山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

いばらきヘルスロードを歩く

2011-09-13 05:48:10 | 宵宵妄話

何か特別の道を歩いたというような話のタイトルとなりましたが、それほど大それた話ではありません。久しぶりにつくばの深緑の道を歩いて気持が良かったというだけの話です。

旅から戻って早10日を過ぎてしまいましたが、この間家内の趣味の遊戯(=フォークダンス)のお抱え運転手(?)で2度ほどつくば市内の会場まで往復しました。これが無ければ、今でも北海道内に留まって涼しい暮らしを満喫できたのになあ、などと考えながらべたべたの暑さの中をつくば市内まで出向いたのでしたが、最初の日はとても歩く気など起こらず、家内が遊戯中の間は、車で移動してホームセンターに逃げ込みそこで涼を取りながら時間を過ごしたのでした。

それから1週間が経って今日となったのですが、少し元気も回復し、ようやく歩く気になって、いつもの木陰の中の道を歩くことにしたのでした。この道は「つくば公園通り」と呼ばれ、つくばセンターという学園都市の中心部から、赤塚公園という郊外にあるジョギングのコースが設けられた施設まで約5kmほどの散策路です。この通りの両側には、日本の頭脳と呼ばれる時代の先端をゆく各分野の研究開発等に係わる施設が連なっています。この散策路の半分以上は高さが20mを超える大木に包まれた環境にあり、どんなに太陽光線の照射が厳しい夏の日でも、ほぼ100%それを避けて歩くことができる、大変恵まれた歩きの道なのです。この散策路の中には二つの大きな公園があり、その一つが赤塚公園であり、もう一つが洞峰公園です。この二つの公園にはジョギングコースが設けられており、赤塚公園には約1kmの、そして洞峰公園には2km超の、ウレタンを加工して吹きつけたジョギングコースが設けられています。これらのコースは双方とも全コースが殆ど大木に包まれており、これに公園通りの散策路を加えると、この二つの公園を往復するだけで4kmほどの歩きを稼ぐことができるのです。

 

       

いばらきヘルスロードの一つ、つくば公園通りの散策路。高さ20m以上の桜、ケヤキ、モミジ、ナラ、スギなどの他ハクウンボク、ムクロジなど珍しい木も混ざった深緑の世界が続いている。

 

今日は赤塚公園の駐車場に車を止め、洞峰公園までを往復しました。勿論赤塚公園のジョギングコースも洞峰公園のそれも周りましたので、それだけで4kmを歩いたことになります。この他にも赤塚公園内を数回周りましたので、10kmくらいの歩きにはなったと思います。大木の緑陰の中をオゾンとマイナスイオンを胸いっぱい吸っての歩きは、実に心地の良いものでした。

いつも気にしていたのですが、この道には「いばらきヘルスロード」に平成4年に指定されたと書かれた案内板があります。このヘルスロードなるものは何かといえば、「市民が身近な所で歩いて、新たな発見と健康増進にチャレンジできる道」という主旨に適った道とありました。茨城県もなかなか洒落た良いことをやっているんだなと思いました。ヘルスロードというからには、健康増進だけを取り上げているのかと思っていたのですが、良く読むと「新たな発見」という主旨が入っており、これには拍手をしたい気持ちです。よくぞ良いところを突いてくれていると思いました。

歩いて見ればどなたにも解ることですが、歩きの中にはたくさんの新しい発見があるのです。走っていての発見は難しいと思うのですが、歩きの場合は、人は感性を働かせれば、たくさんの気づきを得ることができるのです。今まで当たり前と思って見過ごしていたものが、突然目に飛び込んで来て、いつもとは断然異なる興味の対象となることがあるのです。これは私自身の体験ですが、もう20年以上も毎年500万歩近くを歩き続けて、道端の草たちを眺め、やがて名前を覚えて観察を続けている内に、少なからず植物たちの世界が今までとは違う見方で覗けるようになっています。動物とは違った植物という生き物の生態がありありと見えるようになって来ています。歩きを続けるようになってから、私自身は少なくとも動物の世界と植物の世界という二つの世界の中に生きていることを実感しています。時々花や草のことを書きたくなるのは、動物の世界(とりわけて人間社会)に起こっていることに嫌気がさした時に、別のもう一つの世界のことに触れたくなってしまうからなのかもしれません。「新たな発見」というのをヘルスロードに取り入れたセンスは素晴らしいと、改めて思いました。

京都には「哲学の道」というのがあります。あれは確か西田幾多郎先生が思索を重ねながら歩いたということから、何時かしらそう呼ばれることになったと聞きますが、私も一度だけ歩いて見たことがあります。確か桜の木が両側に植えられていたと思いますが、その時の秋の終りの桜の木には、花の季節とは違ったそれなりの趣があって、やはりここは哲学の道なのだというのを実感したのを思い出します。茨城県のヘルスロードもこの哲学の道につながるものがある様に思います。研究学園都市の中にこのような道が作られているということは、日本の頭脳の活性化にとっては、必要欠くべからざる重要事項のような気がします。都市の設計をされた方の配慮に改めて大いなる拍手を送りたいと思いました。

ところで家に帰ってネットで「いばらきヘルスロード」というのを調べて見たのですが、現在162の道が指定されているということでした。ネットにアップしたデータの資料が読みにくくて、こんな所が茨城県らしいのかななどと思いながら、虫眼鏡で画面を見ていたら、我が守谷市の北守谷遊歩道もその中の一つであることが解りました。確かに指定されるにふさわしい道だと思います。2kmほどしかない短い散策路なのですが、起伏があり樹木も多くて、この町に引っ越して来て、この道を知ったその日からここが気に入って歩いています。

人が健康に生きてゆくためには、常に新しい発見が必要であり、それは机に向かっている時などではなく、心穏やかに思いを目一杯巡らして動いている時、すなわち歩いている時にもたらされるのだと思います。歩きは私にとっては思考の場所であり、発見の場所であり、生きてゆくための材料を仕入れる場所なのだと思っています。

コメント
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