今日10月14日の朝刊は、また一面トップに石原産業の不法行為の問題を掲載しています。
問題発覚に関しての昨日の投稿のとおり、多くの人が驚きました。私は、感覚的に数パーセント程度だろう、とのイメージでした。しかし、「該当製品の4割」とは誰が想像し得たでしょう。これでは、完璧に別物。
故意に不法投棄したとの評価が下るのは疑いありません。
14日の中日新聞 フェロシルト問題 混入廃液は14万トン 該当製品の4割 の中には次のようにあります。
「化学メーカーの石原産業(本社大阪市)が土壌埋め戻し材「フェロシルト」の製造の際、別の工程から出た重金属を含む廃液を混ぜていた問題で、該当するフェロシルト約三十三万トンのうち、混入させた廃液が約十四万トンと四割の量を占めていたことが分かった。同社によると、十四億円の経費削減につながったという。 ・・・
『四日市工場の当時の副工場長(十一日付解職)が部下からの疑問に対し、県の了解を得ていると答えて製造を続行させた』として、会社ぐるみの関与であることを否定。技術部門の責任者だった副工場長への法的措置を検討していることも明らかにした。」
会社本体は、トカゲの尻尾切りに走っているというしかありません。
しかし、幸い、今、法律は仮に個人従業員の勝手な行為であっても、会社本体を罰する規定を持っています。つまり、行為者とは別に法人にも刑が科されるというこの規定のことを「両罰規定」といいます。
法人企業の処罰(参議院法制局)
なお、廃棄物関係の場合の両罰規定のことは文末で説明します。
13日の読売新聞 石原産業が不正製造 処理費削減 申請外の廃液混入 の中には次のようにあります。
「・・・元副工場長は読売新聞の取材に『会社に聞いてほしい。私からは何も言えない』と語った。
・・・企業の経営倫理に詳しい水谷雅一・神奈川大名誉教授は『経営幹部の不祥事を後で知ったとしても、企業の社会的責任は免れない。早急な製品回収とともに全容を漏れなく公開すべきだ。素早く対応しなければ、国産牛肉偽装事件で雪印食品が破たんしたように、さらに大きな社会的制裁を受けるだろう』と指摘した。」
今回、東海三県の行政は刑事告発すべきです。行政には、この件についての膨大かつ貴重な資料があります。是非、それを捜査当局に提出してほしい。
特に三重県は、監督責任やリサイクル認定の責任もあります。ただ、三重県警は、ごみ燃料(RDF)発電の捜査をみても、あまり厳しくないようです。ですから、私は、もっと違うところに告発すべきかとも見ています。
いずれにしても、万が一行政が告発しないときは住民が動くしかないので、新聞5紙をとっている私は、昨日の新聞記事からストックを始めることにしました。新聞記事があれば、刑事告発は十分に可能だからです。
フェロシルト問題はこちらを遡っていただければ概要が分かります
フェロシルト問題。次の投稿
昨日、今日の報道の紹介は連れ合いのブログに
廃棄物処理法の両罰規定は第32条に規定されています。
≪32条≫
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人
又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
1.第25条第1項第1号から第4号まで、第12号、第14号若しくは第15号又は第2項
1億円以下の罰金刑
2.第25条第1項(前号の場合を除く。)、第26条、第27条、第28条第2号、第29条又は第30条各本条の罰金刑
つまり、条文中の「代表者・法人・代理人・使用人その他従業員等」がこの罰則規定に該当する行為をした場合に、行為者が罰せられるのは当然ですが、これとは別に「行為者を罰するほか、その法人に対して」も同罪の罰金刑を科すと規定されています。
《罰金について》
またこの規定では、従業員なり使用人なりが法人の業務に関連した「廃棄物の不法投棄(未遂も)」をした場合には法人に科される罰金の額は「1億円以下」と加重されています。
他の法律の規定をみても1億円なんていう額はあまりない。これは、廃棄物問題への対策からです。
この規定で重要なことは「違反行為について具体的な指示・命令を行った」か否かに関係なく、そこの「従業員等が違反行為を行った」という事実のみで事業者にもこの罰則が適用されるということです。
経営者は自分だけでなく社員への徹底周知が義務付けられているともいえます。
廃掃法の解説
廃掃法25条以降はここ
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