山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

茨城県の交通マナー

2011-03-30 05:25:09 | 宵宵妄話

  先日家内の運転免許証の更新手続きのために、隣の常総市にある警察署に出掛けました。何年か前から運転免許証の更新は最寄りの警察署でOKとなりましたので、遠方にある所轄の取手警察署ではなく、より近い常総市の警察署に行くことにしています。守谷市には警察署がありません。最近時々思うのは、警察署の設置基準についての疑問です。人口なのか、過去の犯罪発生率なのか、それとも行政区分に係わらずに担当エリアを決めて設置しているのか、あるいは他に何か基準があるのか、現在の警察署がどういう基準で置かれているのかが分かりません。常総市(元水海道市)の方が守谷市よりも市制の施行が古いので、そのままの基準で現在の警察署が置かれているのだと思いますが、人口は常総市がほんの少し多いだけです。人口密度は常総市の3.3倍もあり、エリアが狭いので、取手警察署配下の交番が3ケ所あるだけで何とかなるという考えなのかもしれません。しかし、このような体制で6万人を超す市民の安全を本当に守ることができるのか、県や市としての税金の使い方は正しいのか、少しばかり疑問を感じています。短期間で居住者が急増した町などでは、このような問題が結構内蔵されているのではないかと思います。

 ま、そのことは措くとして、今日は免許所更新に絡む交通マナーについての嘆きです。新しい免許証を持った家内が警察署の玄関から出てきて、車に乗り込んだ後に盛んに話すことには、茨城県は交通事故の発生状況が全国ワースト上位に入っているというのに、講習会の講師の人がまるで他人事のような調子で話をしているという、そのことに対する憤慨でした。いやしくも交通事故を減らすべき行政に係わる人ならば、自県の悪化状況を他人事のような調子で話すとは何たることか!という憤りのコメントです。

 私に向かって憤られても仕方ない話で、いささか迷惑なのですが、この場合やはり調子を合わせざるをえません。警察署の安全講習会は、転勤族だった故に、もういろいろな場所で何度もお世話になってきていますが、未だ、なるほどと感動した覚えはありません。そもそも感動を期待する方がおかしいのだと思いますが、願わくば受講者の気持ちを考えて、感情や思いのこもった話を聞きたいものです。というのも、多くの場合講習会の講師の方々は、新しい情報や法知識にかかわる部分を淡々と伝えられるだけで、それが何がしかの名調子というのか、役所流の乾燥したトーンの話しぶりなのに失望することが多いのです。ま、話をされる側からすれば、特段の変更のない限り、来る日も来る日も同じ内容の話をしなければならないのですから、一々受講者の顔を見ながらシャカリキになってやってはいられないということなのでしょう。その気持ちはわかるのですが、交通事故というのは、不慮の事故として痛ましい内容を伴っており、運転者に対する教育としては極めて重要で、受講者にはもっともっと本気になって考えてもらわなければならないテーマだと思うのです。ですから単なる行政の情報伝達者の立場からだけでなく、人間としての生き方の基盤の一つとして、運転者は絶対に事故を起こしてはならないという厳然たる心構えを強く強調する必要があると思うのです。

日本国においては(世界中どこも同じなのかもしれませんが)社会教育というのか、大人に対する教育が極めて不足しているのではないかというのが、私のかねがね思っていることの一つです。その内容は子育てに関するものなどいろいろあるのですが、交通安全に対する教育もその一つです。本気で事故防止に取り組むのなら、免許の更新は絶好のタイミングなのですから、もっと中身を濃いものにする必要があるように思います。録画を見せて形式的な講習などでごまかさないで、本人が本当にその気になって安全運転に取り組む意識付けをするような内容を付加すべきです。そのためには受け身で聞き流していれば済むような講習ではなく、たとえば自らが全国民に向かって安全宣言をするような施策を取り入れるべきです。行政は、本気ならば、大衆の安易を求める態度に媚びるべきではないと思います。

ちょっと本題から外れかかっていますが、元に戻して、茨城県下の交通マナーというのは(ひど)いものだと思います。全国を車で旅をして回っていてしみじみ思うのは、地方というか田舎に行くほど交通ルール遵守に対する意識の低さと、その証明としてのマナーの悪さが目立つということです。大都市も決してマナーが良いなどとは思いませんが、基本ルールを守るという点では、田舎の方よりはずっとマシだという気がします。というのも都会であれば、ルールを守らなかったら即事故につながるということを多くの運転者が肝に銘じているからなのだと思います。交通量が多い分だけ事故に出くわすチャンスも増えるわけで、しょうもないバカ者を除けば、誰だって気をつけているわけですが、田舎の場合は自分だけは大丈夫だなどと思い上がった気分の人が多いようです。

茨城県の交通事故の発生度が全国のワースト上位に顔を出すのは、茨城県が田舎であり、運転者に田舎者が多いことを物語っているように思います。事故の詳しい内容がどうなのか判りませんので、個々のコメントはできませんが、多発の要因を(くく)るとすれば、田舎者の思い上がりが最大の原因になるのは確実のように思います。事故の潜在的要因にはいろいろあると思いますが、最も危険なのは自分は運転が上手だなどという思い上がりと、相手の人は自分の気持ちを判ってそれに応じてくれるはずだという安易なうぬぼれの心理です。

この二つの要因に基づく危険運転を感ずる現象は、守谷に引っ越して来て以来、車に乗る時はほぼ毎度味わされています。それがどんな時かといえば、メイン道路を走っている時に、横道から飛び出してくる車の余りにも多いことです。ほんの少しでも前車との間隔を空けると、後に続く私の車など見向きもせず、当然のようにサッと横道から入ってきます。横道からメイン道に出る際に、一時停止をしない車が多く、一時停止をしても、止まる位置が飛び出し過ぎている車が多いのです。停止線で一旦止まって、左右の安全を確認してからソロっと出るというのがルールだと思いますが、そのようなことをする車は少なく、最初から前に出ないとなかなか本道に入れないので損をしてしまうなどと、安全よりも急ぎ優先と考えている人が殆どのようです。中には初心者マークをつけながら、早くも飛び出しを狙う女性などもいるのですから、危険やら呆れるやらヒヤリのしっ放しです。

また、スピードに対する感覚も異常のような気がします。時々石岡市の八郷町を走ることがありますが、道幅が狭くなった県道や市道でも恐るべきスピードで走る人が多くて、一体ここはどうなっているんだと驚くばかりです。何しろ田舎では一家の大人一人に車1台は当たり前であり、日中でも道を歩いている人など殆ど見かけません。皆車で移動しているのです。ですから車の運転には慣れていて、よく通る道についてはスピードを出しても何の不安も抱かないほどの過信があるのかもしれません。しかし、たまにしか通らない私から見れば、そのスピードは無謀運転としか思えないほどなのです。

八郷町の農園に行った時は泊った翌早朝に、いつも2時間ほど付近を散歩するのですが、7時を過ぎる頃になると、県道に入る横道から農家に住む通勤の人たちの車がひょいひょいと出てきます。側道の歩道を歩いていると、その横道に出くわすたびにヒヤッとします。歩行者など眼中にない感じがするのです。横道から飛び出しぎみに出てきて、傍の歩行者などには目もくれず、本道の左右ばかりをきょろきょろして大丈夫と思えば、サッと出てゆくという運転者が殆どであり、それは男女の性別とは無関係なのです。これじゃあお年寄りが事故に遭うのは当然の成り行きでしょう。夜間だったら、お年寄りの事故に遭う確率は数倍に跳ね上がるに違いありません。

このような状況は、恐らく八郷町以外のエリアだって同じことなのでしょう。田舎道の恵まれた道路環境に甘えた運転意識は、この県全体の交通事故多発のバックグラウンドとして共通しているように思います。電車やバスで通勤している人たちは、ほんの一部で、田舎に行けば行くほど交通手段は車依存の世界になっているのです。そこが歩行者などは二の次にした、思い上がった運転者が中心の交通環境となっているとしたら、これは(げ)に恐ろしき世界です。

守谷市では東京首都圏に通う人はバスや電車を利用していても、家から駅までの距離が少しでもあれば、歩くなどという考えはなく、朝夕は送迎の車で駅前は引きも切らぬ混雑です。日中の買い物等も自転車や歩きの人は少なく、主婦と言われる人たちも殆どが車を使っており、ショッピングモールなどの駐車場はいつも車で一杯です。これらの車の運転者に、前述のような運転感覚の人が多いのですから、本当に要注意です。

事故の現場や内容が具体的にどのようなものが多いのかが良くわかりませんが、恵まれ過ぎた運転環境を軽視し、己の運転力を過信している人の多いことが事故を減らさせない最大の要因と言えるのではないでしょうか。私自身も茨城県出身であり、わが故郷を敢えて田舎者の住む場所とバカにするような言い方をするのを、決して心良しとはしませんが、交通安全の視点からは、普段のあまりのひどさに目をそむけたくなる感じがしています。

あくまでも基本は運転者個々人の心構えや意識にかかっていることであり、警察関係者をとやかく言う話ではないとは承知していますが、交通安全は国全体の、行政の係わる重要テーマであり、事態の改善の旗振りはやはり当局・関係者にお願いするしかないと思います。ですから、ワースト上位から早く抜け出すためにも、県や警察の当局・関係者は、他人事のような言い方をしないで、講習会の受講者への遠慮など無用にして、情熱を持って運転者の安全運転意識向上に揺さぶりをかけるような話をして欲しいと思います。

 

(この稿は大震災が発生する前に書いたものです。)

 

コメント (1)
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