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大谷翔平語録84(最終回)「二刀流だからと自分を特別視しない」

大谷翔平語録
84回(最終回)

二刀流だからと自分を特別視しない

 2021年から二刀流でシーズン162試合を完走してきたとはいえ、自分の身体との戦いは毎年のことだった。投打でほぼフル出場を続けるのは当然、他選手以上に負担があった。

 だが、大谷は自分を特別視することなどない。二刀流だからという言い訳をするつもりなど毛頭ない。
2022年のシーズン中、疲労を指摘されたときの言葉がそれを物語っている。
1年間、出ていればやっぱり、疲労というのは溜まると思いますし、それはもうみんな野手もきつい体で出ていると思うので。自分だけではないですけれど、あと少し頑張りたい

振り返れば2022年にも痙攣、いわゆる体がつる症状があった。
8月3日、右前腕がつる症状が出た。休養の必要性を指摘されると、淡々と切り返した。

出られる試合は出たいなと思っていますし、休める余裕もないですから

大谷自身が口にしていたように、体の状態に合わせた二刀流の調整は、もう大谷にしかわからない。
疲労はもちろん、やればやるほど溜まっていくと思うんですけど、その中でオフの日もそうだし、DHで出るにしても、なんというんですかね、練習量だったり、そこまでの過程で調整できるところがあると思うのでそういう微調整でやっていきたい

 周りと比較することもできない。自分を信じて試合に出られるのか出られないのか判断するしかない。それはチームも理解している。だから監督やGMも大谷の言葉を信じるしかない。

二刀流として2年連続、シーズンを完走した2022年10月5日、ほっとしたような表情で言った。
安定して毎試合投げられたのが良かったと思います。それが一番。健康な状態で毎試合、疲れるのは別としてマウンドに上がることができたのは一番だと思うのでそれをまた継続してもっともっと成長できれば、もっともっといい選手に成れる

二刀流で継続して、安定して出続けること――。
これが大谷のブレない目標だ。気力で乗り切ってきたが、右肘は悲鳴をあげた。
原因は当然どこかにあるのだが、誰かを責めるべきではないと思う。
防げたのかもしれないが起こってしまったことはもう何を言っても変えられない。

一世紀ぶりの二刀流のパフオーマンスを見られることに感謝し、今後も応援する――。

 大谷に恩返しするならこの気持ちをずっと持ち続けること。そう信じて、見守りたい。                 終り                           
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大谷翔平語録83 十・終わりなき旅

大谷翔平語録
83
十・終わりなき旅
全員が全員、毎回100%の状態で登板しているわけではない

 2023年8月23日、大谷は右肘を再び故障した。二刀流で鉄人のように試合出場をつづけてきたが、右腕が悲鳴をあげた。野球ファンはもちろん、球界やメディアも落胆した。投打で輝きを放ち、見る者に幸せを運び社会を明るく照らしていただけにショックも大きかった。
大谷の体は大谷が一番よくわかっている。故障者が続出して苦しいチーム状況の中、限界まで戦っていた。故障前のコメントをたどると、やはり疲労が体を侵食していたことがわる。

6月下旬から右手中指に異変

 8月9日のジャイアンツ戦、2年連続2桁勝利となる10勝目を挙げたが、6回を投げ切るのが精いっぱいだった。

疲労は皆ピークぐらいじゃないかなと思うので連戦の最後ということもあるしまた明日休みを挟んで体がどんな感じなのかを確認しながら、もちろん休みが必要なら休むということも仕事として大事かなと思います

 試合にできる限り出場することで、その経験を次につなげる――。ファンやメディアから疲労を心配され、休養をすべきという声があった中で出場を続けて来たが、ついに「休むことも仕事」と口にした。それだけ体が疲弊していた。

8月3日のマリナーズ戦では右手中指の痙攣もあり、4回で降板していた。

一番は疲労じゃないかと思いますね。それは単純に連戦ということもあるし移動が含まれるということもあるけれど、できるだけの体調管理はしているので、その中で出られるという判断だったので、結果としてこういう形になって申し訳ない

 気力を振り絞り限界まで突き進んだ。故障者が続出し、ポストシーズン進出が厳しい状況で負けられない試合が続いていたチーム状況も。頭にあったのかも知れない。

  一方で夏場に差し掛かり、すべての登板が万全の状態ではなかった。
しかし、投げられるとの判断で出場を続けていた。
勿論相談して決めることではありますけど、みんな一杯一杯の状態でプレーしているし、休むような試合と言ったらなんですけど、そういう試合はもうないと思うのでできるなら1試合1試合全部出たい

プレーに影響はないという判断で出たので、もちろん迷惑がかかるような状況だったら出ないし、出た方がチームが勝つ確率が高いんじゃないかなという判断です

右手の中指には6月下旬ごろから異変が出始めていた。
7月4日の対パドレス戦も割れた爪が完全に治りきらないうちに登板、6回途中で5失点で4敗目を喫している。

勿論100ではないですけど、全員が全員毎回100%の状態で登板しているわけではないし、ある程度のスケジュールを守りながら、その中でピッチングしないといけないのでその中で抑えたかったなと思います

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大谷翔平語録82対話を重視する監督

大谷翔平語録
82
対話を重視する監督

 約1か月後の2022年8月、栗山監督はエンゼルスタジアムを訪れた。試合を観戦し、二刀流でプレーを続ける大谷の状態を確認した。そしてシーズン終了後の10月5日、大谷の気持ちに変わりはなかった。
日本代表のメンバー入りなら光栄なことなので、一番は体調面も含めて、自分が万全の状態で出られるのかどうなのかということが先ず一番かと思うので、ちょっと一回ゆっくりして、体をリセットしてそこからかと思います

それから約1か月後、大谷jは自身のインスタグラムでWBC出場を栗山監督に伝えたことを明かした。先行して12人のメンバーを発表した年明けの記者会見にもサプライズで登場。初出場への意気込みを語り、同監督への変わらぬ信頼を口にした。

本当に一人一人の選手と対話する監督だと思うので、一緒にプレーしたことがない選手でも数日でお互いを知ることができるんじゃないかと思います。
そういう雰囲気を持っている監督だと思うので集まる選手は何の不安もなくプレーできると思います

大谷自身も対話を重ねて、日本のプロ野球で二刀流の基礎を固めた。
高校を卒業してメジャーリーグ挑戦を一度は表明しながら、日本ハムでのプレーを決断している。シーズンMVPを獲得した2021年11月、日本記者クラブでの会見で同年限りで日本ハムの監督を退任した恩師について問われると、こう答えた。
本当に栗山さんには感謝しかないですし、あの時色々話して日本ハムに入っていなかったら、こういう形でここにはいないと思うので、寂しい思いはありますけど、長年、頑張ってこられた方なので、今後どうするのかはわからないですけど、少しゆっくり、リラックスした時間を過ごしてほしいなと思いますね。その分僕が頑張っていけたらいいなと思っています

侍ジャパンの監督を退任した恩師に対する気持ちは今もきっと変わらないだろう。
感謝を胸に、大谷はさらなる高みを目指す。
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大谷翔平語録 81 九・WBCと栗山監督

大谷翔平語録81
九・WBCと栗山監督

信頼してもらって全部預けてもらったのは感謝しています

 大谷は日本ハム時代に栗山英樹監督のもとで二刀流の礎を築いた。
そして2023年3月のWBCでは再びともに戦い、二刀流で頂点に立った。ともに日本一も世界一も経験。二人の信頼関係は、やはり特別だった。WBC優勝後の会見で、大谷は恩氏師に感謝の気持ちを伝えた。
準備の仕方も含めて信頼してもらっているのも嬉しかったですし、そこに集中できて、そういう風に信頼、してもらって、全部預けてもらったのは凄く感謝しています

日本一にも2016年になりましたけど、こういう形でまた一緒に野球をする、そうなると正直思っていなかったので、本当にいい経験をさせてもらいましたし、最終的に最高の形で終わることができて、素晴らしい大会、自分にとっても素晴らしい経験だった

理解と信頼

 日本でのWBC一次ラウンド、開幕投手を任され、二刀流で起用された、決勝戦ではDHを解除し、9回から守護神として登板する秘策で胴上げ投手にもなった。二刀流で始まり、二刀流で有終の美を飾った。
最高の形で終わることができたので全員が自分たちの仕事をして、粘り強く最後の最後まであきらめずに、監督を優勝させることができて良かった

 二人にとっては事前に思い描いた通りの展開だったのかもしれない、準々決勝のイタリア戦後、日本から米国へ移動。侍ジャパンはフロリダ州マイアミの地に飛んだ。準決勝メキシコ戦の前に行われた全体練習では、大谷と栗山監督が話し込む場面もあった。

 決勝での登板をも含め,世界一までの様々なシナリオを描いた。
そのための準備を重ね、頂点にたどり着いた、尤も、すべては大谷が心身ともに最高の状態でWBCを迎えられたことが大きかった。

 日本ハムから旅立ち、メジャーで5年。故障を繰り返しながらも、メジャーリーグのシーズン162試合を投打で完走できるフィジカルを作り上げた。
2月まではエンゼルスのキャンプに参加し、満を持して帰国。強化試合での出場を経て、開幕戦に向けて意気込みを語った。
お世話になった監督とこういう舞台で出来るっていう事は凄く特別なことだし勿論一緒に優勝できれば、これ以上ないかなと思います

メジャーに挑戦して以降、再び栗山監督とともに戦うことは想像していなかったという。
遡ると侍ジャパンの監督に栗山氏が就任し、WBCを来春に控えていた2022年7月,『共闘』が現実味を帯びてきた時期に大谷は心境を明かした。

自分を理解してくれる方なので、やりやすいと思うし、その人と一緒に頑張りたいなという気持ちに、もちろんなると思います。
5年間お世話になりましたし、それ以降はなかなか、年1回くらいしか、会う機会はないですけど、もし選んでいただけるのであれば、光栄なことであるし、一緒に頑張りたい
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大谷翔平語録80 「ホームランを狙おうというのはほとんどない」

大谷翔平語録 80
「 ホームランを狙おうというのはほとんどない

 「構えに入る前にシッカリとピッチャーがいい角度で見えているなら、構えた時にも同じ様に見えて、踏み込んだ時にも同じ様に見えるので、構えに入る前からしっかりそういう角度で見えているときは比較的状態はいいかなと思います」(2021年3月1日)

ホームランを狙おうというのはほとんどないですね。そういう打席はほとんどシーズン中もないので、いいコンタクトしたら勝手にホームランになると自分では思っている。詰まっても先っぽに当たっても、ある程度いい角度で当たればホームランになるという自信は持って振っているので、特にホームランを狙うということはなくいい角度でボールに当てるというのが一番」(2021年4月4日)

甘い球も結構ありましたし、セカンドゴロなんかも僕の中では打ち上げている球なので、多少なんていうんですかねバックアップ気味に、曲がり切らない変化球というか、一番面倒くさいというか。投げていてもそうですけど自分がミスしたなと思っているボールが一番打てないボールに成ったりするので。そういう微妙なところ」(2022年3月31日)

バックスピードというその要素一つだけでそうなるって実感できることはないし、そこが伸びているということは、他の要素ももちろんよくなっているという事なので、それに付随してよくなっているなって実感できることはありますけど、単にがむしゃらに速く振ればいいというものではない」(2022年4月5日)

ある程度いいところに打球が飛んでそれなりに追い込まれた中で厳しいボールにバットが当たるのは、それなりにいいスイングパスを通っているのではないかなと思うので、状態的には悪くはない
(2023年4月5日)

一番はスイング軌道じゃないかなと思うので、自分御理想の軌道で振れているときは、右ピッチャーも左ピッチャーも関係なく、球種も関係なく、
長い間コンタクトできる準備ができている分、詰まっても泳いでもしっかり触れる準備ができているんじゃないかなと思います」(2023年6月27日)
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大谷翔平語録79 八・打撃論を語る 

大谷翔平語録79
八・打撃論を語る

詰まっても先っぽに当たっても、ある程度いい角度で上がればホームランになるという自信を持って振っている

 大谷の技術論は、常人の理解の範囲を超えることが少なくない。
レベルが違いすぎて役には立たないとは思うが、大学まで野球を経験したことがある筆者にとっても、「どういうこと?」と理解が追い付かないのだ。

 文字で説明するとさらに難しくなるが、野球研究という意味でも別項で紹介した言葉も含め、あえてピックアップしてみたい。

いいスイングしているときは、比較的打球があがりやすい傾向があると思うので、それはどのバッターも一緒だと思うんですけど、その方がボールとバットの接点も多くなるしいい傾向だと思っています」(2018年8月18日)

結果的に上がっている打球に対しては比較的、ヒットに成ったり、ホームランに成る率が高いのでそこ次第かと思います。ゴロに成れば、アウトになる確率が高くなっているので。
かといって上げに行くのではなく、自然に上がるポイントでしっかりとらえられるかどうかが今は大事」(2019年5月31日)

ファウルにも、いいファウルと悪いファウルが有るので勿体ないなというファウルと大丈夫だというファウルが有るので、そこを意識しておけばいいと思っています」(2019年6月14日)

基本的には低い打球を打ちたい

必ずこれっていうバットスイングの軌道はないですね。ど真ん中のボールがどいう言うスイングなのか、まず考えないといけないですけど、そこを平行だと考えたら、ある程度、内の高めは下からというか、その軌道じゃないところを通さないと打てないし、外の低めもその軌道じゃないところで打たないと打てないので、そのコースによって、または球種によって、それは変わってくると思いますね」(2020年2月15日)

自分の良さというか、打球方向だったり、打球の角度だったり、それはもう小さい時からやってきて一番力の出やすいスイングの軌道があるので、そこをずラスの、今の段階ではずらさない方がいいし、その軌道のまま、後はタ
イミングだったり、ボールとの距離感の取り方だったりということなのかと。どっちがいいというのは、はっきりはないですけど、今の段階ではどっちも試しながら、やっぱりずらさないところはずらさない方がいいよねっていうところはある」(2020年2月25日)

基本的には低い打球を打ちたいと思っている。やっぱりその方がボールがバットに当たる面積も大きいし打球速度も速くなるので、その分ヒットになる確率も高くなる。角度がなくても、ホームラン、長打になるのは利点になると思うので、上がればホームランになるけど、上がらなくてもホームランになるようにシッカリと振っていく、ということが先ず大事

打球が上がっているかどうかはボールの下を叩いているかどうかなので。ゾーンというか下を叩く位置が長く、バットが通っていれば、その分、ごろになりにくかったりとか、それは引っ張るかどうかにもよると思うんですけど。
単純にゴロを広角に打てるとか、フライを広角に打てるとかではなくて、しっかりといい球をしっかりしたスイングでいい打球を広角に打てるというのが、いいバッターかと思います」(ともに2021年2月23日)

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大谷翔平語録78睡眠時間の確保がいいパフォーマンスに

大谷翔平語録
78

睡眠時間の確保がいいパフォーマンスに

 睡眠時間振り返れば「よく寝る大谷は」所々で話題になった。右肘のリハビリ中だった2019年2月、練習に制限があったため、1日の中で時間が空くことも多かった。
球場から離れ、何をしていたのか。

ゆっくりしているか、結構お昼も寝ているので、寝ている時間は長いと思います。基本的にシーズンよりも朝は早いので、夜は23時とかそのくらいに寝ますけど。リハビリを終えて宿泊先に帰ってすぐ寝て18時くらいまで寝ています。まばらですけど結構寝ると思います。2回寝ていますね

とにかくよく眠る。時に寝だめすることもある。

投手としてメジャーでキャリアハイの成績を残した2022年シーズン。残り約1か月の時点で最も心掛けるべきことを明かした。

一番はやっぱり睡眠だと思うので、睡眠時間をしっかり確保することがいいリカバリーにつながりますし、言い切り替わりができれば、いいパフオーマンスにつながっていると思います。
一貫してリカバリーは大事だと思っていますが、最後の一か月の方が体的にもきついと思うのでより大事になってくると

 2023年5月上旬、侍ジャパンでともに戦ったカージナルスのラーズ・ヌートバーから遠征先のセントルイスで食事に誘われた。携帯にメッセージを送ったそうだが、大谷は寝ていたという。真相はいかに・・・。

その通りですね。寝ていましたね。(日中も?との問いに)日中もそうですね。時差が有るので向こうの西時間だとまだそんなに夜遅くということではないので、比較的睡眠はとれていたと思います

寝すぎも逆に疲れるのではないかと思うがどうなのか。

寝れば寝るだけいいと思いますね。質は二の次、まずは量を確保することだと思っています

優先順位は質よりも量の様だが、寝具にもこだわりがあるという。アスリートにとっての睡眠の重要性はますます注目されていくのではないだろうか。

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大谷翔平語録 77  七・二刀流の「睡眠哲学」

大谷翔平語録
77
七・二刀流の睡眠哲学

寝れば寝るだけいいと思いますね。質は二の次。まずは量を確保することだと思います

 アメリカにも寝る子は育つ」という言葉はあるのだが、大谷はとにかくよく眠る。二刀流としてシーズン162試合を戦う上で、試合間にどれだけ体力を回復させるか、大谷が最も心掛けているのは睡眠だ。驚いたのは2023年7月5日、マーリンズ戦での登板前日のことだ。7月4日はアメリカの独立記念日。不イーストンから移動したエンゼルスはその日、試合はなく完全休養日だった。宿舎はマイアミビーチ近くのリゾートホテル。独立を祝い夜は花火などでにぎわっていた。
大谷は何をしていたのだろうか。もちろん登板前日のため、体に負担をかける行動はしないだろうが、気分転換にビーチ散策でもしているのでは・・・・。

ビーチには行っていないですね。行こうかと思いましたけど、ホテルでずっと寝てたので、ホテルでマッサージなどやってもらったりしていました

入念な「計画睡眠」

 やはりというか野球のパフォーマンスにつながる体のメンテナンスが優先だった。初めて訪れる街に興味はなかったのだろうか。
町もきれいで、気分転換というか雰囲気は多少街ごとに違うので明るい雰囲気でよかったと思っています

宿舎からマーリンズの本拠地ロ-ンデポ・パークまでのバス移動でダウンタウンの町並みは見えたはずだ。外出していないとすれば、景色を堪能したのはバスから球場までの往復の間だけだったのかもしれない。

 2023年4月、大歓迎で迎えられたヤンキースタジアムでは、地元メディアの質問攻めにあった。前述したように、この時、休場外でのお気に入りの過ごし方を問われた大谷は「一回も出たことがないのでわからないです」という『衝撃発言』を残している。

 ニューヨークは世界的な観光都市の一つだ。
タイムズ・スクエア立ち並ぶ高層ビルの摩天楼、セントラルパーク、自由の女神など観光名所は数多い。シーズン中に限れば、大谷は2023年の4月までに3度ニューヨーク遠征に帯同していたが、一度も外出したことがないという事実には誰もが目を丸くしたに違いない。

 更に同日、睡眠についての徹底ぶりも明かしている。米国は東部と西部で3時間、中部と西部で2時間の時差がある。

 エンゼルスの本拠地は西地区。遠征先に移動すれば、中部なら2時間進み、東部なら3時間進む。
他地区から本拠地に移動する際は時間が逆戻りする。

 2023年4月はニューヨークでのヤンキース戦を終えると、異動日なしで本拠地アナハイムでの連戦が待ち受けていた。時差ボケも伴う中、体の状態をキープするために重要なことはやはり寝ることだった。
一番は睡眠ですね。時差が有るので。ここからまたすぐ、本拠地にもどりますけど、いつもだったら中地区を挟んだりで多少緩い感じのこんなにスケジュール的にタイトではないと思うのですけど、一番は睡眠じゃないかと思うので、睡眠、何時寝るかの準備を数日前から計画的にやる必要はある

 どのタイミングで寝て、どれくらい寝るか。

 計画的な睡眠が過酷な日程に耐えるための必須のメソッドだという。

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大谷翔平語録76 ベーブ・ルースとの奇縁

大谷翔平語録
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ベーブ・ルースとの奇縁

 ヤンキースタジアムでの大谷の通算成績、打率は前述したように低いのだが、6安打のうち本塁打が4本、一方2度の登板ではともにKOを食らっている。2021年6月30日の初登板で2/3回で7失点と大炎上。2022年6月2日、3回を投げ8安打4失点。
投手成績は2戦0勝1敗、防御率27・00と散々な結果となっている。

その一方でヤンキースタジアムでの試合がターニングポイントになったことも。2021年6月30日の大乱調を境に、それ以降の8戦で6勝。投手大谷が躍進するきっかけとなった。
ヤンキース戦は調子が悪くて一杯点を取られてしまったんですけどそこから何が悪かったのかを考えて工夫できたことが良かった

ヤンキースタジアムで本塁打を放つ一方、投手で苦戦している点に関してはルースとの二刀流の奇縁を感じてしまう。

 元祖二刀流が史上初の「2ケタ勝利&2ケタ本塁打」を記録したのは、レッドソックス時代の1918年ヤンキース移籍後はほとんど打者専任でプレーしている。

 旧ヤンキースタジアムでルースは打者として259本塁打をマークし、投手ではわずか1試合の登板。勝ち投手となったが9イニングで12安打5失点の結果となっている。大谷はレッドソックスの本拠地、ボストンのフエンウエイ・パークでは、投打ともに相性は悪くない。

 2023年時点で投手では2試合で1勝0敗、防御率1・00、打者では打率3割1分2本塁打。ルースと同様に投打で好成績を残している。
実際にフェンウェイ・パークの印象はどう感じていたのか。
風情があって素晴らしい球場だと思いました

初登板ではマウンド上で躍動した。
好きな球場なので、楽しみにしていましたし、いい印象が持てたので、そこもプラスだったと思います

ヤンキースタジアムでは打者ルースが見守り、フェンウェイ・パークでは二刀流ルースが味方になっている。そんな風に感じてしまうのは筆者だけだろうか。
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大谷翔平語録75  六・大谷翔平とニューヨーク

大谷翔平語録
75
六・大谷翔平とニューヨーク

1回もNYの街に出たことがないのでわからないです

 大谷はヤンキースタジアムで強烈なインパクトを残している。
2021年6月の3連戦で放った3本のホームランは圧巻だった。コロナ過や故障も重なったため、2018年以来となる久々のヤンキースタジアム。3連戦初戦の第一打席では、右翼スタンドへ弾丸ライナーの一発。球場全体がざわめき、ヤンキースファンが観客席をほゞ占拠する中、スタンディングオベーションを受けた。2戦目は3年振りとなる2打席連続アーチ。

 2本目は滞空時間わずか3・2秒という衝撃の超低空弾だった。元祖ベイブ・ルースも活躍し、「ルースが建てた家」とも呼ばれた旧ヤンキースタジアムは道路を挟んで向かい側にある。ヤンキース時代に10度の本塁打王に輝き、通算714本塁打を放ったルースを彷彿させるパワーを大谷は、ニューヨークのファンの前で見せつけた。

 「名実ともに世界一のチームだと思うので、そういうところでプレーできるのもすごく光栄ですし、何回も来ることはないと思うんですけれど、数少ない打席の中で結果が出たのは良かったと思います

ニューヨークのファンも魅了

 同球場で大谷が出場する試合は、ファンにとっても現地メディアにとっても注目の的だ。2022年5月31日~6月2日の3連戦、アーロン・ジャッジ外野手との対決は「ホームラン・バトル」と称され、球場では特製Tシャツも販売された。

 先述したように、ヤンキースタジアム開場100周年記念日となる

2023年4月18日の試合では、大谷が第一打席で本塁打を放ち再びニューヨークのファンを歓喜させた。
同球場の第一号は
1923年4月18日にベーブ・ルースが放っている。

100年後の同じ日に大谷が本塁打を放ったというミラクル。

 試合後、地元地元メディアも大谷の取材に殺到し、矢継ぎ早に質問が飛んだ、実は、同球場での大谷の通算打率は1割3分と相性が良くない。

あまりどの球場で打っているかというのは、自分ではよくわかっていないので、あまり悪い印象はないかと思うのですが、シリーズの最初を今日取れたというのは良かったし、また明日切り替えて頑張りたい

ヤンキースタジアムの印象はどう感じているのか。
球場もきれいだし、ファンも熱狂的だし、いつもたくさんお客さんが入って、僕は今日も楽しんでプレー出来ました
そして質疑応答の中で驚きの答えがあった。

 これまで何度も訪れているニューヨークでの過ごし方とお気に入りのスポットを聞かれると、苦笑いで明かした。

一回も外出したことがないので、わからないです(笑)

 アメリカ最大の都市であり、世界的な観光地でもあるニューヨーク。連戦の合間に気分転換に名所を巡ってもいいのでは・・・・などという短絡的な考えはあっさりとあっけなく一蹴された。伝統球団にリスペクトを示し、好きな野球を思う存分にプレーする。

 大谷が望んでいることは、本当にそれだけかも知れない。

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