yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

漢字の間違い

2010-11-25 06:51:51 | 文化
かつて、漢字力の低下を案じる文章を見たことがあります。「秋も段々深まりました。姉も段々色づいてきました。」という高校三年生の教え子から便りをもらった先生が一読、びっくりしたという話です。どうも「柿」と書くつもりが「姉」と間違えたらしいのです。この漢字力の低下を案じる文章を書いたその筆者にしても、何かの折りに「祖父」を「粗父」と書き、「年寄りを粗末にするな」とクラスで教師にからかわれたそうです。このように漢字力の低下は昨今の趨勢ではないかと思われます。つまりワープロや携帯電話が普及したので、自ら漢字を書く機会が減ったことが大いに影響しています。電子メールの文章には珍妙なのが沢山あります。先日もらった電子メールの中に「価値」のことが「勝ち」と書いてあり、しばし当惑しました。多分、私なども電子メールの中に度々間違った漢字を書いていることと思います。以前、「平伏する」と書くべきところを「平服する」と書いてしまいました。校正に強い家内が言うところでは、校正よりも校閲はさらに格上の能力がいるそうです。総合国語力と総合学力と広い知識と緻密な注意力。その上、間違いを直感する感性が必要であるとのこと。校閲能力は一種の技芸のようなもので、一朝一夕に身につくものではないようです。さすがに大出版社や大新聞社の校閲部にはプロと呼ぶにふさわしい実力を持っている方が多いようであり、その力に感嘆します。正しい日本文を守る砦のような任を果たしているのでしょう。仮名交り文は漢字と仮名があるので、わかり易く読めますし、表意文字の漢字があることによって、読みやすくなっているからでしょう。正しい日本語の文章を書くためには、日頃から日本語に対する感性を磨いて、正しく使う習慣が大切なようです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする