双葉山の連勝記録69を目指していた横綱白鵬が、11月15日に稀勢の里に敗れ、惜しくも連勝が63で止まりました。白鵬にとっては痛恨の敗北であり、私も惜しい気持ちで一杯になりました。しかし日本相撲らしい押し相撲をとった稀勢の里の堂々たる勝利も立派であったと思います。白鵬も稀勢の里もまだ充分に若いですから、これからの活躍が大いに期待されます。
かつて、双葉山が70戦目に敗れた時に、友人に打電した言葉が「未だ木鶏たりえず」でした。木鶏の故事は荘子「達生篇」にあり、師の安岡正篤から教わっていたとの事でした。
さて「木鶏」の故事は以下のようなことです。
紀せい子 王のために闘鶏を養う。
十日にして問う。 「鶏、已によきか」と。
曰く「未だし。方(まさ)に虚僑して気を恃む」と。
(強がって威勢を張ること)
十日にして又問う。曰く「未だし。猶お、きょう景に応ず」と。
(他の鶏の影にも身構える)
十日にして又問う。曰く「未だし。猶お疾視して気を盛んにす」と。
(他の鶏を近づけると、未だぐっとにらみつけて気負いたつ)
十日にして又問う。曰く「幾(つく)せり。鶏の鳴くもの有りと雖も、已に変ずること無し。
(動ずるところが無い)
之を望むに木鶏に似たり。其の徳全し。
(完璧で、見ると木で作った鶏のようだ)
異鶏の敢えて応(あた)るもの無く、反り走らん。」と。
紀せい子と周の宣王との闘鶏問答に託して、勝敗にとらわれぬ者こそ
無敵の強者、無心こそ最高の境地であることを述べています。
双葉山は心の面で今一歩ということを自覚していたそうです。
白鵬も、余裕を失って慌てて勝ちに行ったのが敗因と、冷静に敗北の原因を振り返っていました。
白鵬がわずか1年の間に、双葉山の記録に近づいたのは偉業であり、白鵬の力は依然として他の力士に抜きんでています。
大横綱白鵬が再び奮起し、再度、記録の更新に挑戦することを期待したいと思います。
かつて、双葉山が70戦目に敗れた時に、友人に打電した言葉が「未だ木鶏たりえず」でした。木鶏の故事は荘子「達生篇」にあり、師の安岡正篤から教わっていたとの事でした。
さて「木鶏」の故事は以下のようなことです。
紀せい子 王のために闘鶏を養う。
十日にして問う。 「鶏、已によきか」と。
曰く「未だし。方(まさ)に虚僑して気を恃む」と。
(強がって威勢を張ること)
十日にして又問う。曰く「未だし。猶お、きょう景に応ず」と。
(他の鶏の影にも身構える)
十日にして又問う。曰く「未だし。猶お疾視して気を盛んにす」と。
(他の鶏を近づけると、未だぐっとにらみつけて気負いたつ)
十日にして又問う。曰く「幾(つく)せり。鶏の鳴くもの有りと雖も、已に変ずること無し。
(動ずるところが無い)
之を望むに木鶏に似たり。其の徳全し。
(完璧で、見ると木で作った鶏のようだ)
異鶏の敢えて応(あた)るもの無く、反り走らん。」と。
紀せい子と周の宣王との闘鶏問答に託して、勝敗にとらわれぬ者こそ
無敵の強者、無心こそ最高の境地であることを述べています。
双葉山は心の面で今一歩ということを自覚していたそうです。
白鵬も、余裕を失って慌てて勝ちに行ったのが敗因と、冷静に敗北の原因を振り返っていました。
白鵬がわずか1年の間に、双葉山の記録に近づいたのは偉業であり、白鵬の力は依然として他の力士に抜きんでています。
大横綱白鵬が再び奮起し、再度、記録の更新に挑戦することを期待したいと思います。