古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

UFJ問題

2004-08-15 | 経済と世相
 銀行の悪口はもう言い飽きたとおもっていましたが、最近のUFJの合併問題でま
た一言言いたくなりました。
 住友信託が「UFJと三菱東京の統合交渉のさし止め」を求めた仮処分申請に東京
地裁が住友側の主張を認めた仮処分命令を出した。
 この裁判長は、3月の週刊文春の販売差し止め仮処分を出した裁判長らしい。文春
の仮処分にはまったく賛成できないが、今回の仮処分には、小生も賛成です。UFJ
と住友信託の5月の約束が法的に契約に当たるのかどうかが、判断の分かれ目という
ことだろうが、法的にどうこういうよりも、「武士に二言なし」という武士道精神
は、今の銀行経営者にはないらしくて、銀行合併が、司法の場で争われるという前代
未聞の話になった。
 とにかく、預金者にとって、東海銀行がUFJになってから、サービスは悪くなる
一方であった。メガバンクの先頭を切って土曜日の現金支払機を有料にした。年金生
活者の1%上乗せ定期預金を取りやめた。顧客が溢れている支店をつぶして支店統合
をしたので、店頭での待ち時間が大幅に伸びた等々、言い出すと切りがない!なりふ
りかまないサービスのカットで、よほど経営が苦しかったのだろう。

 要するに、この銀行の経営者にとって、「合理化」とは「顧客へのサービスをカッ
トすること」だった。そもそも、預金者を顧客と思っているかどうかが疑問である。
どうも、預金者でなく、金融庁と日銀がお客様と考えているらしい。無理もない!預
金者からお金を集めなくても、日銀が金融緩和と称して、メガバンクに大量のお金を
ほぼ無利息でまわしている。これでは預金者をお客様と思わなくなっても不思議でな
い。
 ついでだが、竹中さんは、銀行の不良債権償却を、自分の功績のように言っている
らしいが、不良債権償却は、預金者が預金の金利ゼロで我慢しているからで、利息分
が不良債権償却に回っているおかげである。
 ともあれ、顧客を大事にしない経営が、まっとうな自由主義経済で成り立つ筈がな
い。規模を大きくすれば経営が成り立つと思うのは錯覚である。以前、このメールで
「郵便局が民営になった暁に、メガバンクがすべて国営になっているというのはブ
ラックユーモア?」と書いたことがあるが、私には、その路線を粛々とたどっている
ように思える。