「先生、すみません、飲んでしまいました。」
先生は黙ってこちらを向いている。
先生が何も仰らないので、弁解しようと
頭を巡らせるが、何も言葉が出てこない。
ふっと先生は笑みを浮かべて、
「また今日からですね」と仰った。
後悔でもなく、申し訳なさでもなく、自分を
責めるのでもなく、私はその笑顔に心からホッとして、
また「今日から」をしっかりと肚に決める。
院長先生が亡くなって8年が過ぎた。
夢のような歳月だが、不思議と先生の夢を
見たことはなかったように思う。
昨夜、久し振りに先生の笑顔を見た。
その笑顔は、死して後においてなお、私を支える
ものだった。
8年前を思い出した。もう、飲んでしまって
すみませんと謝れる相手がいない。
謝ることができない以上、もう飲むことは
できなくなったと。
前回の記事の「ステップ」で、先生のことを考えて
いたからだろうか。
いや、それも含めて、先生は私に、「原点」と
「歩」とを新たにするようにと仰っているのだろう。
恩を報ずるとは、恩を送ることであろう。
それが回向でもあると信ずる。
これからも、ご恩に報じ続けたいと思うのである。
先生は黙ってこちらを向いている。
先生が何も仰らないので、弁解しようと
頭を巡らせるが、何も言葉が出てこない。
ふっと先生は笑みを浮かべて、
「また今日からですね」と仰った。
後悔でもなく、申し訳なさでもなく、自分を
責めるのでもなく、私はその笑顔に心からホッとして、
また「今日から」をしっかりと肚に決める。
院長先生が亡くなって8年が過ぎた。
夢のような歳月だが、不思議と先生の夢を
見たことはなかったように思う。
昨夜、久し振りに先生の笑顔を見た。
その笑顔は、死して後においてなお、私を支える
ものだった。
8年前を思い出した。もう、飲んでしまって
すみませんと謝れる相手がいない。
謝ることができない以上、もう飲むことは
できなくなったと。
前回の記事の「ステップ」で、先生のことを考えて
いたからだろうか。
いや、それも含めて、先生は私に、「原点」と
「歩」とを新たにするようにと仰っているのだろう。
恩を報ずるとは、恩を送ることであろう。
それが回向でもあると信ずる。
これからも、ご恩に報じ続けたいと思うのである。