ALQUIT DAYS

The Great End of Life is not Knowledge but Action.

ホッチキス

2022年06月28日 | ノンジャンル

何の予兆もなく、突然何かが引っ掛かったように

咳き込むことがあるのだが、ある日、咳き込んだ後に

口中に異物を感じた。

出してみると、Bの形状をした針金のようなものだった。

歯科で治療してもらった時のものが外れたのかと思ったが、

ここ何ヶ月もそんな治療をした覚えはない。

よく見ると、Bの形状は、明らかにホッチキスの針のように

なっている。

ということは、手術の時に縫合したステープルということだ。

数日、一つ、また一つと咳き込むたびに出てきていたが、

ついに、縫合部がそのままいくつものステープルとともに

出てきた。

縫合部の傷が治り、今度はステープルを異物とみなし、

排出できる部位のところは、痰などとともに排出しようと

しているのだそうだ。

外面の切開した傷は随分きれいに治ってきた。

内面もそれなりに回復しつつあるようだ。

今更ながら、内部も切開、縫合した手術の事実を、

思い知らされるようである。

身体も、あるべきものがもうないことを認識したようで、

しきりにその腔を埋めようとするのか、痛みはないものの

締め付けられるような、絞られるような感覚がずっとある。

梅雨というのに、大して雨も降らずに梅雨明けとなりそうだが、

蒸し暑さが術後の新たな試練となりそうである。

 


禁煙一年

2022年06月21日 | ノンジャンル

梅雨入りしてしばらくは晴天の日があったりしていたが、

今日から本格的に雨の季節となるようだ。

気圧が低い、気温が高い、蒸し暑い。

術後初めての梅雨の季節は最悪である。慢性的に息苦しい。

とはいえ、昨年の様に咳で夜も眠れない状況に比べれば、

まだましかとも思う。

 

夏至と言えば、たまたまだが禁煙を始めた日が昨年の今日。

まる一年が経ったことになる。

いわゆる禁断症状を様々に想定して、それに対応する準備もしていたのだが、

焦がれる様な喫煙欲求もなく、禁煙ガムやニコチンゼロのヴェイパー等、

存外に早く必要もなくなり、大半を無駄にした。

 

もちろん夢で喫煙したこともあったし、ふとタバコが欲しくなる場面も

あったが、その欲求を力づくでねじ伏せるようなことはなかった。

割合い冷静に、ああ、こういう時に欲しくなってたんだなと、その機会や

動機付けを分析していた。

 

術後、初めはそんな余裕はもちろんなかったが、次第に回復が進むにつれ、

ふとタバコが欲しくなることがしばしばあった。

回復してきたとはいえ、それどころではないはずが、同じような機会に

術前以上に欲しくなる。何を考えてるねんと、それを打ち消すことは

容易なのだが、その欲求の度合いが禁煙直後くらいの高さであることに

不思議な想いである。

 

それもまた、一年となって落ち着いてきたように思える。

まずは初めの一年。そして石の上にも三年。

昼間の時間が最も長い夏至の日は、梅雨のさなかの雨模様。

飲まない、吸わない、打たない、買えない。

禁欲生活のような日々だが、せめて体調が楽な時間が多くあればと、

窓の外の雨を眺めながら思うのである。

 

 


17年

2022年06月02日 | 断酒

また無事に節目の時を迎え、断酒17年となった。

という記事になるところだが、無事も何も、断酒どころでもない

一年だった。

昨年の6月に比べれば、一気に10年ほど老けたような

感覚と外観である。

鏡を見ていると、その日によって精悍さが見て取れる日もあれば、

死相かと思う日もある。

体調は不調なのが普通になってきて、少しでも楽な面があれば、

それがとてもありがたい。

もう本当に、断酒などどうでもよくなっているし、何年継続している

という事自体、虚しくさえ感じる。

ただ、黙って私の断酒を見守り続けてきてくれた人達には、

心からの感謝しかない。

遠い、近いはあっても、先にあると思っていた死が、

今はすぐ隣にある。

これはある意味、生きる醍醐味でもあろう。

臨終只今に在り

そのつもりで、今を生きる。

気張らず、弛まず、ありのまま、そのままの自分で

いられるように。