山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

2004年 九州・山陰の旅 ジジババ漫遊紀行(第3日)

2015-01-22 04:52:19 | くるま旅くらしの話

<註:この記事は、10年前の旅の記録をリライトして、コメントを付したものです>

 

第3日:11月19日(金)

 <行程>

道の駅:大栄 →(R9)→ 道の駅:ポート赤碕 →(R9)→ 道の:社ご縁広場 →(R9)→ 道の駅キララ多岐 →(R9)→ 道の駅:夕日パーク浜田 →(R9・R191)→ 道の駅:サンエイト美都[泊] <270km>

  大栄の道の駅は全国第1号登録ということらしい。国交省の道の駅の施策がいつ頃から始まったのか知らないけど、一番最初というのはとにかく価値があるものらしい。記念碑が建っており、その脇にどういうわけなのか、TVのアニメで時々見たりする名探偵コナン君の銅像が建っていた。緑青が貫禄を見せていたが、どうしてなのかその建立の理由は書かれてはおらず謎であった。

 朝8時ごろから軽トラがどんどんやって来て、地元の農産物を運び込んでいた。多くの道の駅と同じように、ここも地域の農産物などの販売・PRセンターの機能を果たしているようだ。鳥取県は砂地でのラッキョウ、山芋、スイカの栽培などが盛んで、その他にも花卉類やイチゴの苗なども作っているようだ。それらの産物がふんだんに並べられて、店が開店したのは8時半過ぎだった。

早速野菜などを仕入れる。特に欲しかったのはイチゴの苗なのだが、幾らなんでも未だ旅の始まりであり、これから先1ヶ月近くも持ち歩くわけには行かない。茨城の地元では1株200円近い値段の苗が、ここでは80円で売っている。種類が違うのだろうが、家の門扉脇、3mほどのレンガで作った生垣の端に植えるのに15株ほど欲しかったのだ。旅くらしでの買い物には、このような欲求と、置かれた現実が不一致というつらさも時々ある。仕方ない。

 大栄を出て少し行くと赤碕の道の駅がある。パスしても良いのだが、ここには海産物が置いてあるので、どうしても見たくなる。チョット覗くつもりで立寄る。未だ開店したばかりで品揃いも終わっていないようだった。やはりカニ中心のようだ。買うつもりは無い。少し先にある農産物売り場を覗いたら、巨大な梨が置いてあった。今頃ほんとに収穫できるのかと不思議に思ったが、見たところでは貯蔵熟成したという感じではない。それならば結構喜んでもらえるかなと思い、日頃格別お世話になっている親友の遠藤さんに送ることにした。お化け梨だった。尤も遠藤さんなら、本物のお化けでも何でも喰ってしまうだろう。(?)

 赤崎の道の駅からはひたすらにR9の西進を続ける。名峰大山を左方遠くに望みながら、米子、安来、松江を過ぎ、宍道湖の南岸を通って、出雲から大社町へ。途中休憩したい道の駅もあったが、どこも駐車場が満杯でパス。12時をかなり廻っている。腹も減ってきたので、出雲大社に参詣しがてら蕎麦でも食べることにした。大社近くには道の駅もある。13時少し前に到着。少し疲れた。

 出雲大社に参詣するのは久しぶりだ。初めて訪ねたのは、確か転勤で四国は高松に住んでいた頃だから、もう30年近く前になるかも知れない。未だ子供たちも幼稚園に行くか行かないかの頃だったと思う。懐かしいというよりも忘れてしまっているといった方が正しいようだ。境内は閑散としていて団体客も少ないようだ。最近は結婚する人が減り、縁結びの神業が効かなくなったので、人気が落ちたのかもしれないなどと不謹慎なことを想いながら、未だ独身の倅のことをお願いして参詣を終える。

 その後、直ぐ近くの蕎麦屋に入って、出雲蕎麦という奴を食す。美味だあ~、というほどではなかったが、まあまあの味だった。この頃は感動するような蕎麦を食べたことが無い。名物に旨いもの無しとも言うらしいから、本物は痩せた土地の、山の中のおばあちゃんと友達になって、自家製の手打ちそばをふるまって頂くというような幸運に恵まれない限り、決して食べられないのかもしれない。

 1時間ほど休んで出発。これから先どこまで行くのか、行けるのかは、まだ不明。行ける所まで行って、何処か適当な道の駅にご厄介になるつもりでいる。大田、江津を過ぎ、浜田市郊外にある道の駅に着いた頃は、もう薄暗くなり始めていた。ここに泊ってはどうかと考えていたが、高台で眺望はいいけどバイパス通りで交通量が多くP泊には向いていないようだ。地図などを調べたら、益田から広島に抜けるR191に美都という所があり、そこの道の駅に温泉があると書かれていた。よしっ、そこにしょう、と決め出発。

夕方の車の混む時間帯で、益田までは結構時間がかかった。暗い中を市内で左折し、R191に入る。美都は直ぐだと思っていたのだが、存外に遠くて、これ又かなり時間がかかった。トンネルを幾つもくぐった。道路の直ぐ脇下を急流が走っているようだ。道幅も所々狭くなっている。真っ暗で周りが良く見えないが、かなりの山の中らしい。人家も途切れ車にも殆ど出会わない。こりゃ大丈夫かと助手席を見ると、案の定クニバアは複雑な顔をし始めていた。

18時40分、ようやく道の駅に到着。しかし売店の灯りは消え、駐車場は斜面にあり、温泉らしきものなど何も無い。看板に偽りありのガイド書には慣れているが、ここもひどいもんだと思った。温泉があるというからには近くに何かあるだろうと、暗い中、坂道を降りてゆくと、確かにそれらしきものがあった。覗いてみるとどうやらこれがその温泉らしい。湯元館と書いてあった。駐車場はそれほど広くは無いが平らではある。中に入って訊いて見ると、感じのよい青年が駐車場に泊ってもOKと言ってくれた。これで安心。やれやれ。クニバアもホッとした様子。

 二日間風呂に入れなかった分も併せ、ゆっくりお湯に浸かって疲れと汚れを落とす。ソフトな泉質のいい湯だった。美都というのは考えてみれば我が故郷の水戸と同じ「みと」という発音である。アクセントは違うのかもしれないが、何となく親近感を覚えた。何といっても、応対してくれた青年の爽やかさがいい。今の時代、爽やかな魂を持った青年を殆ど見かけたことがない。

温泉から車に戻り、一杯やりながら少し遅い食事を済ませる。

【コメント】

◆道の駅:大栄に何故コナン君の銅像があるのかについては、帰ってから調べたところでは、原作者の青山剛昌氏がこの町の出身なのでした。老人は、時々漫画の動画を見て楽しんでおり、コナン君についても時々覗いていて、なかなかしゃれたアイデアだなと感心したりしているのですが、その作家となると全く覚えていないのです。これは真に以って失礼なことであり、今後はしっかりそれも覚えておかなければいかんなと反省した次第です。

◆この日の午後の時間の使い方は、全くなっていません。この季節は、18時以降の車の運転は控えるべきで、もっと早く、浜田市の近郊の道の駅に宿をとるべきでした。幸いに結果オーライでしたが、いつもそのような幸運に恵まれるとは限らず、もし美都という所が案に相違した場所だったとしたら、何か問題が起こっていたかもしれません。旅車はどこにでも自在に泊れるという考え方は、表向きの利便性を強調する時には使いがちなことですが、実際にはどこでも自在というわけにはゆかず、しっかりと安全性を確認して一夜が送れることが重要だと考えます。

 

谷和原在住の林様へ → HPのメールでは届かないことが判明し、大変失礼しました。小生へのご連絡は、RVランドにお問い合わせ頂ければ分ると思いますので、恐れ入りますがそのようにお願い致します。馬骨記

 

 

 

 

コメント
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