山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘13年 北陸・関西・東海ほか回遊の旅レポート <第16回>

2013-06-07 05:05:44 | くるま旅くらしの話

【今日(6/7)の予定】 

  道の駅:川根温泉 →(K64・R1他)→ 藤枝市内親戚の家(泊)

 【昨日(6月6日)のレポート】   

<行程>

道の駅:川根温泉に終日滞在(泊) 

<レポート>

 今日は静養日である。終日ここでのんびり暮らし、明日は近くの藤枝市にある相棒の妹さんの家に御厄介になることにしている。静養日は今回の旅では2回目になる。本来旅そのものが静養日でもあるはずなのだが、自家にいる時とは違って毎日が刺激的なので、気分転換の毎日であっても動き続けていると疲れやストレスが溜まるのは、生き物の習いなのだからこれはもう仕方がない。特に馬齢を重ねてくると、旅の中での静養日は価値あるものとなるようだ。ここ川根温泉は、先日の松阪近くの香肌峡温泉の道の駅:飯高駅とよく似た地形である。飯高駅の場合は、四方を山に囲まれ、山の縁を櫛田川が流れているのだが、ここ川根温泉は、大井川が流れてやはり四方を山に囲まれている。周辺がお茶の一大産地であることも良く似ている。比較して違うとすれば、この川根温泉の方が少しスケールが大きいということになるかもしれない。川の大きさが違うということ。それにここ川根温泉は、すぐ傍の大井川に架かる鉄橋を、平日は日に一度だけど、名物となっているSLが運行している。大井川は河原が大きくて、それを眺めているだけでも気分が爽快となって来る。その景観を良質の温泉から眺めることもできて、静養には絶好の場所なのだ。

 今日の予定としては、メインは勿論温泉に入って心身の疲れを取り除くことにある。それをさらに効果的にするためには、当然のことながら入浴後の一杯を予め用意しておくことが大切だし、その際の肴類も考えておく必要がある。というわけで、午前中はちんたらとその準備に取り掛かることにした。

先ずは昨日田原の道の駅で買った茄子を何とかしなければならない。というのも自分は新鮮な野菜と信じて買ったはずなのだが、相棒は首を傾げていた。1袋180円で10個以上も入っているので、喜んでゲットしたのだけど、後でそれを開けて見たら、相棒の予見が当っていたのだった。昨夜の味噌汁の具に3個ほど使ったのだけど、まだ10個以上が残っている。このままだと捨てる運命を辿ることは間違いない。そうさせるわけにはゆかないので、残っている全部を使って茄子の煮びたしを作ることにした。自分はまだ一度も作ったことはなく、相棒に食べさせてもらった記憶もない。我が家では茄子といえば、味噌炒めか焼きナスか、塩もみの漬物かそれとも味噌汁の具かといったところなのである。相棒に聞くのも癪なので、自分でネットでレシピを調べてやってみることにした。何種類かあったけど、一番簡単なものを我流に加工して作ることにした。先ず茄子を半分に切って表側に細かく包丁を入れ、それを鍋に敷いて、あまだれという名のそうめんつゆの様なものをかけ、砂糖を少し入れて水を追加し、それに火を入れて10分ほど煮ることにした。それで終わりである。レシピには茄子の表面を焼くようなことが書いてあったけど、それは面倒なので省略することにした。これで出来上がりである。冷蔵庫に入れるなどはできないので、自然に冷まして食べれば煮びたしらしくなるはずである。ということで一品が完成したのだが、失敗は味付けの方で、たれを入れ過ぎてしまい少々塩辛いものとなってしまった。しかしまあ、酒のさかなとしてはそう悪いものでもないなと思った。

 次はビールの準備である。これは飯高の時よりも安堵感がある。というのは、ここへ来るっ途中にコンビニがあるのを確認しており、どこへ行けばよいのかを知っているからである。しかし、車だと5分もかからないけど、歩けばかなりの距離で時間がかかりそうである。ま、歩き不足の傾向があるので、これは一つ楽しみながら買いに行こうと思った。10時ごろに出かけたのだが、店までは30分ほどかかった。距離にすれば2.5kmほどだろうか。途中は大井川の渓谷に沿った長い上り下りの坂道があり、それでもちゃんと歩道が付いているのがありがたかった。坂の上と思しき辺りに「SLの見える丘公園」というのがあり、そこへ行くと眼下の大井川渓谷の大きな黒っぽい石の河原が展望でき、その端の方に架かる鉄橋が望見できた。SLは1日1往復が普通のようなので、その時以外は見ることはできないのだろうけど、確かにここからだとその雄姿の全体を見ることができるなと思った。道の脇には萩の様な花も咲いており、退屈することはない。折角行ったので、少し多めに飲料を仕入れた。帰りも景観を楽しみながら歩いてきたが、途中車の交通量が多いのには驚かされた。特にダンプの往復が多いのは、走路脇の崖の修復や川砂利の運搬などの仕事が多いからなのかもしれない。11時過ぎ車に戻り、煮びたしを確認したら、かなりそれらしきものになっていたので安堵した。

   

SLの見える丘公園からの大井川の景観。鉄橋の右手にある建物群が川根温泉の施設などである。温泉の露天風呂からSLが通過するのを見ることもできる。

 入浴は午後にすることにして、その後は少し休んで、昼食には奈良の桜井で仕入れたうどんを茹でて、余ってしまった煮びたしの汁を使って食べることにする。この作業の途中に往路のSLがやってくる時間となり、中断してカメラを持って飛び出す。間もなくSLがやって来て、2台のカメラで立ち向かったのだけど、一度にシャッターを切るのは不可能で、結局は合計でも数枚の写真しか取れなかった。小型のデジカメは、画像が見にくく、極めて扱いにくい。欲張っても無駄だというのを思い知らされた。やはりファインダー付きの方がいいなと思った。写真を撮り終えて、うどんを食べて昼食。ついでに一杯やって、先ずは午睡。

 目覚めたのは15時ごろか。復路のSLが来るというので、河原に降りて待ち構えて写真を撮った。今度は初めからカメラは1台だけにしてチャレンジした。納得のゆくよう写真は無理だったけど、それでもSLは写っていたから、まあ、満足することにした。

   

大井川に架かる鉄橋をゆくSLの雄姿。これを見ていると、雄姿というよりもなぜか哀しみのような気持ちとなってしまう。その昔自分たちはこのようなSLに乗るしか通学の手段がなかったのだった。このSLは50数年前の思い出をどのような気持ちで引きずって運んでいるのだろうかと思った。

その後は、相棒と一緒に温泉の受付へ。ここはJAFのカードを示すと料金が1割引きとなるとのこと。50円安くなって450円也である。ありがたい措置である。このことは今回初めて知った。今まで何度か入っており、温泉の質が良いのは承知済みである。ここは100%源泉かけ流しで、湧出温度も50度弱で、理想的な温泉なのだ。サウナなどはなく、6種類ほどの浴槽が思い思いに造られて、温泉を楽しめるようになっている。それらの浴槽の内の5つは露天風呂である。今日は存分に温泉を味わうことにして、その後1時間半ほどを過ごす。途中トラブルもあり、自分よりも高齢の80歳代と思しいご老人が、浴槽の中で眠ってしまってのぼせたらしく、それを覚ますのに担当の係員の方が大わらわだった。それを見ていて、高齢者というのは、入浴を侮ってはいけないなと思った。慎重に自分の体調を考えながら入浴しないと、周囲の大勢の人に迷惑をかけることになってしまう。自分も気をつけなければなと自戒の気持ちを強めたのだった。

 風呂から戻った後は、待望のビアータイムである。煮びたしの他に相棒がビール用にと作ってくれたソーセージとピーマンを炒めたものをメインの肴に大乾杯だった。こんな時自分一人だけでなく、相棒も一緒に飲んでくれるというのは、真にありがたいことではある。分け前が少し少なくなってしまうのが残念だけど、それはまあ、相棒にとっても同じことであるのだから、文句などは言わない。

 とまあ、今日はざっとこのような様子の静養日だった。旅の老人夫婦のどうでもいいような一日を紹介するのは身の恥をさらすような感じがしないでもないのだけど、今の時代は恥をさらすことを職業として稼いでいる人などが増えているようなので、この程度なら恥にはならないのかもしれない。良い場所で、いい暮らしの一日だった。

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