岩井アクアスロン・・・続き

ショートの部は、スイムが５００ｍ、ラン５Ｋ

選手がゲートブイ目指し泳ぎだす、
でも、後ろからゆっくりスタートを・・・
というより、恐る恐る沖へ向かい歩きだす選手もいる

その人達を後ろから見守りながら、私も沖へと歩く
「あ～～、冷たいッ」
と言えば、
『そうですね～、冷たいですね～』
と、笑顔で返します
そして、じきに慣れてきますよ、と付け加える
「なんか、こわいな～」
と言えば
『海は初めてですか？』
と、会話を交わしながら、序序に沖へ

腰くらいまで来たら・・・
『さあ、泳いで見ましょうか』
と、笑顔で促します

たいてい、ちょっと泳ぐと平泳ぎになるので、
顔を上げた時に、
『大丈夫ですか？』と声をかける

それからは、暫く会話を織り交ぜながら、第１ブイを目指す
序序に水にも慣れて落ち着いてくると、
クロールで泳げるようになる
たまに平泳ぎで方向を確認を入れる
『大丈夫ですか？ブイが見えますか？』
「はい、大丈夫」
と笑顔が帰ってくると、ホッとする

とまあ、こんな感じで、後方のスイマーは海をゆっくり楽しんでいるのだ

ところが、今回の最後尾は、若いお兄さん・・・
顔をまったく水に付けられない
見るからに怖がっている

『大丈夫ですか？』
「な、なんか、すごく怖いです」
足のつかない所まで来たら、平泳ぎさえ出来なくなり、立ち泳ぎでもがいて・・・

おっと、これは危険
声をかけると、私にしがみつきそうな感じ

『大丈夫、大丈夫、慌てないで、これにつかまって』
と、チューブを差し出す

チューブにつかまり・・・
「僕、プールでは泳げるんです、昨日も１０００ｍ泳いだんです」
『そう、まあ、海は初めての時は怖いもんだよ』
「そ、そう、僕、海で泳ぐの初めてで・・・
　あ～、練習したのに、ホントは泳げるのに、悔しいなぁ」
『顔、付けてみる？』
「無理です、怖い」
『そう、じゃあ今日は、この辺で止めておく？』
「あ～、悔しいなぁ・・・お姉ちゃんは、もう泳いでいっちゃったし
　あ、今日はお姉ちゃんと参加したんです」
『そうなんだ～、海は経験だからさ、今回はイイ練習になったと思うよ』
「じゃあ、もうやめようかな・・・」
『うん、ゴメンね、いつまでもこれにつかまってる訳にはいかないんだよ』
「あ、そうですよね、はい、今日はもうやめます」
『じゃあ、ジェット呼ぶから浜まで連れてって貰ってね』

パパッチに、ヘルプサイン
ちょっと遠いな・・・
手前の、やんぴ～に、ヘルプサイン
お、すぐに気付いた、
で、やんぴ～からパパッチに

ジェットが、ビューンと飛んできて、お兄さんを乗せて、ビューン

さあ、再び最後尾に付かなくちゃ、
ダッシュで泳ぐーーーーーー

ちょっと、離れ過ぎたな～

とそこへ、お兄さん降ろして、帰ってきたパパッチ
ジェットにつかまり、最後尾までビューーーーン

さてと・・・あ、始めに会話しながら泳いだマドモアゼルだ
第１ブイを回って・・・キョロキョロしてるので、声をかける
『大丈夫ですか？次のブイは、あっちですよ』
「あ、はい、ありがとう」
と笑顔で、また泳ぎだす

順調にマドモアゼルがクロールで黙々と泳ぎ、一人の紳士を抜いたので
今度は最後尾の紳士の様子を見ながら泳ぐ

紳士はどうやら右へ曲がる癖があるようだ・・・
少しコースを外れ過ぎたので、声をかける
『ヘイ！ヘイ！もっと左、前見て』
息継ぎに合わせて声をかける
気がついた紳士はブイを探し、左へ修正

今回の最高齢６９歳の紳士だ、
偶然にも、主人の先輩

たまたま、大会３日くらい前に会って、この大会に出ると聞いたのだった
そして、主人に「よろしく頼むよ」と言われ・・・その通りになるとは

紳士が上陸して、全員が無事に海からあがり、ホッとする瞬間だ

ガードも陸に上がり、今度はランのお手伝い、
ゴールで選手を迎えてると、

ひとりのマドモアゼルが、駆け寄って来て
「ありがとう！ありがとう！」と、私の手を強く握った
あ、あのマドモアゼルだ、
よく私が解ったな～、嬉しいなぁ～

そして、６９歳の紳士も元気に５キロを走り帰って来た

ああ、みんなイイ笑顔だなぁ～

はい、以上、ショートの部の報告でした