30 + PL25mmmm + 拡大撮影アダプター+ Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength= 4,860mm(F/16.2)
Shutter=0.950ms Gain=379 (78%) 4imageコンポジット
みごとなブルー色です! これまでもスターリンク衛星を撮影するとスターリンク・ブルーと言われる独特の青色に写ることがありましたが、これが発光源なんですね~。なんとも美しく妖しい輝きです。

2024/5/4 19h53m22s D810A NIKON VR24-70mm f/2.8 ISO2500 f24mm F2.8 5sec(トリミング)
で、このスターリンク衛星ですが、かなりデカく写っていました。もちろん軌道高度も直距離も違うのでこの日に撮影したISSと比べても正確なことは分かりませんが、かなり大きめに感じます。



2024/12/2 DOB30 + PL25mm + 拡大撮影アダプター+ Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength= 4,860mm (F/16.2)
Shutter=0.950ms Gain=260 (54%) Limit Frames 19235-19294 Autostakkert3 25% Drizzle1.5×
ま、今回はスターリンク衛星という思わぬ収穫もあったのでよしとして、ISSは次の機会を待つことにしましょう。そうそう、結論としてアイピースとApollo-Cの組合せでISSを撮影するときは18mmがベストと考えて良さそうですね。





〈追記〉
スターリンク衛星・撮影動画
スターリンクの拡大撮影、よくぞやってくれました!この青いのふたつで1基なんでしょうか。結構大きそうですね。これも晴れスターさんの日頃の器材調整とチャレンジ精神の賜ですよね!
さて、私の惑星カメラですが、別のPCを使っても、ディスプレイはカラーで録画は白黒でした。ということは、晴れスターさんの言う通りピンチをチャンスにすることになるのでしょうか…。
今回のスターリンク拡大撮影はまさにこれぞ ザ・棚からぼた餅!で、おかげさまでいつか撮ってみたいと思っていたスターリンク衛星を最高の条件で拡大撮影することができました。
両脇に伸びる青く光る長方形状のものが太陽電池パドルなのか通信アンテナなのか分かりませんがその間にうっすらと本体が写っていることから分かるようにこれがスターリンク衛星1基の姿です。
撮影した動画のフルスケールをアップしましたのでそちらもご覧いただければと思います。両脇のアンテナが離れているのでPIPPのセンタリング処理がうまく機能せず前半はブレていますがゲインを上げて撮影した方は露出オーバーになっていますが1基と認識してセンタリング処理がされているので1基の衛星と分かる動画になっています。
さてさて、カラーカメラはモノクロカメラになってしまった…ということですかね~。となるとそのカメラは月面専用として第2の人生を歩んでもらうことにして、ここはいよいよ…ですね。
ぼくも撮影したことがありますが、まったく
同じ画像になっていますので間違いありません。あのブルーが綺麗ですよね。
こんばんは~、スターリンク衛星がなぜあのようなキレイなブルーに見えるのかナゾですよね。素材に秘密がありそうですが不思議な衛星ですね。