山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

一つ一里塚を跨ぐ

2015-01-01 17:08:18 | その他

 

又一つ新しい年を迎えました。お読み下さっている皆様のご安全とご健康を心から祈念申し上げます。

 

正月は冥途の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」といったところが自分の本心なのですが、今年もマイペースでゆっくりと冥途に近づくことにしています。

さて、今朝はいつものように6時過ぎには歩きに出発しました。毎朝7kmほど歩くのを日課にしていますが、今日は元旦なので、初詣を兼ねたコースとしました。

家を出て少し歩いて国道294を渡り、更に関東鉄道の踏切を渡って線路脇の道を少し行くと、今開発中の住宅団地の向こうにある何本かの松並の彼方の空から、初日が上ってきました。東南から広がる怪しげな雲の帯の中からの日の出は、今年も多難であることの予兆の光のようにも見えました。それを厳粛に受け止めながら歩き続けて、TX(=つくばエクスプレス)の基地の脇を通って、その先の田んぼの中の真っ直ぐな道を1kmほど歩くと、守谷城址の公園に出ます。

   

守谷市の初日の出。守谷市に残る唯一の松並(その名も松並町という地区名)の向こうに雲の帯があり、そこから上って来る太陽の輝きは、今年の多難を予知しているような感じがして、厳粛な気持ちになった。

守谷城というのは、彼の坂東武者の暴れん坊の平将門が築いたという話があるようですが、自分には真偽は判りません。今でも調査がなされているようで、築城の技術的な面などが調べられているようです。茨城県といえば常陸の国と思われる方が多いと思いますが、ここ守谷は古代の令制国では、明らかに下総の国に属しています。下総といえば、利根川に沿った湖沼地帯が広がっており、将門が活躍した往時は、今よりもはるかに多くの湖沼地帯が広がっていたのに違いありません。守谷城はそれらを巧みに利用した要害だったに違いありません。今は僅かに城跡に数本の巨木が残るのみの静かな公園となっています。

   

守谷城址の景観。水がたまっているのはその昔の掘り跡。右手のこんもりと木の茂っている場所が城跡。

そのようなことを想いながら少し歩くと、守谷小学校の脇に出て、そこを少し先まで行くと村の鎮守の八坂神社があります。いつもは静かで人影もない神社ですが、今日は善男善女が初詣に参ってちょっぴり賑やかでした。自分も珍しくお賽銭を献上して、二礼二拍一礼の挨拶を奉納しました。特に願い事はしませんでした。

   

村の鎮守の八坂神社の初詣風景。まだ時間が早いせいなのか、今年の参詣者は少ないようだった。

そのあとは、これがメインの初詣なのですが、少し先にあるTX守谷駅前の土塔という地区にある道祖神様にお参りしました。この土塔の道祖神様を自分の旅の守り神とすることにしており、毎年新年にはここに詣でて、昨年一年の旅の安全のお礼を申し上げ、今年一年の旅の安全祈願をすることにしています。自分の他に詣でる人がいるのかどうか判りませんが、この小さな祠を守ってお世話をしている方には感謝を申し上げたいと思います。

守り神というのは、皆小さなご神体が多いようで、ここも「道陸神」と宝暦年間に刻まれた小さな石の標と、その脇に昭和の50年代に作られた同じほどの大きさの「道祖神」という石の標が並んで置かれています。ただのありふれた石のモニュメントに過ぎないのですが、この小さな石には、旅に係わる人々の心がつながり結ばれているように思われ、敬虔な気持ちになるのです。今の時代は、TVのアニメなどで神様や妖怪などを遊びの道具のように使ったりしていますが、そのようなものに溺れ遊ばされている人たちに、神様は一体どの様な気持ち、態度で臨んでいるのかなと思ったりしてしまいます。

   

土塔の道祖神様。左側のものは宝暦年間(1751~63)に奉納したとの銘が刻まれている。これらの道祖神は、TXの開発工事のために、ここに移されたとのこと。TXはもっともっとこの道祖神を大事にしなければならないのではないかと思っている。

   

TX守谷駅(西口)の景観。普段ほとんど利用しないせいなのか、この幾何学的で温かみに欠ける建造物には親近感を感じない。道祖神はそれでも人々の安全を祈っているに違いない。

土塔の道祖神様にお参りした後は、TX守谷駅の構内を通り過ぎて、我が家に向かいました。守谷駅からはゆっくり歩いて30分、早足では25分ほどの距離に我が家はあります。歩いている人は誰も見当たらず、自分一人だけのようでした。今年の始まりの小さな旅でした。

この冬は昨年の旅の後楽を味わうことがメインです。これからはブログにはその楽しみの幾つかを紹介させて頂こうと考えています。週に1回ほど出来ればいいなと思っています。  馬骨拝

コメント
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