山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘13年 北陸・関西・東海ほか回遊の旅レポート <第10回>

2013-06-01 06:07:29 | くるま旅くらしの話

【今日(6/1)の予定】 

  道の駅:飯高駅 →(終日ここで静養する予定)

 【昨日(5月31のレポート】      

<行程>

道の駅:ちはやあかさか →(R309・K30・R24・R169他)→ 大神(おおみわ)神社 → 山の辺の道散策(檜原神社まで往復)→(R169)→ 山本そうめん →(R169・R165・R370)→ 道の駅:宇陀路大宇陀 →(R166)→ 道の駅:飯高駅(泊) 

 

<レポート>

 道の駅:ちはやあかさかは、千早赤坂村にあって、ここは大阪府となる。この村は楠正成の生誕の地として有名である。その昔千早赤阪城があった地でもあるようだ。戦前の教育を受けた人なら尊王の忠臣楠正成やその子の正行(まさつら)の話を知らない人はいないと思うけど、自分を含めて戦後に育った者にはよほどに歴史に関心のある人でなければ、名前程度しか知らないのではないかと思う。勿論自分もその他大勢の中の一人である。丁度泊った道の駅の駐車場の脇に、村の資料館があり、その近くに楠公生誕の碑が建てられていた。駐車場は高台にあって、大阪方面の空気が漂ってくる感じがした。奈良側の空気は金剛山や葛城山などの高山に遮られてここまでは届かないようだった。

 朝起きて見ると、青空が広がっており、予報通りのいい天気になっていた。ここ数日青空を見る機会がなく、連日バッテリーの警告音に悩まされて来ているので、今日はそれから少しは解放されると思うと、なんだか嬉しい気分になってしまう。日が昇ると、それに合わせて照明用ソーラーのバッテリーの充電を開始する。そのほか、湿っぽくなっていた敷布や靴なども干すことにした。

さて、今日の予定なのだけど、昨日までは朝一番に御所の高鴨神社に参拝しようかと考えていたのだけど、いい天気なので先ずは桜井市の大神神社まで行き、参拝の後山の辺の道を少し散策しようということにした。旅に出てからは、出石の町を少し歩いたくらいで、あとはほとんど歩いていない。明らかに運動不足になっている。これを少しでも解消しようという考えもあった。本当は御所の町を散策したい気持ちもあるのだけど、次の機会にすることにした。御所は歴史の古い町で、そのことは昨日も書いたのだけど、一言主神社や高鴨神社、鴨都波神社などの他にも、役(えん)の行者が生誕されたお寺などもあって、魅力的な地なのである。特に自分は役の行者には多大な関心を持っている。役の行者といえば修験道の始祖として有名であるが、平安時代の往時に険しき山野を駆け廻って肉体と精神の鍛練を通して一つの悟りを得た人物として興味は尽きないのである。現代でいえば、先日80歳にして世界最高峰のエベレスト登山を達成された三浦雄一郎さんの様な方なのかもしれない。葛城山や金剛山に登っての鍛錬がその始まりだったのではないか。いつか御所の町をもう一度ゆっくりと歩いてみたい。

ということで、9時少し前千早赤坂村の道の駅を出発する。脇目も振らずにナビの案内に素直に従って桜井市の郊外にある大神神社に到着したのは10時少し前だった。大神と書いて「おおみわ」と読む。「おおみわ」とは大三輪とも書ける。この地の名産の三輪そうめんは、本来は大神と書くべきなのかもしれないのだが、なぜか素直に三輪そうめんと読み書きしている。何かいわれがあるのかもしれない。大神神社のご神体は社殿の裏に聳える三輪山なのだが、この山は一見してはわかりにくい山容のようだ。登ってみれば判るのかもしれないけど、下から見上げる限りでは、赤松などのうっそうと茂る樹木林としか思えず、どこが頂上なのかもはっきり判らない。奈良時代の昔からたくさんの人にあがめられてきた神社であり、何らかの力をこの山は民に知らしめていたのであろう。今の時代でも信奉者は多いようで、例祭などにはたくさんの来訪者があるようである。

   

大神神社本殿の景観。森の中に重厚な建物がどっしりと構えている。今日は平日で来訪者は少なかったが、明日は例祭日であり、参拝者で賑わうことであろう。

車を神社の無料駐車場に置いて、参道を10分ほど歩くと、神社の正殿に登る石段に着く。それを30段ほど登ると拝殿である。所定の作法で参拝を済ませる。今日は柏手(かしわで)の音が高く鳴っていい気分だった。その後、境内の叢林の中に植えられているササユリ園を覗いた。咲き始めたばかりの淡いピンクのササユリの花が何本かあって、ハッとする美しさだった。その昔はこの地にはササユリが群生していたとのこと。それを少しでも取り戻そうと関係者の方々が長年力を入れて面倒を見て来られ、ここまでになったとか。200本を超えるササユリたちの集団がそこにあった。

ササユリ園の見物の後は,大神神社の隣にある挟井神社というのに参拝する。この神社は健康の神様だとかで、参道の脇には目薬の木だとか、肉桂だとか、健康に関わりのある木が何種類か植えられていた。また、この神社には三輪山への登山道の入り口があり、社務所に登録して許可を貰ってからの登山となるとのことだった。社殿の奥の方にご神水と呼ばれる湧水の様なものがあり、2杯ほど飲んでのどを潤した。今まで、この神社の前を何度も通っているのだけど、いつも先を急いで素通りばかりしており、今日が初めての参拝だった。

その後は、大神神社の境内から続いている山の辺の道を、1.5kmほど先にある檜原神社という所までゆっくり散策しながら往復する。いつもはこの道を天理市の石上(いそのかみ)神社まで歩くのだけど、今日はその準備をしていないので、途中までの散策となった。ゆっくり歩いた分だけ、山野草や様々な樹木たちに触れることができ、良い時間だった。山あいに作られている田んぼでは、田植えの終わったばかりの温んだ水の中で、蛙たちが心地よさそうに自慢ののどを競い合っていた。久しぶりに聴く蛙たちの喜びの声だった。大神神社に戻る途中に道を間違えたらしく挟井神社に行く道を一人のご老人に訪ねられた。ネットで調べられたらしい地図を手に、間違えたことをしきりと不思議がっておられて、我々の道の説明を本気で信じておられない感じで、挟井神社まで一緒に来て、ようやく得心されたようだった。自分よりも少し年長の方のようにお見受けした。頑固さは、この世代には皆共有の特徴のようである。

   

山の辺の道の景観。このような細道が天理市にある石上神宮の先まで続いている。この辺りは、そのほとんどが木立の中の道となっており、新緑のマイナスイオンを胸一杯に吸いながらの歩きは、無上のご馳走のように思えた。

歩きを終えて、車に戻ることにしたのだが、大神神社の参道の入り口に、相棒が寄るのを楽しみにしている布地やその手芸加工品などを販売しているお店があり、先ほど通った時は店が閉まっており、帰りはどうかなと期待しながら通り過ぎたのだった。もし閉まっていたら、明日にでも訪ねようかなどといっていたのだが、帰りも閉まっており、諦めかけて2階を見たら電気の照明が点いているのに気づき、急に気が変わったらしく玄関のドアの脇の呼び鈴を押していた。こんな時には積極性が特大になる相棒なのである。ドアを開けて頂いて、やぁやぁ、という話となったらしい。こうなると自分の方は置いてけ掘りとなるのは必定である。さっそくお昼ご飯の手当てを自分に指示して、ご本人は家の中に消えていった。1時間くらいはかかるのではないかと思った。ここに来ると必ず立ち寄って、買い物や布地などの話を楽しみにしているので、これを邪魔する勇気はない。ま、これで明日までこの件を延期する必要はなくなったので、場合によっては今日で奈良をおさらばしてもいいのかなと思った。

その後オーダーされた柿の葉寿司を求めて、近くにある新しくできたらしいイオンの店へに行ってみたのだが、専門店は菓子屋くらいでしか入っておらず、地元の有名食品などは何も見られなかった。百貨店ではないので、文句を言うのが間違っているのは承知だけど、なんだかがっかりした。柿の葉寿司の店は、天理の方へ行けばあるのは知っているけど、そこまで買いに行くのはやり過ぎだと思い諦めることにした。近くにホットモットの弁当屋さんがあるのを知り、そういえば相棒は予てから一度あそこの弁当を食べてみたいとノタマワッテいたので、それをお勧めすることにした。そのお店に戻ってみると、既に用件は終わったらしく、お店の方と一緒に相棒が出て来ていた。名残を惜しみながら車に戻り、その後は念願の弁当屋さんへ出向いて、初めての弁当を調達し、車の中でお茶を淹れての昼食となる。

そこでの話で、今回はこれで奈良をおさらばして伊勢方面に向かうことにしようということとなった。奈良は何度も来ており、今回改めて行って見たいという場所は特にないのである。山の辺の道は先ほど歩いてきたし、神社仏閣や史跡なども今のところはさほどに刺激されている場所はない。秋の頃に再訪するかもしれないので、その時までに何かテーマを探しておこうという程度なのだった。

奈良を離れる前に是非とも手に入れておかなければならないものがある。それはこの地の名産のそうめんである。我が家のそうめんは、毎年1年分をこの地にある、その名も山本そうめんという所で買い入れている。山本そうめんは同じ姓でもあり、親近感を覚えており、かなり昔からここのそうめんを愛好させて頂いている。1年分とは9kg入りの木箱に入ったもので、我が家にはこの空箱が今でも幾つか残っているとか。いつも食べ過ぎの嫌いがあるので、ここ2年ほど少し買うのをためらったのだったが、今は2世帯が埋まったので、その心配は払拭されたと思っている。

そうめんを手に入れたあとは、今日の宿を少し遠くなるけど、三重県の香肌峡温泉の一角にある道の駅:飯高駅まで行って泊ることにして出発する。その途中にある道の駅:宇陀路大宇陀にも寄り、念願の柿の葉寿司などを手に入れる。その後はひたすらR166を走って、目的地に着いたのは、16時半だった。丁度いい時間での到着だった。相棒は温泉に、自分の方は昨日と同じように暗くなるまでブログの記事を書いて、その後の入浴となる。今日はここまで。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ‘13年 北陸・関西・東海ほ... | トップ | ‘13年 北陸・関西・東海ほ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

くるま旅くらしの話」カテゴリの最新記事