山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

南東北・佐渡・飛越信州の春ぶらり旅(第18日)

2008-09-30 05:23:02 | くるま旅くらしの話

18日 <511()

旅も残り少なくなった。多分明日は帰宅することになるだろう。今日は温泉に入りたいので、白州町の近くにある道の駅:蔦木の宿に泊ってもいいな、などと考えている。昨夜は風雨が荒れ狂って、車体を揺り動かすほどだったが、朝方になって風は治まり、雨も上がる感じになってきた。しかし雲は厚く、自慢の常念岳は全く見えない。いつものようにトイレの処理をし、水を汲んで出発の準備をする。ここの道の駅の野菜売り場は、8時半オープンだが、8時には気の早い人たちが数人並んでいた。オープンと同時に我々も店に入って、目当ての野菜などを買う。野菜の苗も売っていたので、庭に植えようと大葉の苗を3本ほど購入したりした。

今日は先ず、先日旅の初日に福島の伊東さんから聞いたワサビ園に行ってみようと思う。確か頂戴したお土産には大王ワサビ園とか書かれていた。地図を見たけどそのような名前はどこにもない。しかし犀川の近くに御法田わさび園というのがあるので、もしかしたらそこではないかと出向く。ダメもとでいいのだ。ワサビがゲットできればいい。迷いもせず10分ほどで到着。やっぱり勘は当っていて、そこが大王ワサビ園だった。

いやアー、見事なワサビ田に驚かされた。ワサビといえば、すぐに静岡のわさび漬けなどを思い出すが、伊豆のワサビ田などは殆どが山間の渓流沿いに作られているのだが、ここは平地に清流が流れていて、一面がワサビ田になっている。規模の大きさは日本一というが、まさにその通りだと思う。黒い日除けのような覆いが畑の上に列をなして設けられていたが、栽培に関係するのであろう。

     

広大なワサビ田。黒い日除けのような物に覆われている箇所もあり、陽光や水温の管理が大変なのだなと思った。

時間をかけて畑の中の散策コースを見て回った。ここまでつくりあげるには、先駆者の方の並々ならぬご苦労があったに違いない。元々は荒れた湿地帯に過ぎなかったのであるから、よくもまあ、ここに目をつけられたものと思う。先駆者や創業者といわれる人々には、我々凡人には推し図ることのできない膨大な夢の、志のエネルギーが燃えていたに違いない。園内を歩きながら改めてその凄さに脱帽した。

再び雨が降り出しているが、ここは天気が良ければ日本アルプスの峰々が一望できる景観の素晴らしい所に違いない。近くを流れる清流にはバイカモ(梅花藻)が揺れて、川岸には麦わら葺の水車小屋が二つあって、水車が回っており、何ともいえないのどかな風景である。これを描かない手はないと、かなりの人がスケッチブックを広げてその風景を描いていた。どうやら団体で絵の勉強に来ているらしく、先生と思しき人が、あれこれと指導をされていた。

   

水車のある風景。新緑に染まった田園の一角の川辺の景観は、絵心を誘われずにはいられない感じがする。

ワサビをおろしたのをその場で食べてみたが、甘い食感に驚いた。高価でなかなか買うまでには至らなかったが、邦子どのはお土産にと何やら求めていたようである。ワサビコロッケというのを売っており、それを1個買って食べてみたが、なかなかの味だった。雨はなかなか降り止まない。

充分に楽しんで、出発。昨日のR19を戻り、R20の甲州街道を目指す。塩尻で左折してR20に入るとすぐに道の駅:小坂田公園がある。雨も止んだし、11時半とお昼も近いので、小休止することにする。時間に余裕があるので、昨日馬籠宿で採ってきたアケビの芽茎と少し前に栃尾で採った蕗がまだ半分残っていたのを茹でたり、煮付けたりすることにした。外にカセットガスのコンロを出してそこで一連の作業をしたが、駐車場は広いので迷惑をかけることはない。この道の駅はトラックが多い。昼飯時なので、お弁当を食べている運転手が多いようだ。我々も軽く食事をする。食事をしながらふと思いついた。上諏訪に日帰り入浴の片倉館という温泉があるのだ。なかなかの名湯で、千人風呂というのが有名だ。そこでゆっくり旅の汗を流そうということにした。夜は勿論、朝風呂でも、昼風呂でも、我々は温泉に入る時間帯などにはこだわらない。入りたいときに入るのが一番なのである。

小坂田公園からは30分ほどで片倉館に着いた。上諏訪に寄るのは久しぶりだ。懐かしさを覚えるのは、若い頃、霧が峰や美ヶ原に登るために、ここに殆ど毎年やって来ていたからである。当時は列車で来て、バスに乗って山小屋を目指したものだが、今は寝床付きの車があるのに滅多にやって来なくなってしまった。少し反省の気持ちが湧く。雨もすっかり上がって、新緑の街路樹にそよ風が吹いていて、爽やかな気分である。片倉館は以前と変わらぬ落ち着いた雰囲気の中にあった。

入ってゆくと料金が150円も上がって500円となっていたのには驚いた。それにここは衣服のコインロッカーが有料なので、以前と比べると随分高額となっていた。心なしか、風呂の方も何だか寂れた感じがした。お湯の方は変わりなかったが、全体としては入場者が少なくなっているのだろうか。5年ばかりの間にいろいろ変わるものなのだなと思った。真昼の入浴者はさすがに少なくて、2、3人くらいしかいない。皆ご老人ばかりである。斯く言う拓もまた老人の一人なのであろうか。未だ少年のようなつもりでいるのだが、身体の方は確実に老人への道を辿っている。

風呂から上がって車の中で少し休んで、出発。ここで風呂に入ってしまったので、今日の泊りは、もう少し先にすることにする。どこにするかはまだ未定。とりあえず道の駅:白州に向かう。

白州は名水の地である。サントリーの工場もある。道の駅にも水汲み場があって、汲む人が絶えることがない。小休止して、少なくなってきていた飲料水を補給する。今夜が最後の夜となるので、ビールもゲット。いろいろ考えて、今夜は甲府から秩父に向う道の途中にある、道の駅:牧丘辺りに泊まって、明日は秩父を通って家に帰ることに決める。この先、渋滞なくスムースに行ければ、雁坂トンネルを通って両神温泉の道の駅でもいい。とにかくレッツゴーである。

白州の道の駅を出て、少し行くと武川村がある。今はここも白州町と同じ北杜市となってしまったが、ここの神代桜は日本三大桜の一つに数えられる名木である。立ち寄りたい気持ちが動いたが、もうとっくに花は散ってしまったろうし、時間も遅いのでパス。韮崎から甲府に入って、R140へ入り秩父に向かう雁坂トンネル方面へ。既に17時を過ぎているので、秩父に抜けるのは明日にすることにして、予定通り牧丘の道の駅に泊まることにする。間もなく到着。ここは平成の合併で、今は山梨市に編入されている。文字通り、小高い丘陵に広がる町である。丘というよりも山といった方が実態を表しているかもしれない。トラックなどが騒音を撒き散らさなければ良いがと思ったが、そのような心配はなく、静かな一夜を送ることができた。今回の旅も明日で終わる。

コメント
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