yoshのブログ

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オールド・ラング・ザイン

2014-01-25 06:01:00 | 文学
「オールド・ラング・ザイン」は、スコットランドの国民的詩人 ロバート バーンズ(1759~1796)が作った詩「遠き昔」ですが、日本で有名な「蛍の光」の原曲です。「バーンズ・ナイト」は詩人の誕生日の1月25日の前後に行われます。スコットランド国内にとどまらず世界中どこにいても、スコットランド人のいる所では人々が集まって、この特別な行事が催されます。詩人が愛したハギスという郷土料理を食べながら、スコッチウイスキーを飲み、「ハギスに捧げる詩」や「スコッツ・ワー・ヘー」「シャンターのタム」などバーンズの代表作を次から次へと朗読し、詩人を讃えるスピーチが披露されます。世界中を探してみても、これほど愛される詩人がいるでしょうか。なぜ、かくもバーンズはスコットランドの人々に愛され続けているのでしょうか。
「バーンズ・ナイト」の最後に全員で合唱するのが「オールド・ラング・ザイン」と題される古いスコットランド民謡です。バーンズが古英語で作詩しました。
AULD LANG SYNE (遠き昔)

Should auld acquaintance be forgot 昔なじみの忘らるべきや、
And never brought in mind? 心に思ひ起さずに。
Should auld acquaintance be forgot 昔なじみの忘らるべきや、
And days o’ lang syne         また遠き昔のことの

For auld lang my dears いざ遠き昔のために、君よ、
For auld lang syne いざ遠き昔のために、
We’ll tak’a cup o’kindness yet 我等は友愛の杯とらん、
For the sake auld lang syne いざ遠き昔のために。
We twa ha’e run about the braes 我等二人は丘駆け廻り、
And pu’d the gowans fine 雛菊の花を摘み合へり
But we’ve wandered many a weary foot されど其より長き年月
Sin’ auld lang syne 辛き旅路をさまよへり。
We twa ha’e paidl’t i’the burn 我等二人は小川に遊び、
Frae mornin’ sun till dine        朝より午後までを過せり。
But seas between us braid ha’e road’d されど其より長き年月
Sin’auld lang syne            大洋遠く遮れり。 
And here’s a hand my trusty fere, 此処に我が手あり、友よ、
And gi’es a hand o’ thine   汝が手をも差し出せよや。
And we’ll tak’a right guid willie-waught 而して我等心よく親愛の酒飲み干さん
For auld lang syne いざ遠き昔のために。
And surely ye’ll be your pint-stoup 而して汝は汝の大盃をとれ、
And surely ye’ll be mine そして我は我の大杯をとらん、
We’ll tak’a cup o’kindness yet    而して我等友愛の酒飲み交さん、
For auld lang syne    いざ遠き昔のために。

古英語は現代の英語と異なり、単語の意味、発音、表記が違うので、理解に苦しみました。

日本でいえば、1759年は江戸時代で与謝蕪村が活動した時代です。この時代に生まれた
詩人の誕生日を今も祝い、彼の詩を朗読する習慣をもつスコットランドの文化には驚きます。

土屋守 「スコットランド旅の物語」 東京書籍
中村為治 「バーンズ詩集」 岩波書店 

コメント
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