山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

旅の楽しみの3つのステージ

2007-04-21 03:57:38 | くるま旅くらしの話

私は、旅の楽しみ方には3つのステージがあると考えています。その1は、「予楽」その2は「現楽」、その3は、「後楽」です。予楽というのは、旅に出かける前に、これからの旅を、あれこれと思いをめぐらして楽しむことであり、現楽とは、旅の現実・実際状況の中で今を楽しむことであり、言わばこれが本番です。そして後楽とは、旅が終わった後で、その旅を振り返って楽しむことです。

このような楽しみ方は、ごく当たり前のことであり、何も殊更大げさに言わなくても良いような気もしますが、とことん旅を楽しんでやろうと思う時には、一度切り分けてその楽しみのあり方を探ってみるのも良いのではないかと考えた次第です。一般的には、旅といえば本番の現実・実際ばかりにスポットが当てられますが、本当の旅の巧者は、恐らく予楽も後楽も存分に楽しんでいるに違いありません。出かける前は荷物の準備ばかりに気をとられ、本番だけを楽しんで、旅から戻った後はホンの一時の間、本番の思い出に耽る程度で、あっという間に忘れ去るというのでは、せっかくの旅が勿体ないような気がします。

そこで今回は、その理屈などについて少し述べてみることにします。

先ず予楽です。旅の準備をすることも予楽の一つかも知れませんが、これは置いておくことにして、準備の前に旅への思いをめぐらすこと、即ち、何処へどのような旅をしたいのか、どのように考えれば良いのかなどについて取り上げることにします。これは実際は各人が自由に考えれば良いことなのですが、参考までに私のやり方を紹介します。

予楽を楽しむためには、何らかのツールが必要です。私の場合は、主に次のようなものを活用しています。

①地図(全国地域別地図、全国名所旧跡案内地図、その他必要に応じて詳細地図類)

②新全国歴史散歩シリーズ(山川出版)

③日本の民俗(各都道府県別)

④道の駅ガイド[AC(オートキャンパー)誌付録]

⑤日本の100選データブック(財務省印刷局)

⑥その他関心事に関する資料等

これらのツールを、在宅の時はヒマに合わせて殆ど毎日見ています。地図はトイレに常備してあり、いつでも全国何処へでも行くことができます。歴史散歩シリーズは全国分を取り揃えてあり、興味関心を抱いたら、引っ張り出して調べることにしています。日本の民俗についても同様で、その地方のことに関心を抱いたら、本を引っ張り出して調べるようにしています。旅先のことを何も知らないで訪ねるのもいい方法だと思いますが、私の場合はある程度の予備知識を持っていた方が良いと考えていますので、それを調べるのが楽しみとなっています。例えば、桜などを追いかける場合も、桜の品種や名所についてのある程度のデータを知っていた方が、ただ単にきれいだなあと見とれて終わるよりも楽しみが深まるように思います。ですから、毎年の東北への春旅には、桜の図鑑と解説本は必携です。この他、より詳しい情報が欲しい場合は、何といってもネットで調べるのが便利です。世の中には隠れた専門家というか情報屋さんが多いのに驚かされます。知恵者の知恵は、大いにお借りして使わせて貰うのが一番だと思っています。

予楽の楽しみは、最初漠然としていたその地への憧れやテーマが、いろいろ思いをめぐらす中で、様々な必要情報を集めることによって、次第に旅のイメージがはっきりしてくることにあります。旅そのものは多くの場合行き当たりバッタリなのですが、芯となるものはキチンと押さえておくのも、やはり必要な気がします。

予楽のメリットというのは、実現できてもできなくても、旅の思いを勝手に膨らませ、それを具体化するためにいろいろ調べたりして、知識や情報を獲得する楽しみにあるような気がします。旅の計画を作ることも予楽の一つかも知れませんが、私の場合は、計画ではなく、あくまでも思いをめぐらして、それを調べたりして遊ぶことが予楽なのだと考えています。それが実現できてもできなくても、旅そのものは行き当たりバッタリなので、あまり気にすることはありません。<

次に現楽ですが、これは説明の必要はないと思います。旅の本番は、現楽にあり、その人が好きなように楽しめばいいのです。というよりも、現楽というのは、その人にしか楽しむことができない、当事者の世界です。私の場合は、最近は楽しみの中に笑いの部類だけではなく、困惑や怒りも入れることにしています。困ったことも腹が立つことも、これは楽しみの一つなのだと思うようにしているわけです。そのように心が落ち着くまでには時間がかかりますが、何しろ心を揺さぶる出会いがなければ、旅は刺激のないものとなってしまうことでしょうから。

後楽のためには、是非ともしておかなければならないことがあります。それは現楽のときに「記録を残しておく」ということです。これがないと、後楽の材料はものすごいスピードで過去に流れ去ってしまい、タイトル程度の記憶しか残らないような状態となってしまいます。人間は忘れる動物とは、旺文社の辞書の赤尾好夫氏のキャッチコピーだったか、古い話ですが、これは人間の弱点をよく衝いた言葉だと思います。旅の思い出を何の記録もないままに話できる人は、恐らく超人ではないかと思います。

後楽は自分だけが楽しむのではなく、自分以外の人を楽しませることができます。写真、紀行記録、DVD、VTR、スケッチ集、等など、たくさんの記録方法がありますが、自分の好きなスタイルで行なえば良いと思います。

記録を整理することを通して旅の振り返りができ、旅の思い出が深まるように思います。私の場合は、旅の紀行記録を日記風にまとめていますが、その原材料となっているのは、毎日の折々のメモとデジカメ日記と称する写真記録です。デジカメで撮った写真を毎日寝る前にパソコンに取り込む時に、必ずタイトルだけは書くようにしているのですが、これが後で記憶をよみがえら際に、かなりの戦力になっています。この他日記は、毎日必ずつけるようにしています。

ま、このような面倒くさいことなど一切せずに、自分のやりたいことだけを存分に楽しめば良いという楽しみ方もありますから、それはそれで批判するつもりなど全くありません。人それぞれの楽しみ方でいいのであって、あくまでも旅の楽しみ方はご本人の自由なのです

予楽、現楽、後楽という、3つの旅のステージをそれぞれ工夫をしながら、大いに楽しみたいものです。

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