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小沢一郎・証言台に立つ・直近の心境⑤~⑥

小沢一郎・今の心境・その五

 

総選挙の後は強い政権づくり

 2012年1月日投稿

◎・最終的には国民の判断です。民主党がその役割を果たせるのがベスト。ただ果たせなかった場合には、それに代わるものを考えなきゃいけない。

 だから野田さんしっかりしてくれと、僕は言っているわけです。しっかりしないと、こうした事態にはとても対応できないんじゃないですか、と言っている。――民主党が変わらなかった場合、小沢さんはどうしますか。

 ◎・うーん、そうなると、いつどういう選択をするかという判断になりますね。今はまだ結論は出ていません。

 ――2012年の日本はどうなるのでしょうか。

 ◎・こればっかりは、わからない。ただ、かなりのことになるだろうと思う。相当のことをしないと日本はもたない。

 ☆☆

最大に山場だった民主党の小沢一郎元代表の被告人質問が終わり、陸山会裁判の実質的な審理は終了した。その直後、野田政権は、発足からわずか4か月で内閣改造を断行し、消費増税法案の年度内提出へ向けてねらいを定めた。

 政局はにわかに動き出している。“剛腕”は何を考え、狙っているのか、被告人質問の夜、週刊朝日の単独インタビューに答えた。

 ――陸山会裁判の山場である小沢さん自身の被告人質問が1月11日に終わりました。率直な感想を聞かせてください。

 ◎・一連の捜査は最初からすべて、僕が「不正な金」を受け取ったということを大前提にして進められてきたので、僕自身も、この事件で逮捕起訴された僕の元秘書三人も、この3年間、非常にしんどい思いをし、無念の思いで来ました。

 それでも昨年12月の公判で、元東京地検特捜部田代政弘検事による捜査報告書の「ねつ造」疑惑などが飛び出し、あらぬ疑いがいろんな形で晴れてきたので、まあ、忍耐、苦労のし甲斐があったと思います。

 国民みんなが徐々にわかって来てくれたということで、自分を慰めて、自己満足するしかないかな、という気持ちですね。(笑い)

 ――被告人質問では、裁判の焦点の一つとなっている「現金4億円」の原資について、

 両親から相続した東京湯島の自宅を14~15億円で売却し、現在の自宅を9億円前後で購入した残金。

 東京・上野の土地を相続し、売却した1億円前後。

 ③著書の印税8千万円などの収入計1憶6~7千万円・・

などと具体的に説明しました。

 ◎・すべて説明しましたよ。そもそも、検察が強制捜査をしても、不正は何もなかったんです。「不正な金」を取ったということを前提とした見込み捜査から始まっているから、何ともしょうがないんですが、結果として国民の皆さんも段々と分かってきてくれているようだから、それで「よし」とする以外にないですね。

 ――2日間の被告人質問で、話すべきことは話したという感触はありますか。

 ◎・検察官役の指定弁護士も他に聞くことがないからだろうけれど、同じことを何度も何度も聞いてくるんです。裁判官の質問にも答えましたが、政治資金収支報告書をいちいち細かく見ている国会議員なんていません。

 法律の趣旨に照らしてどうかと聞かれても、確かにそれがいいというわけじゃないけれど、現実問題として、収支報告書の中身を細かく把握する物理的、精神的余裕はない。

 それに、これも裁判で何度も言いましたが、収支報告書は1年間の資金の出入りを書くという非常に単純な作業です。

普通の能力を持っている人間ならば誰でも出来ることで、それを秘書に任せているわけです。

 議員がすべてを検証するのは不可能だし、議員自身が検証しなければならないのなら、秘書は必要ないということになります。

 続く

1月20日投稿

 小沢一郎:今の心境・その六

 官邸は能天気だ

2012年1月20日投稿

 ――小沢さんの被告人質問のさなか、永田町で浮上したのが内閣改造論です。野田政権は1月13日、発足からわずか4か月で改造人事に踏み切りました。参議院で問責決議を受けた小沢グループの一川保夫・前防衛省と山岡賢次・前消費者担当相兼国家公安委員長も交代しました。

 ◎・グループがどうこうというよりも、問題は、四か月で大臣を次々と変えざるを得ない状態になっていることです。ちょっと尋常ではないですね・・・。

 それでも改造人事をするならば、国会運営の一環としてやらないと意味がないけれど、見ていると、ただ「代えたからいいでしょ」ということだけでしょう。

 通常国会が始まる直前のこの時期に人事を行うというのも異例のことで、基本的にはおかしい。新年度の予算編成は昨年末に終わっているんですからね。

 新大臣は自分で予算編成をしていないから、国会で質問されても答えられない。そうなれば、野田首相がすべて代わりに答えなくちゃいけないことになる。

 そういう筋道のおかしさもあるけれども、そもそも、いま野田さんが国会運営の全体像をどう見ているのかよくわかりません。

 国会直前の改造、正直分からない。

 ――今回の改造は政権浮揚につながりますか。

 ◎・人事と絡ませるのはいい手段ではありませんが、それでもあえて人を代えるなら、通常は、それに関連していろいろと国会運営を巡る与野党間の話し合いがあってしかるべきです。

 だけれど、そんなことをやっているフシもない。

 本来の議会制民主主義では、どんなに与野党が対立しているときでも、国会対策委員会と議院運営委員会ではつながっているものです。今の与野党間にそれがないとしたら、もう何を変えてもうまくいかないと思う。

 ――今回の人事では、平野博文前国対委員長が文部科学相になりました。

 ◎・国会開会の直前に、まったく新しい人を国対委員長に起用するというのは、正直、ちょっと何を考えているのかわかりません。

 大臣を交代させ、ましてや国対委員長まで変えて、10日後の始まる国会をちゃんとやれと言っても、そう簡単にいくもんじゃない。そこまで考えが及ばないということなんでしょうかね。

――野田首相が本当に消費増税法案を出すかどうかはともかく、少なくとも野党はこれから年度末に向けて予算関連法案を

「人質」にして衆院解散・総選挙への圧力を強めて来ます。打開策はありますか。

 ◎・野党は赤字国債発行に必要な特例公債法案よりも、むしろ

「交付国債」に反対するでしょう。将来の消費増税による返済を当て込んで、基礎年金の国庫負担財源2・5兆円を賄うというものですが、あれは本来赤字国債を出せばいい話です。

 それを,単に見かけ上の国債発行額を抑えるために、一般会計に計上しなくて済む交付国債にしようとしている。子供だましもいいところです。なぜこういうことをやるのかなあという気がします。困った状況ですね。文字通り、メルトダウンの感じになってきた。(苦笑)・・・続く

 

 

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袴田事件への思い③

袴田事件への思い③

132回

それで改めてこの袴田事件について調べてみたら、もうめちゃくちゃな捜査なんだな。

 被害者の一家4人はそれこそめった刺しにされているのに、凶器はくり小刀一本だとか、事件から1年以上も経って味噌製造工場の味噌タンクの中から、返り血を浴びた犯人の着衣(犯行着衣)が見つかったり、とかな。

 裁判も杜撰(ずさん)そのもので袴田さんの調書は全部で45通有ったんだが、一審の静岡地裁ではそのうち44通を自白を強要されたと退けて、1通しか証拠として採用されていない.

 ところがその1通も残りの44通とほぼ変わらん内容なのに、静岡地裁はその1通の自白調書だけで、死刑判決を下したんだ。

 しかし実は、一審の段階から、袴田さんの無実を確信していた人がいた。一審の静岡地裁の裁判官だった熊本典道さんという判事(当時)だ。

 熊本さんは袴田さんの裁判を担当していて、死刑判決を出す際の合議にも加わっているんだが、当時から袴田さんの犯行に疑問を感じていて、袴田さんの死刑に反対するんだ。けど結果的に2対1の多数決で押し切られて、袴田さんの死刑が決まった。皮肉なことに熊本さんは袴田さんの死刑判決に反対していたのに、その死刑判決文を書かされることになるんだ。

 それからしばらくして熊本さんは裁判官を辞めるんだけど、実はその判決文には『付言(ふげん)』というのが付いていた。

 「袴田さんの調書が45通もあるのに、1通しか証拠として採用されていない」とか、「判決は死刑と結論付けているけれども、審議を尽くしたとは言いがたい」というような内容の「付言」を熊本さんは付けたんだな。

 高裁、最高裁で判決がひっくり返るのを願って。こんなことは異例のことらしいわ。弁護士の先生に尋ねても「死刑判決で付言なんていうのは、今まで聞いたことないです。そんなのが本当に付いてたの?うそでしょう」とびっくりしてたよ。

 一審の判決でそういう付言がついたということは、二審の東京高裁も、最高裁も重く受け止めなければならん筈なのに、高裁も最高裁も薄っぺらい審理で死刑判決を出して、袴田さんの死刑判決が確定したんだ。

 一方の熊本さんは、一審判決の後に裁判官を辞め、その後もずっと悩み続けて生きていくんだ。けれど、最近になって、自分の過ちを告白して袴田さんの再審を求める上申書を最高裁に提出したりして、獄中から袴田さんを救い出そうとするわけだ。

 自ら死刑判決を書いた人が、その死刑囚を救おうと言うんだからすごい話だよ。

 それで袴田事件を映画化するんだったら、この人(熊本さん)を主人公にしようと考えた。袴田さんも40年以上も獄中に閉じ込められ、人生を台無しにされたが、熊本さんも40年以上、悩み苦しみながら生きてきたわけだから。

 この熊本さんの姿を通じて、人を裁くということの難しさや、命の尊さを描ければと思ってね

 具体的に映画化に動き始めたのは、ヤクザを引退して、得度した(09年4月)後のことだ。続く

 

 

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