yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

電気学会 創立125周年

2013-10-04 05:59:52 | 文化
私が所属する電気学会は、1888年(明治21年)に創立されましたので、本年125周年を迎えました。初代の会長は、戊辰戦争・五稜郭の戦で敗れた榎本武揚でした。榎本は、外交・産業・工業について高い見識をもっており、当時は逓信大臣を勤めていました。この時の格調高い演説は今も残っています。(写真 下 複刻版)すなわち、榎本武揚は、電気の重要性を多くの事例を挙げたあとに次のように述べています。

「(前文略)以上開陳したる所に依りて之れを考れば、本会会務の範囲は甚だ広大にして、会員諸君が或は学理の蘊奥に叩き、或は実験の成績に照し、詮索致究すべき事項は決して小少にあらず。因って余は会員諸君の熱心協力に依りて他日、本会の目的を達し、此電気学会なるものは、本邦世運の開達、人生の幸福を増進するに於て必要欠くべからざるの一大利器となり、果して会長演述の旨意に背かざらんことを熱望に堪えざるなり」


また電気学会は、今日まで日本の電気技術の中心となる役割を果たしてきました。電気学会の76代の会長であった関根泰次先生は次のように書いています。
2003年に、米国の工学アカデミー(NAE)は、全ての会員に対して、「20世紀の最大の技術的成果は何か」と尋ねたところ、ある人は電灯、テレビ、電話、計算機、インターネット、あるいは人工衛星などを挙げました。しかし、最終的に選ばれたのは、それがなければこれらのいずれもが機能しない「電力システム」であったということです。我が国において電気学会は正にこの人類を支える基本技術たる電気技術を産み育ててきた母体であり、掛け値なしに、これからの若い世代の人たちにも誇りを以って引き渡すことの出来る大きな成果と思う。

不肖私は、今こそ日本人が今後の電気エネルギー源として原子力を選ぶか、安全・安心な持続可能エネルギーを選択するかを決める重要局面に立っていると考えます。

関根泰次「電気学会 創立125周年を祝う」 電気学会誌 Vol.133 No.10




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