新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

コロナ陽性8日目。太田弦&亀井聖矢のチケット😊 

2023年12月15日 | 音楽
ブロ友さんの美味しそうなロールキャベツの煮込みを見て「明日はこれ作ろう!」と決めていました。
冷凍庫の奥薗さんの「万能塩蒸しキャベツ」を使います。
キャベツ1玉を買うと、どうしても残りが野菜庫に転がります。それがストレスでしたが、奥薗さんのレシピでキャベツのロスがなくなり、また応用が効いてとても重宝するレシピになりました。ちなみに私はキャベツは半分にして、大きい葉のまま塩蒸しにしています。


    
ミンチ肉を包むとき、キャベツが柔らかくなっているので、葉が破れていてもうまく繕いながら巻けます。蒸すときにオリーブオイルを少なめにすると、料理中の手の汚れが減ります。
小さめの鍋にきっちり並べ、落し蓋で固定すれば煮崩れを起こしません。
ミニトマトを足せば明るい雰囲気になり、孤食の慰めにしましたΣ(×_×;)!

昨日チケット速報のメールが届きました。来年度から、新進気鋭の指揮者29歳の太田弦さんが九響の首席指揮者に決まり、特別公演『太田弦と亀井聖矢 若き才能の共鳴』のWEB先行発売のおしらせです。
今日10時にスタンバイしてても九響会員が優先され、目指す席は対象外で、同じS席でも人気の落ちる席しか取れませんでした。しかし亀井さんのあの魔法のような手の動きがしっかり見える席です。
2枚確定した後に気づいた「ペア券」の割引、もうあとの祭りですが。



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鬼も笑えない···来年のチケット

2023年12月02日 | 音楽
高校生の頃、5月の中間テストが終わり、帰りにはお店でイチゴを買って帰るのがルーティンでした。解放されて、ほっとひと息のイチゴは爽やかな5月にぴったりでした。
それがいつの頃からか、イチゴの出荷が早まりクリスマス前に出回るようになりました。

私の頭の中では、いまだにイチゴは爽やかな5月のフルーツですが、寒空の店頭でイチゴと目があって買って帰りました。

5月のコンサートのチケットを無事入手しました。半年先の来年の事なのに、鬼も笑えないほどの熱量を感じる争奪戦でした。
パソコンの前にスタンバイして、WEB予約開始の10時ピッタリにスタート。条件のいい席を予定していたのに、アクセスが多いのか画面が動きません。
9分後に取れたのがまあまあ・・・の席。同じ料金でもステージの見え方に差が出るのは仕方ないことです。

30分後にサイトに戻って確かめると、何と3階のC席ぐらいしか残っておらず、私はラッキーなほうでした。

一般予約開始は12月1日なのに、サイトで調べると2日にはもう受け付け終了の文字が出ていました。

鼻の先に美味しい「人参」をぶら下げておくと、心に張りが出ます。今、チケットを4回分取っています。楽しみ!



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九響のライブ配信

2023年11月10日 | 音楽
昨日の夕方のこと。「私、7時からコンサートだから」「えっ、今から出かけるの?」「そう……。二階に行くだけだけどね」

九響の定期演奏会が、初めてインターネットで有料ライブ配信を行いました。

帰りの遅くなるコンサートは、かなりのストレスがかかる年齢になりました。だからオンライン配信があると知ってすぐにチケットを購入。
ライブの空気感と演奏者の熱、生の音には叶いませんが、それでも十分に楽しめます。
現地と時間を共有していることが大切なのです。
ピアノが牛田智大、指揮がポリャンスキー。
プログラムもラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」「交響曲第2」。
牛田さんのピアノが素晴らしかった!ショパンコンクールでは思いがけない結果でしたが、静かな性格で静かに受け止め、前向きにしっかり精進を図ったと実感しました。難度の高いラフマニノフのピアノ曲に聴衆も歓声と拍手、私もパソコンの前で拍手!

中休みの時間には楽団員によるトーク番組。配信もメリットがあります。これからはコンサートの配信もありかなと思っています。

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ラフマニノフと松茸

2023年11月04日 | 音楽
世の中は3連休とか。365連休の我が身には、その中の一日が今日のコンサート。妹と一緒に行ってきました。

飯森範親指揮、ピアノ横山幸雄、九州交響楽団。
華麗なるロマン派からショパン:ピアノ協奏曲第1、グリーク:ピアノ協奏曲、チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2という協奏曲4曲の豪華さでした。

1粒で2度美味しいのがグリコなら、それを上回る4度も豪華な美味しさに会場は大盛り上りでした。
横山さんが30数年前にショパンコンクールで4位入賞し、その頃からのファンでしょうか白髪の紳士が多く、力強い拍手に演奏者は嬉しい手応えだったことでしょう。

ショパンの美しさに涙し、グリークのカデンツァに大きく心を揺さぶられ、チャイコフスキーにロシアの大地を感じ、ラフマニノフの迫力に圧倒されました。いつものコンサートより長い3時間15分でした。

4つ目のラフマニノフの圧巻の演奏が終わるやいなや、まず男性陣が立ち上がって拍手喝采。それが連鎖し満場のスタンディング・オベイションになりました。私の語彙ではその素晴らしさが表現できず、とにかく「もう一度聞きたい」と満場の喝采がそれを表しています。 
客席の感動を最高に表せて、ステージと客席が一体化した瞬間でした。この感覚は体験しないとわかりません。

アンコール曲は「アベマリア、バッハ=グノーの主題による即興」。清らかな美しい曲で熱した心をクールダウン。

横山さんのコンサートは毎回テーマがあり、前回はオールショパン、前前回はベートーベンも入った4大ピアノ協奏曲で、やはり毎回3時間の演奏でした。

会場に向かう道筋に、天神のビル群に不似合いな野菜屋さんがあります。そこで毎年松茸をゲットしますが、今年も運良く手に入れました。

カナダ産ですが、腐っても松茸!妹の分まで2パック買いお土産にしました。

文化の日は感動の一日になりました。特にラフマニノフがよかった~!
今日の収穫はラフマニノフと松茸!いい日になりました!


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『極限まで研ぎ澄まされた藤田真央の美しい世界』

2023年10月19日 | 音楽
2019年チャイコフスキー国際コンクールでいきなり第2位と鮮烈な脚光を浴びて登場したのが藤田真央さん。YouTubeのヴェルビエ音楽祭での演奏を聴いて以来、絶対に生で聴こうとチャンスを待っていました。
それが今日18日、アクロスシンフォニーホールでの演奏でした。

ショパンのポロネーズ第1の繊細な弾き初めから涙が出そうでした。美しい!ただただ美しい!
天上界のような研ぎ澄まされた音色。今、生で聴けることの喜び。手首と指の曲線的な滑らかな動きから紡ぎだされるpppもfffも自然体なのです。
チラシの『音楽の様式美や想像力が極限まで研ぎ澄まされた藤田真央の美しい世界をお楽しみください』が全てを語っています。
今年聴いたコンサートとリサイタルはどれも素晴らしいものでしたが、今日の音色は特別にず~~~っと残り続けると思います。

真央さんはヨーロッパでの演奏が多いということもありベルリンに居を移され、日本で聴く機会が少ない中、今日は本当にラッキーでした。
これからの演奏会を調べたら、来年の半ばまでに欧、米、中国、韓国、国内と58のコンサートとリサイタルが確定していました。
世界のマエストロからの信頼も厚く、共演の楽団員からも愛されているのがわかる真央さん。数少ない日本人のカーネギー・ホールでのソロ・リサイタルも輝かしいデビューでした。

次は楽団との共演でピアノコンチェルトをぜひ聴きたいと思います。
私には、10月18日は「真央記念日」。今日の感覚を大切な小箱に残したいと思います。

アンコールはチャイコフスキーの「遠い昔」。初めて耳にする曲でしたが、穏やかで柔らかく心が澄み渡るメロディーでした。これを今、ハマスが、エタニヤフさんが、プーチンさんが聴いたら爆音が止まるかも・・・。



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石井琢磨ピアノ・リサイタル「Szene」

2023年10月07日 | 音楽
FFGホールでの石井琢磨さんのピアノリサイタルに、妹と行ってきました。入場するにも歩道まではみ出してぐるぐると長蛇の列。
この福岡銀行本店の地下にそのホールはあります。黒川紀章氏の設計による木造音楽ホールは曲線的な美しさと木の温かさがありますが、数十年前の建物。

リニューアルはされましたが今はとても狭く感じます。

日本でのツアーの初日、東京オペラシティーコンサートホールのチケットは発売3分で完売だったとか。
昨年から日本で活動を始めている石井琢磨さんはウィーンの街とピアノ演奏をYouTubeで 発信されているので、ファンも多いようです。

私が石井さんを知ったのは3年前。反田恭平さんの動画を通してでしたが、トークにも嫌味なく人を取り込む好人物、明るく楽しい人間性が人気に拍車をかけているのかも知れません。

プログラムの10曲は、ドビュッシー、チャイコフスキー、クライスラー、スクリャービン、ショパン・・・最後はウィーンの香りをのせてシュトラウスの「皇帝円舞曲」でした。

最後の演奏が終わると、階段状の客席から一斉に立ち上がり、スタンディングオベイションの拍手が鳴りやまず・・・。シャイな日本人にはこの状況は珍しく、私も初めての経験でした。4~50代の女性が多かったからでしょう。

馴染みのある曲が多かったのと、1曲ごとの解説が心に届きやすく、クラシックの裾野を広げる役割は十分に果たされていました。
秋風の吹く土曜の昼間の楽しいひとときでした。


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天神の午後は「JNO 2023 夏ツアー」

2023年09月03日 | 音楽
JNO は反田恭平さん率いる若いオーケストラ。新鮮で、表情が明るくて、和やかで一体感のある30数名のオーケストラです。6月にチケットを入手して3ヶ月間楽しみを醸成させていました。

最初は反田さんの指揮・ピアノで、モーツァルト:ピアノ協奏曲15番。
最近、国際コンクールで賞をもぎ取り、若手のピアニストが躍進していますが、やっぱり反田さんのピアノはすごい!不純物を取り去ったような美しい音色。ショパンとはまた違った反田さんのモーツァルトでした。

モーツァルトはもう1曲、交響曲40番。近年は演奏会でのモーツァルトを聴くのがほとんどなかったので、久々の軽やかな曲に心が解放された感じでした。

そして印象に残ったのがチャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲。森田啓介さんのチェロが素晴らしかった!
さらに、アンコールなのにカサドの曲はチェロリサイタルかと息を呑むほど。これからの躍進が目に見えるようでした。
反田さんの演奏を聴くのは4度目ですが、指揮者としての重みが加わっていました。

帰宅したらワールドカップのバスケット。格上のフィンランドとベネズエラに勝ったので、格下のカーボベルデには浅はかにも楽勝と素人は思い込んでいました。第4クォーターで3点に詰め寄られた時は生きた心地がしませんでした。冷静なプレーで勝ちをもぎ取り、念願のパリへ!
本当におめでとうございます。本当にお疲れさま手ました。

コンサートとバスケットで気分が高揚したせいか夜中の2時頃まで眼が冴えて。ならばとサイドの曲を聴くものだからかえって眠れませんでした。
妹と久しぶりに会えたしいい1日でした。



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二つの「第九」・・・チケットをゲット

2023年07月23日 | 音楽
この情報を聞いたのがひと月ほど前。ウクライナ国立交響楽団がベートーベンの「第九」とドヴォルザークの「第九」を同時に演奏するというものでした。フェイクニュース?・・・入力ミス?・・・

でも見逃せません。アクロスのホームページで確かめたらきちんとリストに入っていました。公演は12月27日。まだ5か月先の話ですが、今日が先行予約の日です。朝10時前からパソコンの前でスタンバイです。

恒例の九響の「第九」は今年は12月23日。年末の「第九」は一年の聴き納めの我が家のスケジュールでしたが、今年はウクライナフィルを選びました。何といっても「W第9」ですから。

オンラインチケット。アクロスの座席表でS席エリアのすぐ後ろのA席を選択できたので、S席と同じエリアという感じです。見えない境界線をちょっとだけ押し広げた感じで、うまく選択したので3000円も安くとることができました。

「コンビニで現金払い」を選択しました。チケットセンターから提示された2種類のナンバーを使って、コンビニのマルチコピー機を操作、そのレシートをカウンターに提示してチケット代を払うので、その日のうちチケットをゲットできます。
今日でスタンバイチケットが5枚に増えました。た~の~し~み~!

水キムチが気に入ってずっと作り続けています。

発酵してまろやかな旨味の水キムチですが、夫は好まないのでその器は私に回ってきます(((^_^;)
今日の千秋楽。上位陣が不調にもかかわらず、力強く、若手の頑張りが新鮮で面白かった!
だから、夕食の準備に支障が出てメニューも二転三転。結局簡単なゴーヤーライスになりました。それでもこの味には二人とも満足です。


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贅沢なプログラムでした

2023年06月21日 | 音楽
6月20日、アクロスシンフォニーホール。「未完成」「皇帝」「運命」という贅沢なプログラムを掲げて登場したのは「ベルリン交響楽団」。圧巻の演奏でした。
名前は似ていますが、ベルリン・フィルではありません。ベルリン・フィルは福岡まではなかなか・・・。来てもとても手が届かないかな。

2楽章までしかない「未完成」。オーボエやクラリネットの美しいメロディー、ボンボンと地下からわき出るような強調したコントラバスの音が心に響きました。CDで聴くより数倍もよかった!コンサートは別物です。

ベートーベンのピアノコンチェルト5番「皇帝」。若き才能を期待されているポーランドのピアニストはアレクセイヴィッチ。
指ばかりでなく手の動きも美しい!弾いてないときでも楽団の方を向き体で演奏に加わり、すべてが溶け合って舞台が丸ごと一体化していました。
満場の拍手が鳴りやまず、少しはにかみながら2曲のアンコール曲で応えてくれました。
ショパン「華麗なる円舞曲」と「マズルカ15番」。観客からは聞き慣れた曲に親しみを感じて喚声が上がりました!メインの料理のあとの極上のデザートというところです。
アンコールの曲選びには、ピアニストも観客の心理を読んで喜ばせたいという意図があるようです。

第2部。「ダダダダーン」と同音の連打、これが最初にみんなの心に入り込みます。重厚で少し重たい「運命」。
ゆったりとしたテンポの第2楽章。起伏に満ちているけど優しいメロデイです。
3楽章、4楽章は重厚なテーマが調性を変えながら何度も繰り返され、どんどん盛り上がり、軽やかになって素晴らしい終わりを迎えます。
作品「運命」が聴く人の心をつかむのは、メロディーとリズムで「人の運命」として自然に受け入れていくからでしょうか。

丸々2時間。指揮者も演奏者も相当疲れているはずなのに、ないだろうと思っていたアンコール曲がブラームスの「ハンガリー舞曲」。会場の鳴りやまない拍手に応えてくれた指揮者に喚声が沸き起こりました。会場と演奏者の双方向の心のやり取りが実現した場面です。

チケット購入のミスから始まった今日のコンサート。オンラインでクリックしたつもりは「ハンブルグ交響楽団」の方で、見事な怪我の巧妙でした。
7年前にも聴いたベルリン交響楽団でしたが、今回はもっとよかった!
ソロ演奏よりもやはり交響楽は盛り上がり方が違います。

コンサートの度に音楽会のチラシが配られます。映画で予告編を見たら次を見たくなるのと同じで聴きたくなります。もう次の先行予約の日を見据えています。
会場では皆まだマスクです。でも、もう以前のような恐怖感はありません。きちんと気をつけて楽しまなくちゃー。



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亀井聖矢凱旋リサイタル

2023年06月03日 | 音楽
亀井聖矢さんがロン=ティボー国際音楽コンクールで第1位受賞のニュースが流れたせいかチケットは完売。凱旋ツアーリサイタル12ヵ所の3回目がアクロス福岡公演です。

全席同じ料金ですが、先行予約でベストの席が3ヶ月前に取れていました。さしづめ特Aの席に当たります。鍵盤も指もはっきり見えて幸運でした。

チケットは完売で3階席までびっしり。亀井さんが演奏の間のトークで、県外から来た人を尋ねたら、結構な人が手を上げていました。

プログラムの構成が『内面的で静謐で美しい音楽と技巧的で華やかで勢いに満ちた音楽』という欲張りな内容でした。

☆1部はショパン:マズルカ、幻想曲、アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ。
☆2部はラヴェル:ラ・ヴァルス、亡き王女のためのパヴァーヌ、ストラビヴィンスキー:ペトルーシュカからの3楽章。
どれも超技巧を要する曲で、1曲が終わる度にすごい拍手でした。

ラ・ヴァルスはグリッサンドが多く華やかですが、勢いもあります。弾き終わったときに「おーっ」という称賛のため息でざわつきました。エネルギーを使い果たしたのではと気になるほどでしたが、若い体力はその後も管弦楽の様な多彩な表現を駆使して圧倒しました。

スタンディング・オベイションのアンコール曲「ラ・カンパネラ」が奏でられたとたんに拍手が!これはNGですが、聴衆の期待と喜びの表現。亀井さんもニッコリ。
2曲目はバラキエフ「イスラメイ」も。これは私が予想と期待していた曲でした。
ふと目に入ったリサイタルの広告、見逃さなかったのはラッキーでした。

2年以上かけて改装されましたが、天井の変化しか気がつきませんでした。1867席。





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まるで、モデル?

2023年05月19日 | 音楽
颯爽と黒いスーツの男性の登場に「ええっ!」。
足が長い!たたずまいが美しすぎる!チラシのイメージをはるかに越していました。まるで雑誌のモデルのたたずまいです。

そして「からたちの花」の第一声が響き渡ったときに、更に「なに、これーっ!」とカウンターテナーの澄み切った高音に衝撃を受けました。
今まで聴いた声楽家のリサイタルと違うオーラが静かに響き渡りました。声の主は村松稔之さん。カウンターテナーリサイタルです。

一部は山田耕作や武満徹作曲の日本語で、二部が歌曲やオペラのアリアをイタリア語で。
曲目ごとに、美しい日本語で美しい発音で解説やエピソードが入り観客を魅了しました。所作も美しい。まるごと芸術です。
東京芸大大学院を首席卒業という若手カウンターテナー。声楽界のホープです。「ホープ」って輝く言葉ですねぇ。
「もう一度聴きたい」という感想が私のリサイタルの評価です。

村松さんは幼少期に神戸で震災にあい京都に移住。自分の命が大切に守られたこと、そして人の支えがあったことに思いを馳せ、NPO法人「SOS子どもの村JAPAN」に関わったことを話されました。
歌だけでは世の中を変えられない、しかしその歌声を心に届け、それにより何かを踏み出す一歩にして欲しいと静かに訴えられました。
美しい声、誠実な人柄、美しいたたずまい、美しい笑顔に、やっぱり観客は心を動かされました。
リサイタル終了後の出口で、NPOの人達が持つ募金箱に次々に札が増えていきます。そこには、厳しさを増す「子どもと家族」の問題を正面から見つめる観客がいました。

裏声の高音域を、それもノンビブラートで出すためには1年間の訓練が必要だったそうです。素人にもよくわかる誠実な解説にとても好感が持てました。
声楽は喉が楽器と聞いたことがありますが、とても納得できました。
楽器は買い直せても、声帯は生の楽器。生涯をかけて維持していくことの困難さが忍ばれます。

この6日間に2度のコンサートと1回の講演会は、常に妹と一緒でした。
以前は夫婦二組4人でというシーンもありました。男性陣が高齢になり優雅に食事してカフェでおしゃべりしてとはいかない環境になりました。
コンサートが終われば2人とも我が家へ一目散。コンサートに行けるだけでも幸せと思っています。

帰宅すると「どうだった?」「すごく楽しかったー!」「そりゃーよかったね」と私の上機嫌を喜んでくれました。
五嶋みどりさんと今回のテナーリサイタルで、十分にエネルギーの補給ができました。


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指揮:エッシェンバッハ & 五嶋みどり

2023年05月16日 | 音楽
83歳の巨匠がベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団を率いて「アクロス福岡」に登場。そしてヴァイオリンはこの会場には12年ぶりという五嶋みどりさん。見逃すことなく3か月前にチケットを入手していました。
みどりさんの40周年を記念して出版された80ページほどの『道程』が全員に配られました。10歳で渡米しているのに素晴らしい文章力と構成です。
楽団もみどりさんも、パンデミック明けの初めての海外公演だそうで志気もあがっていました。
演奏開始の前にプレ・イベントとして、みどりさんと4名の楽団員とのトークショウがありとてもフレンドリーでした。

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静かに始まった4本のホルンから流れたメロディは「えっ?」。今でも口ずさむ「秋の夜半の~み空澄みて~」でした。確かに中学校の音楽の教科書に出ていました。
この静かな曲がウェ―バー:歌劇「魔弾の射手」序曲の主題だったことを初めて認識しました。おどろおどろしいタイトルとは正反対、美しいメロディーでした。
「魔弾の射手」は10分ほどの曲。この1曲で楽団のファンになりました。

みどりさんの出番はシューマン「ヴァイオリン協奏曲」。難曲だそうですが、どこが難曲なのかわからないまま、ただ美しい弦の音と技巧に吸い込まれました。以前読んだ本から、たぶん楽器はグァルネリ。ストラディヴァリウスとは相性が良くなかったようです。
この協奏曲も暗いイメージで、演奏者に過酷なアプローチを強いる曲だそうですが、そこを経験豊かな名手の演奏で聴く…というのが今回の目的でもあるようです。
プログラムの解説によると、シューマンの妻・クララは「この協奏曲は決して演奏してはならない」と家族に言い聞かせていたそうです。この2楽章の主題をモチーフに別のピアノ曲を書いた直後に入水自殺を図ったとかで・・・。


休憩間の後はブラームスが21年の歳月を費やしたという「交響曲第1」。
ベートーベンの9曲の交響曲に続く「第10交響曲がついに現れた!」と絶賛されるまでにはその時間と労苦が必要だったのです。
高らかに歌い上げるようなクライマックス。いい演奏会でした。
このエネルギーを受けて、しばらくは自分の心を前向きに維持できる気がします。

83歳のエッシェンバッハ氏は三つの曲とアンコール曲・ハンガリー舞曲の指揮の間、手すりに寄りかかることもなく、かくしゃくとして指揮をされました。すごい体力です。
そしてみどりさんのアンコール曲・無伴奏ヴァイオリンソナタ3番のラルゴの時は舞台の入り口に立ったまま聴いておられました。終わると拍手。巨匠がいかにみどりさんに敬意を払っているかが分かりました。みどりさんの腕前と巨匠の人間性を垣間見た時間でした。

上から3ランク目の席でも15000円。少し高いなとは思ったけど、満足度は100%。この組み合わせでもう1度聴くことはないかもしれません。



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角野隼斗全国ツアー2023

2023年02月18日 | 音楽
昨日、三度目の正直でやっと角野さんのリサイタルを生で聴くことができました。前回のオルソップ指揮・ショパンのコンチェルト第1が聴けなかったことは今でも悔しい思いです。

今回は新しいタイプのリサイタル。グランドピアノとアップライトピアノが向かい合って置かれています。
2階の真っ正面の席が取れて、2台のピアノの手の動きがバッチリ見えます。
写真はアンコールの「きらきら星変奏曲」の時だけ許可されたスマホタイムで撮ったもの。30秒なら動画もOK、インスタグラムもOKでした。「スマホに気をとられていたら、最後の拍手ができないのでスマホは早く切り上げて。拍手がないと寂しいので」とトークにも余裕が出てきて、さすがツアー9回目です。

配信ではよく聴いていた前板を外したアップライト。くぐもった音色が、遠く天国から聞こえてくるような優しいけど規律がある・・・そんな幸せの音色です。曲によっては2つの椅子に体の向きを変えるのが数秒で。歌舞伎の早変わりのような・・・。
300年前のバッハの作品とカプースチンの8つのエチュードを2台のピアノで弾き分けて、クラシック音楽の新しい魅力を感じてほしいというのが、今回のツアーのコンセプト「Reimagine」、再構築するということだそうです。これは第2部の話。

面白かったのは、ピアノの後ろに4つのスタンドライトが置かれ、右から1、2、4、8の数字を意味し、「作品14番」だったら(8+4+2)で左3つのライトが点灯するというアイディアで、カプースチンの演目が分かりやすいようにようになっています。さすが理系。音楽にも2進法が取り入れられた・・・。

1部ではよく耳にするバッハのインヴェンション、主よ人の望みの喜びよ、パルティータなど静かなメロディーが流れました。ラモーもグルダも。
アンコールが英雄ポロネーズ、きらきら星変奏曲。ショパンコンクールを彷彿とさせるいつもの角野さんを見た気がしました。

シンフォニーホールの収容人数は1800人弱。満席でした。入場の列もドアからはみ出して外の公園にまで続きます。トイレも会場入り口にまで列ができました。グッズ販売も長蛇の列。よくぞチケットが取れたもんだと胸をなでおろしたものです。
客層が若く女性が多いだけにマナーがよく、場内のライトが消え、いよいよ始まるというときの吸い込まれそうなほどの静寂。ここからもうコンサートが始まっています。こんなライブならではの緊張感が好きです。

7時開始の夜のコンサートは帰りが心細い・・・。乗り換えなしのバスを少し待って10時過ぎには家にたどり着きました。これから日が長くなるので先行予約でほかの公演チケットも取っています。コロナからの出口が見えてようやっと・・・。楽しみにしています。

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曖昧な記憶・・・反田恭平&ワルシャワ国立フィル(2019.10.31)

2023年01月15日 | 音楽
パソコンの「ピクチャー」を整理していたら、下記のチラシの画像が目に入りました。
ワルシャワ国立フィル&アンドレイ・ボレイコ指揮&反田恭平。演目がショパン:コンチェルト第1のコンサートです。

ところが「????·····」。ブログにこのコンサートが見当たらないのです。
反田さんの演奏は、リサイタルよりフィルとの共演が断然いいと感激した記憶があるので、ブログには真っ先に書くはずです。

公演は2019年10月31日。その4ヶ月前の6月27日に振り込こんだチケット代金の受領証が残っており、スマホのスケジュール表にも記入しています。
毎日目にするスケジュール表なのでコンサートを忘れていたということはあり得ません。
反田さんの演奏会には4回行ったので、数字的にも辻褄が合います。
スマホとタブレットを交互で、時にはパソコンで、何回かに分けてブログを書いています。下書きの段階で何度か消えた経験も加味すると、やっぱり誤操作でしょうか。

(後日、この日のプログラムが出てきたのが行ったという証拠にはなりましたが、この日のブログが存在しないのが、実に残念で悔しい思いです)

この頃は、反田さんのラフマニノフやプロコイエフのコンチェルトが話題になっていたので、ショパンコンクールに出場されるという情報は、ずっと後になって知りました。

後日、そのショパンコンクールファイナルがライブ配信されたときのことです。
指揮者ボレイコさんと反田さんのアイコンタクトを見たときに、以前のコンサートの記憶がよみがえりました。記憶を引き出しながら、やっぱりコンサートには行ったという確証を強くしました。
ということは、このコンサートはショパンコンクールへの前哨戦だったのです。

これ以降、生で、この指揮者とフィルと反田さんの組み合わせの演奏を聴くことはもうないでしょう。ホントに貴重な体験でした。


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反田恭平さん&小林愛実さん、おめでとうございます。

2023年01月02日 | 音楽
ご結婚おめでとうございます。
もう、びっくりしました!

(写真はネットよりお借りしました)
幼なじみとは知っていましたが、受賞後のお二人の写真がとてもしっくり来ていたので、それがそのまま現実になったのですね。

ショパンコンクール2位4位とはビッグ過ぎるカップルですが、過去のラジオ番組の2人のトークがとても楽しく、他が入り込む隙がない・・・ほど息が合っていました。

1年前になりますが、その番組を下記にリンクしておきます。

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