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新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

坂本繁二郎展

2006年06月02日 | 美術館&博物館

060601ishibasi_010_1 故石橋正二郎氏が久留米市に寄贈した広大な文化センター。その中に石橋美術館があります。

今ここで、開館50周年を記念して「坂本繁二郎展」が開催されています。子供の頃見た優しい馬の絵がずらり!50年前から、近隣住民の夢と希望を抱かせてくれる憩いの場所でした。当時、『文化』と名が付くだけで、子ども心に大切で高尚な香りを感じ取ったものです。

060601ishibasi_1 繁二郎は39歳でフランス留学し、その3年間が「流行に流されない自己への確信」となったそうで、明るい色調の初めて見る絵もたくさんありました。

2年がかりで完成させたという異様なほどの真っ黒い牛のいわばモノトーンの絵、《牛》。よく見ると、背中にほんの少し赤い点が。深い黒色の下には、こうしたたくさんの色が隠れているのかな・・・。この絵で確固とした名声を得たことから、作品製作で旅費を捻出し、留学が実現したそうです。

晩年に描かれた《八女の月》と、絶筆の《幽光》は、同じ郷土に住むものとしても深く心にしみる絵でした。晩年は視力が衰えていたそうですが、最後にこんなに美しい色彩が心の中に映し出されていたのでしょうか、素晴らしく、幸せなことだと思います。

6月16日(金)から7月8日(土)まで、東京展としてブリジストン美術館で開催されるそうです。

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