yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

おおスザンナ

2010-09-04 08:29:16 | 文化
有名なアメリカ民謡の「おおスザンナ」の話です。この曲はスティーブン・フォスター(1826-1864)が1849年に作詩・作曲しました。フォスターはアメリカ民謡の父と言われ、「故郷の人々・ケンタッキーのわが家・金髪のジェニー・夢見る人・ネリーブライ・オールドブラックジョー」など数多くの作品を残しました。
ところで「おおスザンナ」を日本に初めて紹介したのは中浜万次郎(通称ジョン万次郎)でした。万次郎は幕末の人で、土佐の漁師でしたが漁に出て嵐で船が難破してしまい、鳥島に漂着していたところをアメリカの捕鯨船に助けられて1843年にアメリカに渡りました。当時、アメリカの西部で金鉱が発見され、ゴールド・ラッシュの最中にあったので、彼も金鉱に行って働き、所謂フォーティーナイナー(1849年組)の一人になりました。そこで資金を貯めて上海行きの船に乗せてもらい、1851年に琉球経由で日本に帰ってきました。それから陸路「おおスザンナ」を歌いながら故郷の土佐の村に戻ったということです。その後、土佐の学者、河田小竜(しょうりょう)にアメリカの話と共に、この歌も伝えたのでその内容が資料として残っています。従って「おおスザンナ」が日本に紹介された初めてのアメリカ民謡という事になります。なお、坂本竜馬は河田小竜に弟子入りしてアメリカや西洋の事情を詳しく聞いたということです。後に竜馬は、軍艦教授所の教授となった中浜万次郎に江戸で再会しています。竜馬が欧米をよく知っていたのは万次郎の影響であると言われています。その中に「アメリカでは大統領が選挙で選ばれ、メイドの給料まで心配している」というようなこともあったそうです。

英語の歌詞(一部のみを下に記しました)
   I had a dream de odder night
When ebery ting was still
I thought I saw Susanna,
A coming down de hill.

The buckwheat cake war in her mouth.

The tear was in her eye,
Oh, Susanna, Oh! don’t you cry for me,
I’ve come from Alabama wid my banjo on my knee

ウェルズ恵子著 「フォークソングのアメリカ」

 上記の英文はとてもくだけた表現になっているように思われます。
 基本的にはナンセンスソングだそうです。

 和訳
  ある晩夢を見た
  静かだった
  スザンナを見たと思った
  丘を下ってくる姿
  そば粉のパンを食べながら
  涙をためていた
  おおスザンナよ私のために泣かないで
  私はアラバマからひざにバンジョーをのせてやって来た
コメント
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