山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

晩秋の実りと花

2010-11-23 06:24:40 | くるま旅くらしの話

 

 長いことだらだらと締りのない暖かさが続いていましたが、11月も終わりに近づいて、ようやく本気で冬に向かい出したようです。守谷市という所は、存外に気候には恵まれている所で、冬もそれほど寒いというほどではなく、我が家ではコタツも石油ストーブも使用しません。少し寒さを覚えるときだけ小さな電気ストーブをつけるか、或いは暖房の空調をするだけです。石油やガスのストーブは空気を濁すだけでなく、部屋の壁なども汚すという山ノ神の堅い主張が通っており、今のところ多少やせ我慢をしながらも何とか冬を過しています。このところ暖冬が続いていますので、ま、この冬も大丈夫だろうと高を括っています。

 守谷に越して来てから6年目を迎えていますが、庭に植えた山もみじのそれらしい紅葉を見たことがありません。我が家の山ノ神に言わせると、そのままにしておけば紅葉が見られるのに、あなたが剪定をし過ぎてせっかくの枝葉をなくしてしまうからだということですが、他所の家を覗いても鮮やかに紅葉しているもみじの木を見ることは少ないようです。守谷の市内で一番目立つ紅葉といえば、街路樹として植えられている公孫樹(いちょう)だと思いますが、こちらの方は正確に言えば黄葉ということになります。本来ならば同じ様に街路樹として植えられたハナミズキなどが渋い紅葉を見せてくれなければならないのだと思いますが、これらの連中はそのような状態になる前に、毎年今一のままで枯葉を落としてしまっているようです。ま、とはいうものの今年は良く見ればドウダンツツジなどの紅葉も見られる時期となっているようです。

他所様のことはともかくとして、我が家においてはこの時期となれば樹木の実りとしては、クロガネモチ、楠天、それにソヨゴの実の輝きが一番のように思います。そして今年も締めくくりの花は皇帝ダリヤです。柿の実も今年はたくさんの実をつけてくれましたが、この時期になると、それらは干し柿となるために物干し竿に吊るされる運命を辿っています。

樹木の実は、やがてヒヨドリたちがやって来て、全てが彼らの腹の中に収められてしまうことになるのですが、今の時期は彼らもまだ関心を向けていないようなので、安全・安心に光り輝いています。樹木に生(な)る赤い実は、クロガネモチもソヨゴも同じ様なものですが、私はソヨゴの実が一番好きです。我が家の庭のメインツリーはクロガネモチですが、その落ち着いた風格よりも、門の傍に植えた頼りない感じのソヨゴになぜか愛着を感ずるのです。

我が家のソヨゴは、土の問題が潜んでいるのか、毎年病葉が多くて、生長も他所の家の同じ頃植えたソヨゴに比べてかなり劣っているように見えます。木があまり大きくならないのは、ある意味では助かるのですが、しかし可哀想にも思うのです。何とかもっと元気にしようとあれこれ考えて消毒をしたり、肥やしをやったりしているのですが、どうも効果が出ているようにも思えません。もしかしたら却って害になるような余計なことをしているのかなと思ったりします。木の診断と手当ては大変難しいことを実感しています。

そのソヨゴに一番救われるのは、この時期の赤い実の輝きです。この輝く赤い実を見ていると、何だか木自体が生命力を回復しているような気がして嬉しくなるのです。もしかしたら枯れないようにするために、或いは枯れても子孫を残そうとして、必死で実をつけているのかもしれません。そのようなソヨゴのひたむきな生き様のようなものを感じて、嬉しくも厳粛な気持ちになるのです。

 

 

もソヨゴは健気にもたくさんの実をつけてくれた。この赤い輝きには、今年一年を精一杯生きてきた思いが籠められているように思う。

 

入ると直ぐ玄関なのですが、その脇に南天を植えてあります。南天には難を転ずるという意味で、縁起の良い木だとも言われますが、特にそのようなことにこだわったわけではありません。この木は大変生命力の強い木で、植えた場所の上は屋根があり、雨が降っても殆ど水が掛からない環境なのですが、毎年バッサリと剪定しても、春になるとたちまち威勢を盛り返して、通路が狭くなるほど葉を繁らせています。今年は例年に無く大きな房の実を幾つもつけてくれました。紅白の実の2種の南天を植えているのですが、白の方は実が見当たらないのが残念です。真っ赤な大きな房を見ていると、今年はここまで来たぞ、どうだ、という彼らの誇らしげな声がどこかから聞こえてくるような錯覚を覚えます。

 

 

に実る南天の実。今年は夏の暑さの所為なのか、例年に無く大きな房が見られた。見ているだけで難は転ぜられているに違いないと思うほどである。

 

そして何といっても、この季節の大空を彩る我が家の花は、皇帝ダリアです。この花は数年前宮崎の飫肥に行った時に、武家屋敷の名残りの家々の庭に幾つも咲いていたのに魅せられ、旅の帰りに懸命に探して、ようやく一株だけ買い求めて持ってきたのが始まりでした。植えたときは瀕死の状態に見えましたが、翌春立派な芽を出してくれ、その秋には巨大に育って、もの凄い数の花を青空に輝かせてくれました。ご近所の方も立ち止まって思わず見とれてしまわれるほどのものでした。

それ以来、毎年元気に育ってくれるのですが、何しろ3mもの高さになるため、風に弱く、支柱をあてがうタイミングがずれると、いっぺんに倒れてしまうのです。何度かそのような事件があって、一喜一憂しながらやってきたのですが、今年は株分けして育てたものが、まだ少し痩せているのですが、幾つかの花を咲かせてくれていて、それを見るたびに、ああ、今年も直ぐに本格的な冬をむかえるのだなあ、という感慨に捉われるのです。この花は、寒さに弱く恐らく茨城県あたりが北限なのではないかと思います。水戸市近くに住む妹の家の庭にも、株分けしたものが植えてあるのですが、いつも花を咲かせる直前に霜が降りてしまい、まだ一度も花を見たことが無かったのが、今年は暖かさがまだ影響しているのが幸いして、たくさん花を咲かせているとの報告がありました。

 

 

ダリアの花。この花は青空に良く似合うのだけど、この日は生憎の曇天だった。

 

これらの木の実や花たちが終った頃に本格的な冬が到来します。さて、この冬は何をしようかと、只今は、あれこれと想いを巡らしているところです。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 国産ライムは焼酎と一緒に | トップ | 明日から西日本への旅の記録... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
トラックバック (福岡シトリン)
2010-11-25 15:04:26
トラックバックしちゃいました。
よろしくお願いいたします。
返信する

コメントを投稿

くるま旅くらしの話」カテゴリの最新記事