山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘13年 北陸・関西・東海ほか回遊の旅レポート <第9回>

2013-05-31 06:36:08 | くるま旅くらしの話

【今日(5/31)の予定】 

  道の駅:ちはやあかさか →(R309・K30)→ 高鴨神社 →(K30・R24他)→ 橿原神宮方面へ(詳細未定)

 【昨日(5月30日)のレポート】  

<行程>

道の駅:あいとうマーガレットステーション →(R307→ 信楽・樋口製茶 →(R307・R24・K30)→(奈良市内他パス)→ 御所市郊外・一言主神社 →(K30・R309)→ 道の駅:ちはやあかさか(泊)

 <レポート>

 ここの道の駅は、思っていたよりもはるかに良かった。夜間も多少の車の出入りはあったけど、大した騒音もなく快眠を得ることができた。昨日は着いた後2時間ほどブログ書きに集中したため売店の様子などは知らないのだけど、相棒の話ではマスクメロンを始めいろいろな農産物や加工品などが並んでいたとか。開店は9時からだという。楽しみである。その前に少なくなっている水槽の水を満たしたりした。昨夜は雨は降らなかったけど、いつ降り出してもおかしくない雲の多い空が、今日も腰を据えて見下ろしていた。水を汲んでいる途中から雨が降り出し、路面を濡らすほどの降りとなった。

 今日は売店を覗いた後は、先ずこのR307に沿って甲賀市の信楽町に向かって走り、宇治田原町に近いところ辺りにある樋口製茶という所に行き、お茶を買い求める考えでいる。信楽といえば、タヌキの焼き物で有名だけど、これを買って我が家に連れ帰るという考えはない。小さなものを一つくらいなら愛嬌になるのかもしれないけど、いいのがあるかな、などと思ったりしている。紫香楽宮跡は前回この道を通った時に訪ねているので、今回はパスすることにしている。その後宇治の平等院に寄ってみようかなどと考えたけど、それよりも出来上がって以降まだ訪ねていない平城宮跡を訪ねてみようと思っている。その後は、平群の道の駅に行って泊ろうかと思っているのだけど、もし時間に余裕があれば先に久しぶりに法隆寺に参詣したとも思っている。どうなるかは、お天気と車の流れと、駐車場次第である。

 ということで、9時過ぎ売店の開店を待って中に入る。良質の野菜類などが豊富に並べられていた。どれも魅力的だけど、いっぺんになっても食べきれずにダメにしてしまうので、キャベツ、ソラマメ、スナックエンドウ、トマトなどを買った。マスクメロンには大勢の人が群れていたけど、自分たちは遠ざかった。その他に豆腐などを買って、出発する。

 R307は京都の宇治市の方に通ずる道で、途中に焼き物の里の信楽がある。ひたすら走り続けて、その信楽の町に入るとたくさんのタヌキの焼き物君たちが出迎えてくれた。タヌキの他に動物ではガマガエルやフクロウなどもあったが、何といってもメインはタヌキ君である。素通りするのも何だとちょっと立ち寄り何軒かの店を覗いてみた。家の門の上に置きたいなと思い、小さな貫禄のあるものをと探したのだったが、多くのタヌキ君たちは皆どれも可愛く作られていて、門の上での魔よけの役割には無理の様な気がして、結局連れて帰ることにはならなかった。これで結構時間を食い、本命の樋口製茶さんに就いたのは、12時少し前だった。

 昨日相棒が聞いた話では信楽のお茶ということだったので、どんな場所なのかなと思っていたのだが、この辺りは朝宮茶という近江茶の名産地なのだった。隣が宇治田原町や和束町で、こちらは宇治茶の生産地となっているけど、お茶の栽培風土としては、ほぼ同じような地形にあるようだ。どちらのエリアも琵琶湖の恩恵を受けてのお茶の栽培が成り立っているとか。樋口製茶の場所が判らなくてうっかり行き過ぎてしまい、慌てて戻ってようやく発見する。R307の道脇にあるのかなと思っていたら、ちょっと脇の筋にあったのだった。

   

下朝宮にある樋口製茶の工場家屋。R307沿いなのだが、信楽から宇治に向かう右手の細い道を入った所にあった。

 樋口製茶の樋口さんは、大変お茶の栽培や飲み方に関して造詣の深い方で、その後自慢のお茶を何種類か淹れて頂き、いろいろなお話を伺いながら味わわせて頂いた。柔らかな甘さと風味があり、淹れる湯の温度によって、微妙な味わいの変化があった。樋口さんは兄弟でお茶の栽培をされておられるとかで、この店は弟さんが担当されていた。店は製茶工場の一部にあり、店らしからぬ素朴さに包まれていた。お兄さんの方は生産の方を中心に取り組まれておられるとか。弟さんの方は一人で袋詰めやら包装やら、お客さんとの応対やらとてんてこ舞いの毎日なのだと話されていた。この店を知ったのは、昨日相棒が栗東の道の駅で、駅長さんや店の方から紹介して頂いたのがきっかけだった。面白い不思議な出会いだなと思った。

   

樋口製茶の樋口さん。笑顔がさわやかな方である。左の棚の中には高価なお宝類の茶碗や壺などが無造作に置かれていた。

 樋口さんはとても話好きな方で、自分で話ししながら、時々我々の方に話の突っ込みを催促されるなど、機転の利かない関東人を少々もてあまし気味のようだった。相棒も大抵の方との会話では、話負けのしないタイプなのだけど、樋口さんとの会話では圧倒的な敗北だった。遠からず日本国はTVだけではなくあらゆる分野で、関西人に占有されるに違いないなと思った。樋口さんのおっしゃっていた言葉の中に、「出会いが大事」というのが何回も出てきて、さすがに一期一会のお茶の精神を習得された方なのだなと思った。店の棚の中には人間国宝やそれに近い作家の茶碗などが無造作に並べられていて、ざっと説明を受けたのだけど無粋の極みのような自分には、その違いなどを見分けることは到底不可能なことだった。若いころに東京で暮らしたことがあるという樋口さんの話の中には、多くの芸術家の名前が飛び出すことからも、いい経験をされていたのだなと思った。

 お茶の他に樋口さんの考案による「ぼっかけ急須」というのがあった。勿論お茶を淹れて飲むための急須なのだが、これには蓋がなく、注ぎ口の所が二重になっており茶葉が外へ出ないように工夫されているのである。お茶の急須の場合は、蓋をすると茶葉が詰まってしまって、なかなか気分良く淹れるのが難しいのだけど、この急須だとよりスムースに扱うことができるという。また熱湯の温度管理にも適応しているとか。これは樋口さんの実用新案だとかで、紹介されている新聞記事などを読ませて頂いた。この急須の話を昨日聞いていたので、来る途中の信楽焼の店で探したのだったが、見つからなかったのである。それもそのはずで、今のところはここの店だけで販売されているとのこと。さっそく2個を買い入れた。お茶の方も高品質の物をリーズナブルな価格で手に入れることができ、相棒は大満足だった。とにかく、樋口さんの話術に圧倒されてしまって、さすがの相棒も脱帽の体だった。

 その後は、更にR307を辿って井手町の辺りで木津川の堤防を走るR24に出る。これを左折すれば奈良方面に行くことになるが、その角にコンビニがあったので、そこでお茶を淹れて昼食とする。ここまでは今夜の泊りを平群町の道の駅:大和路へぐりにしようかと考えていたのだが、その前に平城宮や或いは斑鳩の法隆寺を訪ねるのもいいなと、大いに迷っていた。平城宮は復旧が済んで以降まだ行ったことがなく、法隆寺も久しぶりのことである。しかし、平群の道の駅は鉄道やトラックなどで喧騒なことは解っており、それに以前泊った時には、近所で布団叩きの棒のようなものを持ったおばさんが喚きながら騒いでいたという事件もあり、やっぱりここは敬遠しようということにした。昼食をしながらの結論である。その代わり平城宮も法隆寺も今回は寄るのをやめ、少し先の御所市の郊外にある一言主神社に参詣し、その近くにある道の駅:ちはやあかさかに泊ることにしょうと決める。

 それからあとは、ひたすらR24を進む。ナビを頼ったら、変な道をガイドされてしまったりして、その後は意地で無視してR24の案内板だけを頼りに進むことにした。結果的にこれで渋滞のエリアばかりを通ることになり、大いに時間をロスしてしまい、御所の街に入った時は16時近くになっていた。

御所市は大和朝廷の生まれる前から葛城氏、加茂氏、巨勢氏などの豪族が支配していた古い由緒ある土地であり、何年か前にここであるキャンピングかクラブの大会に参加させて頂いたときに、街中を縦横に歩き回り、幾つかの知識を得ていたのである。その時思ったのは、大和朝廷なるものは、これらの豪族たちとの融合で出来上がっているのではないかということだった。真偽は解らないけど、古代史に推測や憶測の夢を描くのは素人なりに面白いことではある。京都の下賀茂や上賀茂などの神社は、御所の加茂氏(=鴨・賀茂)のご先祖様を祀ったものであり、御所にある高鴨神社などの方がはるかに古い由緒を持っているのである。いわば本家という存在であろうか。

もう一つ御所に親近感があるのは、一言主神社の存在である。一言主神社というのは一言の願いをかなえてくれる神様とか言われるもので、御所の葛城山麓にあるのがその本社で、我が住まいのある守谷市の隣の常総市内にもその分社がある。これが結構近隣の人気を集めており、関東の特に千葉県を中心とした信者というのかお年寄りのからの参詣が多い。我々も時々骨董市などに出かけている。そのようなこともあって、なんだか親戚の様な神様なのである。以前にも2度ほどここにお参りしたことがあり、今日は3回目の参詣となった。常総市の神社の建物の方が大きくて立派な感じがするのだけど、こちらの本家はその背後にどっしりと構える葛城山や、金剛山を控えており、貫禄充分である。16時を過ぎてしまって、境内には誰も見えなかったけど、今日は特段の願い事もなく、穏やかに拝礼をしただけだった。

   

一言主神社の本社の拝殿。格式は高いのだけど、そのようなことはそぶりにも見せない、どっしりと安定感のある神様の存在だった。多くの人々のわがままな願いごとを聴き続けてきて、今もなおそれを淡々と続けておられるのであろう。そんな雰囲気に包まれていた。

その後は今夜の宿の道の駅:ちはやあかさかへ。11kmほど離れている場所で、すぐに到着。16時半丁度だった。このころから急に空が暗くなり、雨が降り出した。そのたどたどしい光を頼りながら、ブログを書く作業に取り掛かった。しかし途中で電気が足りなくなって警告のブザーが鳴りだし、落ち着かないことおびただしい。帰ったら、何とかしなくっちゃあと思いながらの焦りの時間帯だった。明日は予報では晴れるということなので、ソーラー君の活躍に期待したい。今日も日の沈むのと共に寝床に入るという一日の終わりとなった。

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1 コメント

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Unknown (かつ まさお)
2013-05-31 12:04:19
RVランド近くの
『一言主神社』の本社の記事
興味深く拝見しました。

3度ほど
横を通過しながら
まだお詣りもしていません。

くるま旅に出ても
あまり歩きたがらない父が
神社仏閣だけは
少々無理しても
参道を歩きます。

次回
RVランドにうかがった時には
是非 参拝することに致します。

道中 どうかご無事で…
楽しい旅を。
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