新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

おすすめの佐賀市古湯温泉の宿『oncri(おんくり)』 

2019年01月08日 | 国内旅行記

息子が私の希望を入れてとってくれた宿「oncri」は山峡にあり、予想をはるかに超えた納得のいくものでした。口コミもかなり良い評価で、隣県にも関わらず私の情報不足でした。

 数年前にリフォームされたようで、インテリアもセンスが良くて素晴らしい!

 
 山あいの冬、都会では見られない星空に息子が感激していました。


温泉棟は別棟になっていて大浴場、露天風呂に趣向が凝らされて、全種類を満喫しようと意欲満々。38℃のぬる湯は長時間入っていても不具合はないという事で、山と空を見ながら露天風呂に30分もただ浸かり続けていました。
 
食事前、食事後、翌早朝と満足の行くまで温泉を味わいました。歩行湯、足湯、サウナ、砂蒸しもありますが、時間足らずでパス。(写真はONCRIのHより)
 
食事処の膳座敷の玄関口は意匠が実に好ましくシンプルです。夕食はここで睦月の和会席を頼んでおきました。(写真はONCRIのHPより)

 
奉書巻、松風、土佐煮、嬉しくなるほど丁寧です。 椀のしんじょの下には「寿」と切り抜かれて昆布が隠れていて、その趣向が素晴らしい!

 
ヨコワとはクロマグロの若い魚のことだそうで、初めて知りました。ぶりの経木焼き。ふっくらとしたぶりの食感と経木の香りが合っています。薄桃色のユリ根のきめ細かい茶巾絞りに金粉が乗ってお正月めいています。            

 
海老芋饅頭にカラスミが乗っています。絶妙のおいしさでした。当然ながら地元伊万里牛の焼きしゃぶ。

最初の前菜で料理人の腕と、見えないところにも手を抜かない誠実さが伝わりました。どれも佐賀県産の食材です。洋か和か迷いましたが和食にしてよかった!
一皿ずつ運んでくるたびに丁寧に料理の説明をし、こちらの質問にもきちんと答えてくれた給仕の男性は勉強中だという韓国から来ている若者でした。的確で流暢な日本語と誠実な接客に感心しながらも、何やらきな臭い日本海のニュースが頭をよぎりました。民間交流はこんなに自然にうまくいっているのに。
 

朝食はレストランでのバイキング。インバウンドで日本語以外が飛び交っています。フロントのスタッフには欧米人・アジア人もいて各国語に対応できるように配慮されています。こんな山峡の宿の情報も今はネットで簡単に手に入れることが出来るし、内外を問わず温泉の良さを分かり合えるというのも素晴らしいことです。

チェックアウト後は有明の海沿いをひた走って祐徳稲荷神社に向かいました。山門は美しく、カラフルだけど嫌味はありません。  

 

近年、タイ映画の舞台になったそうでタイからの観光客が増えたことをテレビで知りました。朱色の神社は特に初詣にぴったりです。

 
舞台の美しい組み方が特徴です。拝殿へは100段ほどの階段を屏風畳みのように折れ曲がりながら上ります。
 
 エレベーターも出来ていますが、お一人様300円とはちょっと高いかな。

 
 拝殿の奥にさらに奥の院があり、数えきれないほどの鳥居の中を登っていきます。

 
最後は手すりのない岩石の急な階段に変わりました。後悔するとは思いましたが、あと150mというところで危険を感じて断念し息子だけ登っていきました。佐賀平野が一望できたそうです。
 
神社の外に出るともう梅が色づいていました。特に暖かかったこの日、春はすぐそこという感じです。明るい正月は希望が持てます。

更に西に向かって走り、海中に鳥居があるというところへ。大漁神社・海中鳥居です。テレビで見たことがありましたが、こんなところにあったのです。
 
「月の引力が見える町」というキャッチフレーズの太良町の干潟は干満の差6m。満ち潮になると鳥居が海の中に浮かぶことになります。幻想的な光景はイメージだけで・・・。

突堤の電柱は2mの高さまでフジツボがびっしりくっついています。この高さまで海水が満ちてくるのです。

突堤の縁に牡蠣やアサリなどの貝殻が堆積してうず高く積もっています。棒で掘ってみましたが、しっかり堆積し固く深さは1~2mはあり、長い長い年月を感じます。
 
 
 
先ごろ行った世界遺産の三重津海軍所跡で、日本最初のドック建設に使われたのがコンクリ―トでなく軽い牡蠣殻でした。大量の牡蠣殻をどうやって調達したのか・・・、その疑問の答えを見つけました。ここでやっとつながり納得しました。
佐賀県は福岡県以上に観光地があるのに、なかなか表に出ない気がします。宣伝の仕方が足りないのかな・・・。もったいない。隣県人として「佐賀県」を大いにPRしておきます。

今度の正月で大量に残ったおせち料理と食材について皆の意見も聞いて、来年からは数の子、黒豆、雑煮、お屠蘇と超簡単にすることに決まりました。私もあまりお節料理は好きでないけど、今までの努力は何だったんだろう??? でも楽になることだけは間違いなし!これは伝統の「無視」ではなく「改善」という事ですo(^-^)o 

お正月の後片付けに何日もかかり気が滅入りがちでしたが、静かな温泉宿でおいしいものを食べて、初詣も出来て、私には遅れてきた嬉しい正月になりました。思い立ってくれた息子に感謝しています。ありがとう!

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