ALQUIT DAYS

The Great End of Life is not Knowledge but Action.

共感

2012年12月19日 | ノンジャンル
ノーベル賞受賞の山中教授。

以来、家族や知人、多くの初対面の人などに、私が教授に
そっくりだと聞かされ続けてきた。

あまりにも似ていると言われるので、まじまじと教授の顔を
見てみると、なるほど、様々な表情が私のものと似通っている。

社会的立場も業績も、私とは比べものにならないが、
だからこそ、世界の尊敬を受けている人に似ていると
言われるのはまんざらでもない。

受賞の折、日本の記者が、教授にメダルをかじるポーズを
してくれるよう頼んだそうな。
この国のジャーナリズムは一体どうなってしまったのか。

骨のある報道番組が少なくなり、バラエティなのか報道なのか
はっきりと区別がつきにくくなっている番組を見るにつけ、
閉口するのだが、それも時代の流れかとも思う。

ただ、ジャーナリストとしての気骨は、上辺の言葉ではなく、
その人の一挙手一投足に滲み出るものである。
本質的な急所に突っ込む質問をする者には、それだけの
研鑽と、取材と、裏取りがあり、なおかつ自身の進退を
かけての覚悟が必要なのである。

くだらないスキャンダラスな面を追う、大衆迎合の
バラエティ記者が蔓延するようになっては、
この国のジャーナリズムは地に堕ちる。

いや、すでに地に堕ちているのかもしれない。

しかしながら、さすがに教授の応対は大人であり、
紳士であった。

そして、最も共感とともに感銘を受けたのが、教授の
「受賞はもう過去のことであり、これからが本当に大事だ。」
との言葉であった。

この言葉は、そのまま私が常日頃、心構えとして自身に
言い聞かせていることであり、その意味で非常に親近感を
持つことになった。

外見が似ていることよりも、こういう心構えともいうべき
内面的なものが似ている方が、私としては非常に共感を覚える。

今後とも、教授のますますのご活躍を祈りたいと思う。

彼の立ち居振る舞い、言動は、久し振りに爽やかな風が心を
吹き抜けていくような、そんな清々しさを感じさせてくれた。

同じ男の目から見ても、涼やかな男である。





春よ

2012年12月18日 | ノンジャンル
昨年の末には急な事件が発生して、その年を象徴するかの
ように、年越しどころではない状態だった。

それから今年一年、走りに走ってきて、もうその頃と
変わらない時期になっている。

いろいろとあり過ぎた一年ではあったが、昨年よりは
一歩前へと進めた気がする分、良しとしておくことにする。

冬は死の季節である。
春の萌芽は夏に急速に成長し、秋には衰え、冬に死ぬ。
いつまでも若いつもりでいるのだが、知人が亡くなる
ケースも増えてきた。

冬の寒い季節になると、特に訃報が多くなる。
今年も何人見送ったことか。

冬が死なら、春は生か。春の巡り来ないことはないので、
死の中に生があり、生の中に死があることになる。

いやいや、この死の季節にこそ鮮やかに花を咲かせる
ものもある。

七年前に一度死に、ともかくも子供達の成長のみを
心の支えとして、寿命を延ばした。
娘は成人し、息子は大学生。

恐らく永くは生きられないとも思うが、だからこそ今を
ともかくもしゃにむに生きるしかない。

今から、ここから。 
常に自分に言い聞かせて、また走り続ける。
横を向いても、後ろを向いても仕方がない。
自分の前に向かって走るしかない。

身を切るような冷たい風が、優しい風になった頃、
青空と陽射しの中で、会えたならいいと思う。

初めは、覚悟しておけよと思っていたが、
それも雪解けのようにやわらかくなって、今では
あの頃のように笑顔で会えるだろう。

卒入進新の春。

今から春が待ち遠しい。
それは、生きていればこそであり、共に生きる人が
いるからこそなのである。

その意味で言えば、自身は、萌芽の春を
待つよりも、北風に凛と咲く花でありたいと
思うのである。





師走

2012年12月10日 | ノンジャンル
今年は、「気が付けば」というフレーズが多すぎの
ような気がする。

季節を肌で感じてはいても、暦を意識している
暇がほとんどない。

まだ、土日が休日であれば、週末の区切りがつきそうな
ものだが、何かと土日も忙しいことが多く、ふと気が付けば
水が温んでいたり、汗をかく季節になっていたり、指先が
冷たくなる季節にと、感覚的な認識でしかとらえていない
一年だったと思う。

この先、また出張やらなんやらで、年末も年明けも
区切りなく連続していくことになるのだろうが、これは
そもそも昨年来より覚悟していたことだった。

何とか厳しい一年を乗り越えられそうだが、来年は
輪をかけて厳しくなりそうだ。

ともあれ、息子も第2志望の大学に合格し、あとは
第1志望の結果待ちである。

どこの大学へ行くかも大事だが、大学で何をするのかが
最も大事だと言い聞かせている。
もっとも、理工学部はかなり忙しいので、
あまり遊んでいる余裕はないだろう。

ともあれ、不景気と業績の悪化、寒々しい懐具合とは
裏腹に、留まることを知らないかのように
お金は飛んでいく。

まあ、いくら貯めてもどこへ持っていけるわけでなし、
皆が元気で暮らして、自分の道を進んでいければ
それでいい。

そろそろ一年を振り返る時期に来たのだろうが、
それは、走り続ける者たちにとっては、一瞬で
いいのかもしれない。

また、来年も、自分なりに走り続けたい。

それにしても、懐と同じように急に冷え込んできて、
寒い年末となりそうである。