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小沢一郎・証言台に立つ・直近の心境⑨

小沢一郎今の心境・その九

 2012年1月23日投稿

 ◎・僕が帰るなんて誰も予想していなかったから、みんな、びっくりしていましたよ。地元は「帰ってくるわけはねえ」と思っていますからね(笑い)。

 みんな僕の立場も、裁判を抱えていることも分かっていますから、お互い激励し合いました。「オレもがんばっから、みんなもがんばれい!」ってね。

 被災直後から達増知事と打ち合わせながら手を打って来ましたが、現地の見舞いなどは若い人たちに任せて、僕は当面の応急手当と制度を整えることに専念してきました。今回被災地を回って改めて強く感じたのは、やはり基本の制度を改革しないと、この国はだめだということです。

 一つは「危機管理制度の確立」、もう一つは、「中央集権から、地域主権への転換」です。財源と権限を地方に移すことです。

 そして「福島原発事故への対応」ですね。やはり小手先では駄目です。根本から変えないとどうしようもない。確かに被災地には復興関連で多額の金が入ってきていますが、基本的ビジョンが何もないままです。

 復興景気で恩恵を受けている人もいますが、「被災地全体の、国民全体の暮らしをどうするか」、という視点がありません。

 [世界経済の危機・僕なら対策ある]

 ――本来は国がしっかりやるべき話ですよね。

 ◎・そりゃそうですよ。だからまず、この国の旧体制を打破しなくてはならない。まるで橋本市長みたいな主張になっちゃいますが(笑い)

 実は彼とは、旧体制をぶっ壊さなきゃ新しい国民のためのシステムはできない、という考えでは共通しています。これは僕が20年近く前に「日本改造計画」を出したころから掲げている主張で、僕が言いだしっぺだと思っているんですけれどね。

 本当は大震災後の今が、官僚の旧体制をぶっ壊すのにいい機会なんです。旧態依然の官僚機構を潰して、官僚の能力をちゃんと発揮させる仕組みを作らないといけない。政治家がきちっとした理念を示し、具体策を示せば、官僚は絶対についてくる。

 僕は確信を持っています。だからこそ、政治家が官僚を納得させるだけの見識と能力を持っていなきゃいけないんです。

 日本はもうおかしくなってしまっているそれなのに官邸が能天気なのが不思議です。自民党政権時代の末期も首相が1年ごとに変わりましたが、それでも、当時の首相たちは日本のことを一生懸命考えていたと思います。

 だけれども、民主党はなんか能天気なんですね。権力を楽しむのはいいけれど、実態は官邸任せになってしまっているのが問題です。

 ――ユーロ危機を持ち出すまでもなく、世界経済は深刻な状況です。今のような政治の混とんは、この国の致命傷になりかねません。

 ◎・本当にそう思います。致命傷だと思いますよ。だから、その時に日本人が、民意がどう動くかですね。

 ユーロ危機は、どうしようもないところまで来ています。米国だってどうなるか分からない。この3~4月あたりは、大変なことになっているんじゃないか。そんな気がします。

 世界経済が混乱し、中国経済が減速して落ち込んでいったら、日本経済も大きなダメージを受ける。

 ――対策はないんですか

 ◎・僕はいま、何かできる立場じゃないですから。

 ――立場だったとすれば。

 ◎・その立場になれば別ですよ。それは、いくらでも方法があります。日本には能力もお金もいくらでもあるんですからね。

 思い切ってやれば、やりようはいくらでもありますよ終わり

 [上記「◎・」は当然ながら小沢一郎である。]

 

 

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小チンピラのボランティア

135回

小チンピラのボランティア

 それで、最終的にはその島を近くの国から独立させて、大統領になって島の「政府専用機」で訪日するんだ。赤絨毯の上を歩いてその時の日本の首相なんかと握手してさ。

 小さな島の大統領でも、一応は国賓だからな。外交交渉もちょっとうるさいよ。日本の外務省と「島益」かけて丁々発止やるんだから。

 「うちの資源が欲しいならもっとODA(政府開発援助)よこせよ」ってな。冗談半分、本気半分だけど、夢のある話だろ。実はいまでもちょこちょこ下見には行ってるんだよ。

 ただ俺は東南アジア諸国の小学校へ文房具などをプレゼントするときでも、病院に車椅子を贈る時でも、必ず現地政府の厚生大臣とかしかるべきルートを通すようにしている。

 援助の品が本当に必要な所へ然るべきところに届くようにするためだ。それにものを贈る時には必ず俺自身が現地まで足を運ぶか、俺がどうしても行けない場合だったら、信用できる人間に行って貰うようにしている。

 北朝鮮みたいに途中で物資を抜き取るというようなことは断じてゆるされんからな。

 それに第一、いくら金があるからって、現地にも行かず,ポイッとよこすような真似は相手の国や、国民にとって失礼だろ。いくら貧しいからといったって、乞食じゃないんだからな。

 というのも。いつだったか、島田紳助というお笑い芸人が自分が司会やってる番組(日本テレビ系・行列のできる法律相談所)を使って、カンボジアに学校を建てるんだとかとか、言ってたじゃないか。

 あれほど見ていて気分が悪くなる番組もなかったな。

「チャリティー・オークション」だとか言って、自分やタレントの描いた下手な絵を、500万だか200万だかバカ高い値段で売りつけて。もちろん買う方は善意で買ったんだろうが、売り上げが1億円を超えたとか言って自慢してな。本来慈善事業やボランティアなんていうのは人知れずやるもんじゃないのか。

 ああいうふうに自分の善意を見せびらかすような奴のことをチンピラにもなれない小物“小チンピラ”というんだよ。

 その小チンピラが見せびらかす、押しつけがましい見てるこちらが恥ずかしくなるような「善意」を、公共の電波を使って垂れ流すテレビ局も、テレビ局だ。

 つい最近カンボジア政府の高官と会う機会があったんだがあの番組については露骨に不愉快な顔をしてたな。「自分たちの国が貧しいことを笑いものにされてるようだ」って。

 あの下品な番組でどれだけ視聴率が上がったかは知らんが、仮にもカンボジアは一国家なんだ。他の国の貧しい部分を取り上げるなら、報道でやれよ。

 バラエティー番組で面白おかしくやっちゃいかんだろう。それで挙句の果てには、そのカンボジアに建てた小学校は今や廃校寸前だっていうんだから、小チンピラ芸人もテレビ局も、カンボジアの国民や日本の視聴者をナメてちゃいかんぜって話だ。

 ボランティアと言えば、以前、NHKのクローズアップ現代が、日本人のボランティアが掘った井戸からヒ素が出て、その井戸水を飲んだ現地の人たちがヒ素中毒を起こしている――というのを報じていた。

ああいうのを見ると正直、日本のボランティアってどうなんだろう、彼らの善意っていうのは何なんだろう…って思ってしまうよ。

 何かを与えるだけじゃなくて、結果に対しても責任を持たなきゃ、善意の押し売りといわれてもしかたないんじゃないか。

 他にも日本政府がODAでベトナムにバカでかい橋を造ったはいいけど、実は車が1台も通らないところで、挙句の果てには壊れちまって、住民が逆に迷惑してるって話もあったな。

 結局潤ったのは地元の特権階級と日本のゼネコンだけで、おまけにそのODEがらみで現地の高官が収賄でパくられるという、不細工なオチまでついて。

 アフリカへの医療品の支援でも、日本の薬を、現地の言葉で訳した説明書をつけないまま送ったもんで、現地の住民が飲み方間違えて逆に体壊している・・・とかさ。

 そういう話を見聞きすると、“途上国支援”とか“援助”とか言うもののあり方も考えさせられるな。

 ただ俺自身はアジアの子供たちへの贈り物はこれからも続けて行くよ。ただし、島田紳助みたいな小チンピラ連中と違って、こっそりとね。細々とだけど、着実にな。続く

 

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