山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

北海道に似た景色があった!

2014-03-14 00:19:21 | くるま旅くらしの話

 鬱陶(うっとう)しいこの季節が早く過ぎ去って欲しいと切望する毎日です。本来は冬から目覚めた生き物たちと一緒に、その喜びをともに味わおうという季節なのだと思いますが、40年来の花粉症患者の私には、3月は一年の内で最も忌避したい時期となってしまいました。最近は良い薬が開発されて、くしゃみや鼻水、涙の流失が抑えられるようになってホッとしていますが、それでも酷い時は目は霞み、頭は重く、痛みさえもが混ざって思考停止となり、寝床に身を横たえるのみという日が何日かあることになります。幸い今年は今のところ思考停止までには至らぬレベルで来ていますが、花粉の飛散はこれからが本番ですので、戦々恐々の毎日です。

 先回は「遠くに行きたいな」と、まるで子供の様な嘆きを吐いたのですが、歌を歌うだけではその夢が叶うわけでもなく、依然守谷という町の檻の中に居るばかりです。遠くのことを思う時には、自分の場合は、先ず一番にイメージするのは、やっぱり北海道の景観ですね。はるかなる緑の地平線に、うねりながら続いている真っ直ぐな道を、何度も浮き沈みしながら車を走らせている時は、本当に遠くに来ているなぁ、というのを実感します。北海道にはそのような景色が幾つもありますが、日本海側を走るオロロン街道を北上する時などは、左手に真っ青な海が見え隠れして、一層くるま旅の情緒を盛り上げます。そのようなことを夢想しながら、今日は久しぶりに守谷市内を、利根川の方に向かって自転車でぐるっと一回りしてきました。守谷市は茨城県では一番面積の小さな自治体で、わずか35平方キロメートル余しかありません。これは北海道の平均的な牧場なら4~5個ほどの大きさしかないのです。ですから、旅の気分を味わいたい時は、先ずは歩くこと、そして次は自転車くらいのものです。バイクや車では、旅の情緒は消し飛んでしまいます。

 さて、その自転車での旅ともいえぬ市中見回りの中で、今まで同じ場所を何度か通っているはずなのに、気づかなかった発見をしました。なんと!守谷市内にも北海道に似た景色の場所があったのです。北海道と少し違うのは、起伏が殆ど無く、まっ平らだったということでしょうか。そこは市の郊外といっていい場所で、利根川の堤防の土手の裾からハケ(=川の侵蝕で残されて出来た崖のこと)の辺りまで、約1kmほどの幅の畑や田んぼが、2kmほど続く広がりに過ぎないのですが、今日の間もなく雨が降りだそうという天気の下では、遠くまでが霞んで見えて、北海道の同じような景色を思い出させてくれたのでした。思わず自転車を降りて写真を撮りました。

     

守谷市郊外の利根川(右手にあり)近くにある、北海道に似た景色のある場所。人家の無い広がりが2kmほど続いている。

     

利根川のハケの見える景観。左手が利根川で、右手前方の樹木の茂る場所がハケと呼ばれる崖となっている。このハケの上の方に守谷の市街が広がっている。

 守谷市は利根川、小貝川、鬼怒川(=運河)の三つの川に三方を囲まれた地形となっています。小貝川も鬼怒川も利根川に注ぐ支流ですが、鬼怒川は江戸時代に流れを変えるために掘削してつくられた運河のため河川敷のようなものは無く、小貝川は暴れ川なのですが肥沃な地をもたらしているゆえに川の堤防付近には幾つもの集落が形成されて、大自然の広さを実感できる場所が殆どありません。辛うじて利根川だけは(この付近だけなのかもしれませんが)堤防からハケまでの間に民家など全くみられず、思わず北海道を思わせる景観が出来上がったのだと思いました。

 しかし、ほんの少し自転車を進めると、常磐高速道の近くにはSAがつくられ、工場が建てられており、あっという間に北海道のイメージは消え去ってしまったのでした。それでも一瞬の錯覚のような景観に出会えたことを嬉しく思いました。ほんのちょっとの慰めの時間でした。

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