山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘16年 東北春短か旅 レポート <第14回>

2016-05-29 04:56:25 | くるま旅くらしの話

【今日(5/29)の予定】 

  道の駅:鳥海 →(R7・K47他)→ 出羽三山神社参拝 →(R47・R7他)→ 瀬波温泉 →(R7他)→ 道の駅:神林(泊)

 

【昨日(5/28)のレポート】  天気:晴

<行程>

道の駅:鳥海 →(R7・鳥海ブルーライン他)→ 象潟町・中島台レクリエーションの森探訪(あがりこ大王・獅子ケ鼻湿原) →(K他・R7)→ 道の駅:鳥海(泊)

<レポート>

 天気は回復し、今日は大丈夫だ。今回の旅の中では最大の楽しみの一つである「あがりこ大王」に見参する日である。あがりこ大王は、象潟町の鳥海山麓にある中島台レクリエーションの森の中にあって、日本の名木というか奇木の中では5本の指に入るブナの巨樹なのである。あがりこというのは、この地方の呼び名で、炭を焼くために伐採されたブナの切り株から生えた彦生えなどが、根元の株と一緒にそのまま生長して、何百年も経って大木となったものである。過去に人間どもに負わされた生命に係わる傷は、素直にまっすぐ生長することは叶わず、痛ましいというか、普通でない生長をした故の不気味さを秘めた樹木たちなのである。それらの奇木の中でも最大のものが大王と呼ばれる巨樹で、森の奥に鎮座している。自分があがりこ大王に逢いに行くのは2度目で、相棒は初めてのことなのだった。

 遊佐町にある道の駅:鳥海を出発したのは9時ごろだった。象潟までR7を行くのはつまらないので、鳥海山麓を6合目近くまで走っているブルーラインというのを行くことにした。遊佐町から直ぐにブルーラインに入り、車は次第に高度を上げて行く。しばらく森の中の坂道を走って行くと、やがて視界が広がって、残雪の白い筋が幾つも残る鳥海山の大きな山容が見え出した。下方の海側はスモッグがかかっていて何も見えない。象潟の町もそのスモッグの中にある。空気が済んでいれば、海も空もブルーに光り輝いて見えるのだろうけど、この季節ではいつもこのような状態なのであろう。更にしばらく走って鉾立展望台にて小休止。しばらくその雄大な眺めを楽しんだ。車を走らせようとしたところ、相棒が何か紅い色をした野草に気づいた。そこいら中に花を咲かせているタニウツギとは違う花の色だという。慌てて車を停め,戻しそれを確認した。何と数株の愛らしい花を咲かせたイワカガミだった。この頃は相棒にも野草の方から声がかかるようになったようだ。野草を見つけようと探している間は、なかなか見つかるものではないのだが、その内に野草の方からここにいるよ、と声がかかるようになるのである。長いこと植物の名前を覚えようと努めている内に知ったことなのだが、相棒もそのような心境に達したのかもしれない。何枚かの写真を撮った。

   

鳥海山ブルーライン鉾立展望台近くの岩陰に咲いていたイワカガミ。小さな花だけど、豪華さを秘めている存在だ。

 その後は、ブルーラインを下り続けて、やがて中島台レクリエーションの森の案内板のある場所に。そこから再び長い坂を上って、管理棟の駐車場に車を留める。既に10台以上の先客が駐車していた。登山靴に履き替え、早速探訪を開始する。あがりこ大王までは40分ほど森の中の索道を歩くことになる。今日はその近くにある獅子ケ鼻湿原というのも一回りしたいと思っている。それが出来るかどうかは全て相棒の体力と気力にかかっている。前回は体力に自信が無くて、自分一人があがりこ大王まで往復したのだった。今回はあれから5年以上の時間が立っているので、さて、どうなるのだろう。

 今日はよく晴れてかなり暑くなりだしている。しかし、この歩きに関しては全く心配はない。太陽の厳しい光線は森の樹木たちになだめられて、優しい光となって森を包んでいるからである。鮮緑に染まった森は、樹木たちと渓流の発するマイナスイオンに溢れていて、もうそれだけで元気が湧いてくるのである。しばらく歩いて気づいたのだが、以前来た時は不揃いだった索道が一新されてきれいに整備されていた。これなら相棒が弱音を吐く理由はどこにも見つからないだろうと思った。索道は上がりこ大王の鎮座する場所まで続いていた。何の問題もなく相棒も辿り着くことができ、心配は杞憂だった。写真などを撮ってしばらく休憩する。

   

あがりこ大王の雄姿。森の奥に悠然と鎮座しているその姿は、まさに大王に相応しい貫録がある。

 その後は、少し戻って、今度は獅子ケ鼻湿原を一回りするのにチャレンジすることにした。1時間ほどかかるようだが、この状態なら大丈夫妥当と思った。普通湿原といえば、樹木などはなくて灌木や草叢などが広がっているのをイメージするのだが、この獅子ケ鼻湿原は、全く違っていた。湿原全体が樹木に覆われているのである。だから、歩いていて、どこが湿原なのか判らないという状況なのである。「出つぼ」という湧水が噴き出している場所があり、その近くに行くと流れ出す水の音が樹木たちを震わせていた。物凄い水量は、鳥海山の雪解け水が大地から湧き出ているのであろう。こちらの索道は未整備の箇所があったけど、相棒は難なく乗り越えたようである。途中苔の群落とか、鳥海マリモが生息している場所とかがあったが、自分などにはどうもよく判らずはっきりしなくて残念。

   

新緑の森の中はマイナスイオンに溢れていた。もはや何も言うことはない。

   

森の中の出つぼと呼ばれる場所から噴き出す湧水は、湿原全体を幾つもの流れでうるおしていた。

 2時間半ほどかけて森の中を歩き回った。相棒にとっては、近年にない意義深い歩きだったのではないか。自分にとっても久しぶりの樹木林の中の歩きだったので、大いに満足するものだった。しかし、実のところはその楽しみを半減してくれるトラブルを抱えて往生した。昨夜から腹がしくしく痛み続けて、今朝は何度もトイレに通っていたのだが、この痛みはとびきりしつこくて、なかなか去ってくれなかったのである。ま、不節制の為せるところであり、いた仕方なし。

 森の散策を終えた後は、当初の予定では、象潟の道の駅に行き、温泉に入ってそこでゆっくり過ごすことにしていたのだが、この道の駅はすっかり様相が変わってしまっており、今日は土曜日なので、恐らく新しもの好きの人たちが押し掛けて来て、混雑しているのではないかと考え、もう一晩道の駅:鳥海にお世話になることにした。この道の駅にも近くに温泉があり、より落ち着いて過ごせるのではないかと思った。

 15時頃道の駅に着いて、とにかく自分の方は腹の調子が穏やかでないので、寝床に横になる。相棒はしばらく休憩の後温泉に入りに行った。1時間ほど横になっていて、少し痛みが薄らいだので、自分も温泉に行くことにした。これは効果があって、身体を温めると、腹の具合もようやく静まり出したようだった。夕食は控えめに、それでもビールはしっかり飲んで、もうTVなどは見ないで再び寝床の中へ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ‘16年 東北春短か旅 レポ... | トップ | ‘16年 東北春短か旅 レポ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

くるま旅くらしの話」カテゴリの最新記事