yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

ギャンブラーの誤謬

2014-01-19 06:30:57 | 文化
丁半・賭博などの賭け事は、原理的には確率計算により説明できるはずですが、人間は、勝負の流れや、表現の仕方や「思いこみ」に惑わされます。
コインを投げる時、表が出ると○と表現し、裏が出ると●と表現するとします。○が出る確率と裏が出る確率は同じと仮定します。(各々0.5)
さて、問題です。
5回コインを投げた時、次のAとBと、どちらの確率が高いでしょうか。
A. ○○○○○
B. ○●●○●

多くの人はBと答えがちですが、AとBの確率は同じで0.5の5乗 0.03125 です。
では、Aとなった後、6回目に●が出るか○が出るか、どちらになりやすいでしょうか。
多くの人が●と答えがちですが、●と○の出る確率は同じで0.5です。これが「ギャンブラーの誤謬」と呼ばれるものです。
 次の質問にはどう考えますか。2枚の宝くじがあってどちらかをあげると言われたら、どちらの番号を選びますか。
A. 111111
B. 168372
多くの人がBを選びがちですが、当たる確率は」AもBも同じです。「Bが当たりそう」と
思うのは心理的な理由によるものです。人間は数学的な確率とは別の規準により判断を下しているようです。
 読者の皆様はどちらの医師に手術をしてもらいたいですか。
A. これまで1000人の手術」をしているが、950人が5年以上生存している。
B. これまで1000人の手術」をしているが、50人が5年未満で死亡している。

表現に左右されて医師Aを選ぶ人が多いそうですが、AとBはまったく同じことを
言っています。
天気予報などは、受け取る側の主観や願望により、趣旨が誤って伝わることが多いそうです。災害予報の表現には、配慮が特に必要とされるとのことです。
 「土曜日までは雨は降らないでしょう」という」という天気予報があったとします。これには、「土曜日になったら雨が降る」という解釈と「日曜日になったら雨が降る」という解釈があります。日照り続きで早く雨が降って欲しいと願う農家の人は、「土曜日に雨が降る」
と考えるでしょう。一方、土曜日の遠足を楽しみにしている小学生は、「土曜日に雨が降らない」と考えるでしょう。自分の期待が情報の受け止め方に影響するのです。
 
邑本 俊亮 「災害と人間: 認知心理学の視点から」 U7 東京大学 Vol. 53

 

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