昨夜は予想通り良く晴れてくれて久しぶりに当地で綺麗な星空を見る事が出来ました。そのお陰でネオワイズ彗星も撮る事が出来ました。使用機材は、Vixen AXJ赤道儀とCelestron RASA8を使いました。2週間前に乗鞍高原で撮った時より3等くらい減光した状態での撮影ですが、月の影響も無い上に最速ハイスピード天体用カメラ「RASA8」により立派な尾が写りました。等級は7等台後半で双眼鏡で見るにはギリギリの明るさですが、空の暗さも手伝って2週間前の5等台と大差ない写りになりました。
露出は、ISO1600-30秒のワンショットです。このくらいの撮影ならビクセンSX2やAPクラスでもRASA8を乗せて気軽に撮影ができます。最低限の赤道儀の使い方が分かっていれば誰でも撮れる写真です。
ついでにRASA8で夏を代表する天体を撮りました。カメラは、EOS M6ですが、ハヤタカメララボでHKIR改造してもらっているので、赤い星雲の写りは抜群です。画像処理も大した事はしていないので、これも機材さえあれば誰でも撮れる写真です。露出も同じ30秒のワンショットです。昨夜の空は薄い雲が時折流れている状態だったので、ベストな星空ではありませんでした。できれば次はもっと最高の空で撮ってみようと思っています。
これも同じRASAで撮っていますが、まともに撮ると天体が小さく写るので、トリミングしてM27が分かりやすくなるようにしています。色がとても綺麗な天体ですが、望遠鏡である程度の焦点距離があるものでないとその存在が分かりません。これも30秒露出ですが、きちんと中心星が写っています。
RASA8は、11インチよりコンパクトですが、一般的なC8より長いので気軽に使えるとはいかないかもしれません。またお値段も30万円オーバーと簡単に買えるお値段ではありませんので、せめてアメリカ並みの価格で買えれば使ってみたいと思うユーザーは沢山出てくるだろうと考えています。最近は個人輸入でCCDカメラなどを買う人が増えていますが、万が一商品に不具合があったりすると、全て自己責任で対処しないといけないので、特に海外販売店とのやりとりはとっても面倒です。英語による交渉ができる、できないに関わらず大型商品で問題があるとまともに対応してくれなかったり放置されたりするので、気軽に買えると言っても個人輸入はリスキーです。
最近は、国内販売店では積極的に海外製品を販売するようになっていますが、CCDカメラのような数が売れて輸送費がかからない物については、個人輸入と大差ない価格で販売されるようになりました。しかし大きな輸送費がかかってメンテナンスが必要な商品については海外価格から考えるとまだまだ高価です。その中でも太陽望遠鏡は、海外との価格格差の大きい商品で、費用をかけられるリッチな方は国内で買われると思いますが、そうでない人は個人輸入というリスクを負って買っているのだと思います。当店ではそのリスクを代わりに負ってより買いやすいお値段設定で販売しています。
セレストロン製品とExplore Scientific社の製品は、ビクセンが正規ディーラーとなっていますが、その価格が海外価格に比べて価格差が大きいので欲しいものがあっても手を出しにくいかもしれません。しかし海外品を扱うためには多くのリスクを負った上で検品作業やメンテナンス作業をセレストロンに代わって国内でする必要があります。実際、中国で作られたような未検品商品を国内で販売する際には、そのまま販売するレベルになかったりするので、それをきちんと販売できる状態にするのにも大きなコストがかかります。私も年間相当額の商品を海外から輸入していますが、昔はアメリカまで行って検品していたこともあるので、その手間は尋常なものではありません。その一つが今も販売し続けている「CORONADO Solar Max」です。本来なら今もアメリカへ行って検品しないといけない商品があるのですが、コロナの規制があるので行けません。とにかく海外品の個人輸入で特に電子部品は注意が必要だというお話です。
今晩から明日未明にかけて「ペルセウス座流星群」の観測好機ですが、残念ながら今晩の天気は期待できません。もう40年も前に北アルプスの針ノ木岳の山小屋で見た流星群が凄かったのを忘れられません。