古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

ソフト・バジェット

2005-09-08 | 経済と世相

 1億人が一人100万円づつ借金をしたら、借金合計でいくらになるか?簡単な計算です。100兆円です。ところで、国の借金は、詳らかには知りませんが、700兆円を越すそうです。国民1.2億人として一人当りで600万円借金している計算になる。他人事みたいですが・・・・・
自分の家庭が、600万円×人数分の借金を返せ、と言われたら、ぞっとしないですか?

 借金があっても、それに見合う資産があれば、資産を売り払って借金返済できるわけですから、大丈夫ですが、国の場合、いくらの資産があるのか、財務省は発表しないから分からない。
 私が疑問に思うのは、一体どうやって、そんなに借金を作ることが出来たのか、ということです。というのは、現在、国の予算は年間約80兆円強、税収入が40兆円強ですから、国債を40兆円発行して収入の不足分を補っている。ということは、(利息は別に考える)年40兆円借金が増える。こういう状況が続くと10年で400兆円借金ができる。でも、700兆円には届かない。年40兆円の財源不足は最近のことで、10年間続いているわけではない。

 どうしても、「ソフト・バジェット」問題があると思わざるを得ません。
 「ソフト・バジェット」とは、経済学者の使う言葉でその意味は、こうです。
『通常の経済主体では、個人であれ企業であれ、予算の制約の中で自らの支出計画を考えなければならないが、実は、世の経済には、予算の範囲を越えて支出を続けて平気な顔をしている組織や企業が存在する。この場合、なんらかのかたちで支出の超過分は補填されているので、予算(バジェット)がゆるゆる(ソフト)という意味で「ソフト・バジェット」と言う。』
 かつての社会主義国や市場経済への移行経済にあった東欧諸国で、国営企業や公的企業がいいかげんな経営で赤字に陥っても、国の補助金や国営銀行の融資で救済され、存続してきた現象をさします。そして最近では、ソフト・バジェット問題は、広く市場経済でもみられる現象として認識されつつある・・・特殊法人、地方公共団体、銀行、そして不良業種の大企業など。銀行が不良企業を追加融資や追い貸しで救済する背景は複雑である。(桜川昌哉『金融立国試論』)

 日本政府は、ソフト・バジェットの罠に陥って、ずるずる借金を増やしつづけているのでは?と思うのです。
 円高になった時、ドルを買った資金は、国債で賄ったと思いますが、そのドルと国債はその後どうなったのでしょう。銀行救済に使った何十兆円もの資金は、何処から調達して、現在どうなっているのか?(そう言えば6兆円もの金をつぎ込んで10億円程度の金で外資に売り渡した銀行がありました)自衛隊イラク派遣の軍費は、予算の枠内で収まったとは考えられません。
 政府組織の各所に、ソフト・バジェット志向が住み着いている?
 これだけ政府財政を赤字にした責任者は誰か、明らかにして責任を取らせるべきだ!少なくとも、首相、財務相(蔵相)は責任をとるべきでは? と思うんですが・・・
責任を取らせずに勲章贈るんじゃない? 

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1 コメント

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責任 (マンチョス)
2005-09-18 21:05:36
こんにちは。勝手にコメントします。確かにちょっと考えると怖くなる借金の額ですね。それにいつのまにか責任を取らない大人が増えてしまいましたね。結果責任は勿論ですが、それ以前にどこまでなら自分が責任を負えるか判断出来ない。事例は異なりますが駒大苫小牧の校長なんてその典型でしたね。子供が真似しないと良いのですが。