yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

聖武天皇の愛劔

2010-11-07 05:15:20 | 歴史
明治時代の末に東大寺の大仏の膝の下から発見されていた宝剣が、最近の調査により、聖武天皇の愛劔だということがわかりました。東大寺では、大仏が安置されていた地面を鎮めるために埋められていた鎮壇具と考えて、保管していたということです。この劔は、奈良時代の天平勝宝8年(765年)6月21日、聖武天皇の七七忌に光明皇后により正倉院に納められたものです。この聖武天皇の遺愛品の目録が「国家珍宝帳」です。ここには陽寶劔と陰寶劔、二尺八寸と記されております。ところがこの寶劔が収納後、3年経って持ち出されました。光明皇后が、聖武天皇の愛劔を天皇ゆかりの東大寺の大仏に託されたのではないかと推測されます。
東大寺に保管されていた寶劔が、聖武天皇の愛劔と断定される決め手となったのは、刀身の柄近くにX線で確認された「陽劔」と「陰劔」の象嵌の文字と、刀身の長さ1mが「国家珍宝帳」に記載されていた長さと一致したことです。1245年前の事が、今日、明らかになったのです。これは聖武天皇を想う光明皇后の気持ちと共に、現代によみがえった壮大なロマンと言えるでしょう。鉄製の宝劔と、それを記録した文書が現代まで無事に残っていたことを知り、古い文化を大切にする日本人の奥ゆかしさに感動しました。
コメント
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