ひろせ明子の市議日記

無所属・無会派。
市議として日常で見たこと・感じたことを綴っています。

小児外科のともしび消すな その18

2009年07月20日 | 病院赤字問題

「小児外科を残してほしい」との一市民の陳情が、大変残念ですが、昨年9月の委員会審査でも本会議でもで否決されたのですが、年末に見事に存続が決まりました。
その後、建て替えが始まりベット数も(建て替え中の為に)大きく縮小された現在の病院ですが、その火は灯され続けています。

この間のブログを読んで下さった市民の方から、小児外科に関するメールを頂きました。
ご本人の許可を頂き、全文を載せさせて頂きます。

      
3番目の子どもが白血病でJ病院に入院中のことです。
鼻からも栄養が取れなくなって、点滴も刺すところがむずがしくなり、胃(?)に直接カテーテルを挿入したいが、「J病院には小児外科がなく、一般外科の先生に診察してもらったら、体が小さ過ぎて挿入できない」といわれ「葛南病院(当時)なら小児外科があるけれど、子どもを動かせない(当時、無菌室にいた)ので、先生に来てもらって手術します」といわれました。

手術は予定時間の2倍くらいかかって、さらに、麻酔からなかなかさめなかったので、相当心配しましたが、無事におわりました。

一度6キロまで増えていた子どもが3キロにやせた、骨と皮の状態だったのです。循環も悪く、血管もやせ細っていました。

小児外科の先生は、二人来てくださったそうで、あとからお名前だけをうかがい、いつかお礼を申し上げたいと思っていたところ、2年後(娘はすでに亡くなっていましたが)長男が肺炎で入院することになり、そのとき、先生をお訪ねして、お礼を伝えました。

その後の数ヶ月のおかげで、骨髄移植に希望をつなぎ、お正月の外泊ができ、1歳の誕生日を祝い、いろんな思い出をつくることができたのです。

もし、小児外科がなかったら、その後の数ヶ月の娘の命はどうなっていたでしょう。
結果亡くなってしまったけど、当時は栄養が確保されれば、薬がきけば、助かる命だったかもしれないとしたら・・・・。

これだけ、医療が高度になってくると、専門性のある医者がいるかいないか、大違いです。

子どもの数が減っているので、採算は取れないと思いますがひとたび、子どもが大病をすると、親はたった一人の子どもの命にかかりっきりになる時代です。
それだけ、責任が大きいので、なり手が少ないのも現状です。
(お年寄りに比べ、子どもがなくなったときの嘆きを見るのはより辛いものと思います)

ですから、「小児外科があるのが誇り」と思います。
近隣の病院からも頼りにされ、大事にされる時代が来なくてはいけないと思っています。

「採算があわないから、私立の病院にはできないこと」です。
J病院がそのいい例です。公立病院だからこそできる仕事をしてほしいと思っています。
もはや私には小児外科にかかる子どもはいませんが、今後、孫や知り合いの子どもが守られる、とおもえば市民税をはらっていることに満足です。

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