ALQUIT DAYS

The Great End of Life is not Knowledge but Action.

高度の差

2018年07月31日 | ノンジャンル
青空というのは、無限の広がりを見せているようで、
実は地球の表面を覆う膜ともいえる。

つまり有限なのである。

各国の空港近くになれば、離着陸便はもちろん、
アプローチする飛行機でかなり忙しい空の
様相がある。

搭乗している飛行機より、上空を飛ぶもの、下空を
飛ぶもの、同じような高度で並行、あるいは
対向して飛ぶものを頻繁に窓外に見ることができる。

巡航高度に比べ、空港エリアの危険度ははるかに
高くなる。
ひとつの管制ミスが大事故につながる可能性も高い。

さて、当然ながら、交通整理と事故防止のために
管制があり、侵入、離脱のルート、高度差によって
安全な運行を管理している。

よって、各飛行機の高度差は、必然的なもので、
どちらが上であれ、下であれ、それがその飛行機や
乗員、乗客の格を決めるものではないことは
誰もが当然のこととして理解しているだろう。

しかし、巷では格差などという言葉で人を
差別化する傾向が強いのは笑止である。

経済面、健康面、技能面、名声、あるいは
権力など、様々な格差が取り上げられるが、
要するに飛行機の高度差と変わらない。

自機が他機より上を行くか、下を行くかは、
本来の安全性確保の上ではどちらでも良い。

両機共の、安全な離着陸が為されたならそれで
良いのである。

それを、自身が上に行きたいと無理をして
衝突すれば、両機ともに墜落となる。

同じく、格差などというものは、死においては
無意味である。自身の人生において、獲得してきた
ものをすべて失うのが死である。

であれば、喪失感で迎える死ではなく、満足感で
迎える死とするには、「いかに生きるか」に
生きる以外なさそうである。

それが安全な着陸であるか、離陸であるかは
わからないが、少なくとも、墜落ではないことは
確かなようだ。

俗にいう、あの世に持っていけるものは、
確かにあると、信ずるものである。





慰労

2018年07月27日 | ノンジャンル
これまであまり自分のことを労わるという
感覚がなかった。

ともかくも前へ前へということで、自分への労わり
というものを眼中に置いていなかった。

今回の強行軍の出張で、昔ほどの体力もなければ、
気力の充実継続も短くなってきていることを
思い知らされた。

特に、きちんとした宿泊による休息が取れない場合、
移動の時間でしっかりと休息を取らないと、
後々にそのツケが大きく回ってくる。

昔は、出張中にスケジュール変更などが多く、
必然的にビジネスクラスでのフライトが多かったが、
経費削減の流れで確定スケジュール、
予定変更なしのエコノミークラスでの出張が
主流となった。

EXIT席なら特に苦はないのだが、取れなかった時は
やはり身体に堪える。

今後は機内泊が宿泊より多い時は、
ビジネスクラスにした方がよさそうだ。

慰労、快適というよりは、むしろ機動的という
事であろう。

今のビジネスクラスは、昔のファーストクラスに
匹敵するほどのグレードである。

より良い仕事のための、より良い休息を重視する
年代になってきたという事だ。





折り紙

2018年07月26日 | ノンジャンル
理数系の息子は、なんでも計画的な思考で、
いわゆる卆がない。

文科系というかアート系の娘は、大雑把で、どこか
抜けているところがある。

真逆な二人の違いに随分楽しませてもらったが、
それぞれの個性の違い自体の真逆さを見たのが、
折り紙であった、

手順通り、キッチリと端と端を合わせ、角と角を
合わせて折るのは当然息子だと思っていたが、
案に反し、娘であった。

これに対し、折り方そのものが適当なのが
息子であった。 これには正直驚いた。

しかし、考えれば当然かもしれない。
娘は目の前の、折るという事に集中し、息子は
折りあがったものをイメージしてそれに
集中している。

紙飛行機などを折らせると、同じように教えても
出来上がりの違いは歴然である。
娘のは私が見ても満足できるシャープな仕上がり。

息子のは、適当すぎて不格好な仕上がりで、
作品としては、断然娘の方が好みである。

ところが、いざ飛ばしてみると、娘のは大して
飛ばないが、息子のはいつまでも飛んでいる。

このあたりは、モノ作りに関わる者としては
非常に興味深い。

キッチリ折るのは、ロボット型で、大量生産に
向いている。
いい加減に見えるが有用性の高いものは職人技で、
いわゆるテーラーメイドである。

いずれが良い、悪いという事ではなく、視点を
どこに置くかによって得られる結果が大きく異なる
という点が面白い。

二人の子供たちが、私たち夫婦に様々な学びの
機会を与え続けてくれていたことは、間違いない
のである。





余韻

2018年07月24日 | ノンジャンル
出張のスケジュールがタイトでも、その疲れを
引きずることがあまりなかったのだが、今回はかなり
堪えた。

というのも、帰国後にするべきことが山積みで、
土日は無論、月曜日は文字通り忙殺された。

今日になって、ようやく普段の忙しさに戻った
感があるが、身体は疲れを引きずったままである。

今は、アジア、欧州が多いが、昔は北米出張が
多かった。
米国より日曜の夜に帰国し、翌月曜の朝には
出社という事も苦ではなかった事を思えば、
やはり歳を取ったというべきか。

いや、それにしてもこの夏の暑さは異常である。
熱帯夜というが、熱帯地域の夜の方がはるかに
過ごしやすいのである。

暑い夜が続き、睡眠不足が重なり、日中の暑さで
体力を消耗しという悪循環の時にこそ、ミスや事故は
起こりやすい。

疲労は弛緩、元気は緊張。

寄る年波と疲労で表情筋は弛んできたが、
気持ちはしっかりと引締めていきたい。





帰国

2018年07月21日 | ノンジャンル
連休明け、まずは東京へ。在来線に乗って携帯を
忘れたことに気がついて、急いで元の駅に戻り、
家内に連絡して持って来てもらった。

いきなりの躓きである。

しっかり気合を入れないとと引き締めて、東京、
群馬と回り、夜にはシンガポールへ。

機内泊の後、現地に着くと、そのままインドネシア
まで飛び、会議。

会議を終え、夕方の便でシンガポールに戻り、
乗り換えエリアのラウンジでシャワーと仮眠。

早朝、タイへ飛び、そのまま会議。
この夜、ようやくまともにホテルに宿泊となり、
ひと息つく。

翌日も早朝から出発し、会議。

取引先は、製造業なので、郊外に所在地があり、空港や
都市部のホテルから、車で2-3時間の移動となる。

会議の後、その日の夜の便で帰国予定だったため、
珍しく余った時間で少し観光をして空港へ。

タイからシンガポール経由で、今日帰国した。

4泊5日で、4社を訪問といえば、一日に1社と
楽な日程に見えるが、実際は移動距離と時間を
考えればかなりの強行軍である。

なにせ、4泊のうち、機内泊が2日、宿泊というより、
休憩が1日。 つまり、まともな宿泊が1日だけという
ことになる。

まさしく動き続ける旅程であった。

足を伸ばせるので、長時間のフライトでは、EXITの
席を確認して取るようにしている。

シンガポールから大阪の便で窓側のEXIT席が取れた。
取れない時は、通路側の席にしているので、窓外の
景色を見るのは久し振りだった。

空港のライト、離陸後の都市の明かり、夜間飛行の
星のきらめき、夜明けの暗い赤、青、紫に染まる
水平線。
やがてまばゆいオレンジの光とともに太陽が昇る。

星明りは消え、雲が白く輝きだし、空も青みを
増してくる。太陽は眩しく、流れる雲に時折
虹を映し出す。

そんな空の風景に、出張の疲れを投げ出すとき、
無事、任務完了の何とも言えない満足感がある。

本当に久し振りに、上空での満足感を思い出す
ことができた。

これがあるから、今の仕事はやめられない。
身体が動く限り、動き続けたいと思うのである。