山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

今朝の散歩から:守谷城コース

2007-10-21 11:12:49 | くるま旅くらしの話

この頃はかなりの早さで夜明けが遅くなっている。5時ごろ歩きに出かけようかと思っても未だ暗い。明るくなり出すのは、6時近くなってからだ。あまり早く外に出ると、不審者扱いなどされてはたまらないので、我慢して適当な時間が来るのを待っている。毎日が日曜日の者には、夜明けは早い方がいい。

今日は久しぶりに守谷城の方へ行って見ようと思った。快晴の秋晴れである。空気がきりっと締まって美味い。このような天気の時には、少し遠出の歩きをしたくなる。6時半に家を出て、つくば新線(=TX)の守谷駅構内を通過、ここまで約2kmと少し、それから本町と呼ばれる旧守谷町の中心街に向かって歩き、鎮守様の八坂神社を過ぎ守谷小学校を通り、公園になっている守谷本城の堀跡を眺める場所に出る。守谷小学校の正門前に、茨城百景の一つ「守谷城址」の碑と説明板が建っている。

守谷城というのがあるのを、この地に引っ越して来て初めて知った。茨城県の県北出身なので、南の方のエリアについては幾つかの地名を知っているくらいで、その地の歴史などまったく知らなかったのである。引っ越してきてからもう3年を経過しているのだから、少しは守谷の歴史を知っていなければならないのだが、まだまださっぱりである。北海道のことには詳しくても、自分の住んでいる所のことを知らないというのでは、やはり恥ずかしいことといわねばなるまい。これから少しずつ郷土の歴史を訪ねてゆきたいと思っている。

守谷城というのは豊臣秀吉の時代になって廃城となったとのことだが、それまでは北条氏の勢力下にあって相馬氏が居城していたらしい。築城は鎌倉時代で、彼の関東の英雄、平将門の叔父に当たる人の子孫である相馬師常という人が造ったとのこと。その後少し離れた所に城を移したの場所が、前述の守谷小学校前の場所である。おそらく小学校は城跡に建てられたのであろう。

未だ関東に古河公方の力が残っていた頃、相馬氏がこの地に公方を招聘しようとし、その時の休み所としたのが今住んでいる御所ヶ丘という所らしい。こんな田舎に何で御所ヶ丘なのだと思ったのだが、そのようないわれがあったのである。

今は守谷には都市化の波が押し寄せつつあるが、500年前は、この地は小貝川の水系から引いた水を、城を取り巻く堀に満々と湛えて、26棟もの城郭内の建物を備えた名城があったのだと説明板には書かれていた。有名な相馬の野馬追いの行事は、この城郭の中に建てられた妙見社という神社の前で行われていたとも書かれていた。野馬追いの本家は守谷にあったのである。福島県の相馬市は、もともとここに本城のあった相馬氏が、奥州にあった所領に移って治めた所なのだとか。茨城県のこの地からは相馬という地名は、わずかに「北相馬郡」を残すのみとなった。守谷もその中に含まれていたのだが、市になって無くなり、現在北相馬郡は利根町一つを残すのみである。

本城の跡は、今はこんもりとした樹木が茂る森の公園となっている。堀跡は湿地帯で、散歩道もつくられているが、森の周辺の多くは藪になっており、クズやアレチウリ、ヤブカラシなどの蔓草が生い茂っている。少し下に人工の溜池ではないかと思われる古城沼というのがあって、何人かの人が朝早くから釣り糸を垂れていた。

ここまで我が家から5kmほどか。しばらく景観や野草などを見て楽しんだ後、帰路に着く。帰りは水路を挟んで広がる田んぼの中をTXの守谷基地に向かって歩く。ふと、三橋美智也の歌った「古城」が声となった。……松風騒ぐ丘の上、古城よ一人何偲ぶ、栄華の夢を胸に、……。名曲である。高橋掬太郎先生の詞がいい。尊敬する作詞家のお一人である。守谷城もかつてはこの歌に歌われるような景観があったのであろうか。その名城ぶりは頭の中に思い描くしかない。

田んぼはとっくの昔に刈り取られているが、今はその切り株から生えた稲が稔って穂をつけていた。これは米として収穫できるのだろうか?などと農家の人が聞いたら笑うであろう疑問を覚えながらしばらく歩くと、TX基地である。

TX基地は守谷というよりも隣のつくばみらい市に属する土地の方が多いように思う。ただの荒れた林や藪だった所に何台もの電車車両が待機する大きな基地が出現したのだが、まだ周辺は以前の林や藪を残したままだ。都市化の波がここまで押し寄せてくるには、未だかなりの時間がかかるように思う。それでいいのだ。

基地から30分ほど歩いて我が家に戻る。約1万3千歩。8kmくらいの歩きだった。8時を過ぎている。相棒は未だ眠りの中にいる。

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