おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

GOTO Mark-X 方位調整機能付きピラー架頭

2012-03-17 19:07:08 | GOTO Mark-X

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前日も画像をアップしましたが、本日完成しましたので改めて画像等アップいたしました。完全な特注品です。たぶん世界に一台しか存在しないと思います。この方位調整装置機能は、一般的な赤道儀にあるようなものですが、外から飛び出したりしていないようにシンプルでデザイン良く、且つ機能的に考えてお作りしました。

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赤道儀と回転架台部分の固定には、ビクセンのGP赤道儀に付いているM10ボルトを使いました。うちに山ほど転がっているもので、これまで大量に分解したGP赤道儀の残骸です。たぶん、20台は分解したと思います。画像に見える3ヶ所のハンドルネジは、回転を止めるネジで、方位調整が終わって位置が定まったら、このネジの一つでも良いので締めればしっかり固定されます。3ヶ所も要らないとは思いましたが、使用者が赤道儀をどう使われるか人それぞれですので、敢えて3箇所にしています。

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この方位調整ピンは、ステンレスで一から作っています。製作したもので、既製品はM6ボルトのみで、他のハンドル等も全て材料から削って製作しています。ボルトに付いているハンドルも、もちろん製作したものです。このネジだけはアルミで作るわけにはいきませんので、既製品のステンネジにして、作ったハンドルに埋め込んでいます。方位調整は非常に滑らかに動きます。それぞれの部品を最小限度のクリアランスにした上で、グリスアップしていますので、既製品以上にスムースに調整ができます。

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以前にも書いたように、方位調整装置を架台の任意の位置に持ってくることができます。前でも後でも横にでも・・・です。この状態で他社製のピラーのヘッドの代わりに乗せることができます。これでMarK-Xも大変使いやすくなるでしょう。しかし、実を言うとこれでも十分ではありません。高度調整用のバックルが固くて手では回せないのがネックです。付属のスパナ工具があるのですが、これを使う必要があるのです。この状態からさらに使いやすくするには、このバックルを何とかする必要があります。今も他の方からご依頼を受けているのが、この部分です。方位調整装置も組み込みつつ、高度調整もしやすくする・・・という改造です。また良いものができたらご紹介いたします。


Vixen LVW-Power Shot S95お気軽撮影アダプター

2012-03-17 18:36:13 | コンデジのお気軽天体撮影

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ご依頼により製作した「ビクセンLVWアイピース」と天文撮影には定評がある「キャノンPower Shot S95」を繋ぐアダプターです。基本的には、これまで製作したセレストロンズームアイピース、ペンタックスXWアイピース用と同じ機能を持ったものです。まだ完成ではありません。この後、黒アルマイト処理をして完成します。

ペンタックスXWのようにアイレンズとカメラレンズの距離を可変できる機能があればいいですが、LVWにはその機能がありませんので、アダプターを製作する際にはカメラレンズとの距離が最適な位置にくるように設計する必要があります。

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取り付けた状態で画面を撮影したものです。四隅が切れていますが、カメラ側のズーム機能と併用して撮影をするので、全く問題はありません。このLVW-S95アダプターは、基本的に2インチ以外のLVWアイピースに適合すると思います。ですから一個持っていれば、複数のアイピースに使用可能です。

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アダプターに使用しているネジは全てプラスチック製ですので、アイピースにもカメラにも傷を付けることはないと思います。ただし、レンズ胴部を固定するネジの使用については、2本ありますが、軽く締めるだけで十分です。レンズが勝手に収納されてもカメラ側に無理な力はかからないで済みます。カメラの回転も自由にできて、ズーミングをして構図が決まったらネジを軽く締めて撮影します。ズーミングする際には、ネジを緩めることを忘れないでください。レンズ胴部が繰り出したり収納したりします。アダプターは、その繰り出し量も計算に入れて作ってあります。

これまでメーカーで出していたカメラアダプターは、汎用性は高いですが、カメラによってその都度光軸を変えたり、位置調整が非常にやりづらく、とても”お気軽に・・・”というレベルではなかったと思います。しかし、このアダプターは、単にアイピースを取り付けて観測するのと同じような気軽さで使用することができるので、初心者にとっても大変扱いやすいと思います。これでこの種のお気軽撮影用アダプターは3種類になりました。もし、ご要望があればいつでもお作りいたします。コメントより御知らせください。