山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

九州・山陰他エリアくるま旅でこぼこ日記:第17日

2010-04-22 05:15:58 | くるま旅くらしの話

〔これは6年前の記録です〕 

第17日:12月03日(金)

行程:道の駅:原鶴~コインランドリー~甘木ジャスコ~秋月城址(甘木市)~道の駅:小石原〔泊〕 <48km

一昨日に引き続いての同宿だ。駐車場でも同じ場所に車を停めたがる。人間にはそれぞれ固有の落ち着き場所というものがあるのかもしれないと、我ながら不思議な可笑しさを覚える。

旅も今日で17日目、予定の半分は過ぎた。洗濯物がかなり溜まったので、何処か近くにコインランドリーでもないかとバサロのレジの人に訊くと、すぐ近くにあるという。それでは今日は洗濯日に充てようとバサロで買い物をした後、出向く。無人の大型コインランドリーがあった。実はこのような所を利用するのは初めてである。

洗濯機の使い方のガイドに従って、洗濯開始。何と一度に20kgもの洗濯ができるという。乾燥機の能力は、我が家のそれとは比較にならない。少し料金が高いが、2時間で乾燥まで含めての全作業が完了できるのはありがたいと思った。洗濯している間は暇なので、すぐそばの筑後川の堰堤を散策。白花タンポポが咲いていたので、持ち帰ろうと採取する。関東には白花タンポポは少ないが、九州には結構多い。

洗濯が終わり、今日はこれから甘木の秋月城址を訪ね、その後に陶芸の里小石原に行き、そこの道の駅に泊るつもりで出発。途中甘木市内のジャスコに立寄り、今まで車の収納庫にしまっていたツワブキや先ほど採ったタンポポなどを入れて運ぶためのキャリアボックスを購入。今回は自転車を持ってきていないので、サイクルキャリアに取り付けて使うことにした。これで若し帰り道に山陰の大栄の道の駅にまだイチゴの苗があったら買って運べる。先のことまで密かに考えた対策である

一時間足らずで秋月に到着。ここは福岡黒田藩から別れた秋月藩があった所であり、福岡在勤時代には何度か訪ねたことがある。城跡は中学校になっているが、その付近には武家屋敷や城門などが残っていて、小規模ながら城下町のたたずまいが残っている。以前は城址の城郭の道端に沿って農産物の市が並んでいて、晩秋なのに黒竹とかいう種類の筍や篠栗などをおばあちゃんが売っているのを買うのが楽しみだった。

   

秋月城址長屋門。この門は、現役時代にはお城の裏手門として使用されていたとのことである。この門だけを見ていると、そこに時間が封じ込められているような感覚を抱く、味わいのある風貌である。

さて、今頃はどうなっているのだろうか。懐かしさに期待は膨らむ。しかし、着いて見ると先ず驚いたのは観光客が多いということだ。駐車場はほぼ満杯で、観光バスなども多い。城址の方を散策したが、昔の市の雰囲気はなく、おばあちゃんは何処かへ行ってしまったようだ。天国なのか?若しそうなら天国でこの繁栄を悲しんでおられるかもしれないなと思った。このように書くとひどい状況と思われるかもしれないが、感じているのは昔と比べている拓だけであって、観光客の殆どは、城下町の雰囲気を味わってそれなりに満足しているに違いない。

   

のどかな城下町の風景。このような石橋が近くを流れる小川に架けられている。黒田藩の支藩である秋月藩は5万石だったか?然したる産業も無い、農村の一角に置かれていたようである。

それにしても日曜でもないのにどうしてこんなにたくさんの人が来るようになったのだろうか。歩いている人の殆どは我々と略同世代か、それ以上の人が多い。とすると、定年を終えた人たちがちょっとした時間つぶしに観光業者のパック旅行などの掛け声に乗って、やってきているのだろうか。そのような失礼な詮索はどうでも良いのだが、拓としては昔の良さが遠くなってしまうのがやはり気になるのである。

黒門の近くには楓の木が最後の鮮やかな紅葉の彩りを見せていた。その右脇下にある茶店で山菜蕎麦を食べた。そのあと15時近くまで街中をぶらぶらと散策し尽くして車に戻って出発。

   

秋月城址、黒門。こちらは長屋門と違って、開放感がある。石段の側面に植えられたもみじの紅葉が、黒い瓦で葺かれた門を一際鮮やかに囲んでいた。

その後は、一路R500を小石原に向かう。かなりの山道である。途中江川ダムなどがあり、人工の湖だけどなかなか景観のよい場所である。しかし国道も号数が三桁台の300を超えると、村道のような感じとなる所が多い。このR500も例外ではなく、広くて運転し易いなと喜んでいると、突然道幅が狭くなって、離合が大丈夫かと不安に突き落とされるような状況になる。40分ほどの行程だったが本当に疲れた。

まだ陽があるうちに着いたので、道の駅に車を置いて、たくさんある陶芸の店などを覗いて見ることにした。邦子どのは何か買う予定があるらしい。拓は持参するのを忘れた酒の燗をするための徳利を1個買うつもり。あったかい酒が飲みたい。

小石原は福岡藩の御用窯として発展した所である。焼物の詳しいことは拓にはさっぱりだが、現在ここには50を越える窯元なるものがあるというから、かなり人気のある場所なのであろう。販売所もたくさんあって、どこへ行っても同じようなものが数多く陳列されている。皆結構な値段で、徳利1本でもバカにならない。ようやく形も値段も気に入ったものが見つかり買い入れる。今夜はこれで熱燗で一杯やって、風邪を吹き飛ばすぞ!と密かに思う拓であった。

邦子どのは何やらいう窯元の店で気に入ったものが見つかり、そこの奥さんと思しき人と話しこんでいた。妹たちからの新築祝いのお返しにするとかで茶碗などを幾つか買ったようである。この窯元の方は棟方志功先生と知己だったとかで、手提げ袋は志功先生の版画が描かれたものだった。いい感じの方だった。

車に戻り夕食。思い通りに熱燗で一杯やって早めに寝たのだが、夜中の咳は止まらず、寝不足の一夜となったのは残念。

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