いつの頃からか、仕事人間となって、公私のメリハリのない
生活となってから、ますます仕事にのめりこみ、
他の趣味などなくとも、仕事が趣味だなどと本気で
考えていた。
家庭を持ってそうも行かなくなってからは、まだ良かったの
だろうが、カミサンともめると、仕事に逃げるようになった。
会社で泊まったことも何度もある。
楽しい、夢中になるくらいまでならいいのだが、それ以上
のめり込むと虜となり、囚われの身になってしまう。
ある意味、ワーカホリックのようなものであったろう。
それでも、仕事が一段落して、息抜きに飲むのであって、
飲むことよりも仕事が優先であった。
それが、同等となり、やがて飲むことを優先させ、
飲むために仕事をするといった形に移行していった。
結果として、アルコール依存症となったのだが、
ひとたびこの虜となる経験をすると、そこから抜け出すのに
別の虜になるものを探し、移行する傾向がある。
私の場合は、仕事からお酒へと移行し、アルコールに
囚われて断酒せねばならない状況に至った。
断酒してからは、まずタバコの本数がやたらと増えた。
吸わずにはおれないのである。
それから、甘い物への異常な執着。これは抑えられない
渇望に似た思いで、やたらと摂取した。
いずれも、断酒初期の典型的な依存移行の傾向であり、
タバコ、甘い物、大量の飲茶、食欲へと、飲酒欲求が
変換されたもののようである。
断酒による一過性の反動ともいえるだろうし、事実、
それらは時間と共に落ち着いていった。
ところが、囚われやすい傾向は残っていて、それが
異なることに移行していくということがこれまでの
経過からみて、よくわかる。
体験を整理し始めた頃から、他の囚われは落ち着いた
ものの、ネット依存かと思えるほど没頭していた
時期がある。
性的欲求が高まり、SEX依存かと思える時期もあったし、
敢えて盛り場へ繰り出して夜遊びをする時期もあった。
買い物依存的に、ともかく欲しいと思った物を買わずには
いられない時期もあったし、仕事でも特にこだわりがある
場合には、自分でももういいだろうにと思いながらも
とことんまでやってしまう時期もあった。
こうして振り返れば、形は変われど、虜となって、囚われ、
やむにやまれぬという依存的傾向が、あちらこちらに
移行していった経緯がはっきりと見て取れる。
今は、ちょうど全ての囚われたことが落ち着いて、
バランスが取れてきているのではないかと、
自分を静観できている。
断酒後、紆余曲折を経て、ようやく本当の意味で
落ち着くのに丸4年近く掛かったことになる。
局部的な痛みが、あちらこちらへ移動していたのが、
ようやく身体全体に散って、痛みとしては感じなくなって
きたと言えばわかりやすいだろうか。
やはり、そうそう簡単には回復の実感を得ることが
できないようである。
幸いにも、ギャンブルに関しては全く興味がなく、熱くなる
自分をわかっていて、昔から手を出さなかったせいか、
その方面への移行はなかった。
いずれの場合でも、飲んでいた頃に比べれば遥かに
経済面での損失は軽微で、月々の決まったお小遣いで
十分賄えるものであったことが勿怪の幸いである。
同じところばかりが痛いと辛いので、それを他の部位に
移行させることを繰り返していく中で、次第に痛み自体が
どこにあるかわからないまでに少しずつ散っていくのでは
ないかと思える。
今は、断酒、断酒と躍起になることもないし、むしろ断酒
そのものに囚われているのではないかと自問した時期も
過ぎて、心の穏やかさを感じている。
もっとも、囚われないまでも、夢中になれることは
一つや二つあったほうが良い。
これから、ゆっくり、いろいろやってみるつもりである。
生活となってから、ますます仕事にのめりこみ、
他の趣味などなくとも、仕事が趣味だなどと本気で
考えていた。
家庭を持ってそうも行かなくなってからは、まだ良かったの
だろうが、カミサンともめると、仕事に逃げるようになった。
会社で泊まったことも何度もある。
楽しい、夢中になるくらいまでならいいのだが、それ以上
のめり込むと虜となり、囚われの身になってしまう。
ある意味、ワーカホリックのようなものであったろう。
それでも、仕事が一段落して、息抜きに飲むのであって、
飲むことよりも仕事が優先であった。
それが、同等となり、やがて飲むことを優先させ、
飲むために仕事をするといった形に移行していった。
結果として、アルコール依存症となったのだが、
ひとたびこの虜となる経験をすると、そこから抜け出すのに
別の虜になるものを探し、移行する傾向がある。
私の場合は、仕事からお酒へと移行し、アルコールに
囚われて断酒せねばならない状況に至った。
断酒してからは、まずタバコの本数がやたらと増えた。
吸わずにはおれないのである。
それから、甘い物への異常な執着。これは抑えられない
渇望に似た思いで、やたらと摂取した。
いずれも、断酒初期の典型的な依存移行の傾向であり、
タバコ、甘い物、大量の飲茶、食欲へと、飲酒欲求が
変換されたもののようである。
断酒による一過性の反動ともいえるだろうし、事実、
それらは時間と共に落ち着いていった。
ところが、囚われやすい傾向は残っていて、それが
異なることに移行していくということがこれまでの
経過からみて、よくわかる。
体験を整理し始めた頃から、他の囚われは落ち着いた
ものの、ネット依存かと思えるほど没頭していた
時期がある。
性的欲求が高まり、SEX依存かと思える時期もあったし、
敢えて盛り場へ繰り出して夜遊びをする時期もあった。
買い物依存的に、ともかく欲しいと思った物を買わずには
いられない時期もあったし、仕事でも特にこだわりがある
場合には、自分でももういいだろうにと思いながらも
とことんまでやってしまう時期もあった。
こうして振り返れば、形は変われど、虜となって、囚われ、
やむにやまれぬという依存的傾向が、あちらこちらに
移行していった経緯がはっきりと見て取れる。
今は、ちょうど全ての囚われたことが落ち着いて、
バランスが取れてきているのではないかと、
自分を静観できている。
断酒後、紆余曲折を経て、ようやく本当の意味で
落ち着くのに丸4年近く掛かったことになる。
局部的な痛みが、あちらこちらへ移動していたのが、
ようやく身体全体に散って、痛みとしては感じなくなって
きたと言えばわかりやすいだろうか。
やはり、そうそう簡単には回復の実感を得ることが
できないようである。
幸いにも、ギャンブルに関しては全く興味がなく、熱くなる
自分をわかっていて、昔から手を出さなかったせいか、
その方面への移行はなかった。
いずれの場合でも、飲んでいた頃に比べれば遥かに
経済面での損失は軽微で、月々の決まったお小遣いで
十分賄えるものであったことが勿怪の幸いである。
同じところばかりが痛いと辛いので、それを他の部位に
移行させることを繰り返していく中で、次第に痛み自体が
どこにあるかわからないまでに少しずつ散っていくのでは
ないかと思える。
今は、断酒、断酒と躍起になることもないし、むしろ断酒
そのものに囚われているのではないかと自問した時期も
過ぎて、心の穏やかさを感じている。
もっとも、囚われないまでも、夢中になれることは
一つや二つあったほうが良い。
これから、ゆっくり、いろいろやってみるつもりである。