忘年会シーズン、深夜の帰宅の時に、凍えそうな
星空を見上げれば、あの日を思い出す。
結婚前、その日は二人ともそれぞれの勤め先の
忘年会で、それが終わってから会うことにしていた。
彼女のアパートに行くとまだ帰っていない。
合鍵など持っていない頃だ。
もちろん携帯などない時代である。
酒の酔いと痛いほどの寒さが身に染みて、
半ば眠りそうになっていた。
なぜかその時は、いつまででも待っている
つもりだった。
やがて帰ってきた彼女は、私の蒼白な顔を見て、
雪山でもあるまいに、凍死すると思ったのか、
抱きかかえるように部屋に入れ、いきなり私に
抱きついた。
寒い中帰ってきた彼女の身体も冷えていたが、
必死で私の身体をさする彼女を見て、一緒に
なるなら、こいつとだなと思った。
口下手な私が、プロポーズ代わりに歌ったのが
この「ひとりじめ」という曲である。
今もこの曲を歌う時は、あの時の緊張が蘇る。
歌い終わると、彼女は笑って、ひとこと言った。
「いいわよ」と。
星空を見上げれば、あの日を思い出す。
結婚前、その日は二人ともそれぞれの勤め先の
忘年会で、それが終わってから会うことにしていた。
彼女のアパートに行くとまだ帰っていない。
合鍵など持っていない頃だ。
もちろん携帯などない時代である。
酒の酔いと痛いほどの寒さが身に染みて、
半ば眠りそうになっていた。
なぜかその時は、いつまででも待っている
つもりだった。
やがて帰ってきた彼女は、私の蒼白な顔を見て、
雪山でもあるまいに、凍死すると思ったのか、
抱きかかえるように部屋に入れ、いきなり私に
抱きついた。
寒い中帰ってきた彼女の身体も冷えていたが、
必死で私の身体をさする彼女を見て、一緒に
なるなら、こいつとだなと思った。
口下手な私が、プロポーズ代わりに歌ったのが
この「ひとりじめ」という曲である。
今もこの曲を歌う時は、あの時の緊張が蘇る。
歌い終わると、彼女は笑って、ひとこと言った。
「いいわよ」と。