古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

平成の壊国TPP

2011-03-07 | 経済と世相
 夕方TVの国会中継を見ていたら、福島瑞穂さんがTPP問題を追及していました。
朝の日経ビジネスオンラインにもありましたので、以下、その要点を紹介します。
【まず、TPPは農業の問題でもなければ、家電や自動車などの輸出産業の問題でもない。TPPには24の部会があるそうです。農業と工業は24分の2に過ぎないが、関税についていうと、日本の平均関税率は農業を除き、アメリカよりも低い。日本は現時点で、アメリカ以上に「開国」しているというのが現実なのだ。すなわち、日本が関税を撤廃しても、アメリカは農産物の輸出以外に、ほとんどメリットがないように思えるわけである。
 それにも関わらず、アメリカには日本にTPPに参加してもらいたい理由がある。それは単純明快。アメリカは自国の雇用のために、日本に「非関税障壁」撤廃して欲しいのだ。すなわち「規制緩和」である。中でも、「サービス(金融)」。この分野を追加したのは米国です。
金融サービスについては、現在のTPP協定(ブルネイ、シンガポール、チリ、ニュージーランドが締結済みのもの)には含まれていない。サービスの自由化範囲について記載された、(現)TPP協定の第12章において、金融は航空輸送サービスと共に「適用されない」と記されている。にも拘わらず、米国が追加したのは、日本の保険業界(並びに共済)に乗り込みたいため。
投資分野に目を移すと、そもそも外国人に国内における投資を自由に開放することは、国益を害する可能性があるとして、WTOにおいても自由化対象外となっている分野である。例えば、港湾や空港、水道、交通分野など、国家の国防や安全保障に関わる分野における投資は、「サービスの自由化」などとは違った側面を持っているわけだ。さらに言えば、農地への投資を外国企業に開放し、加えて食料の加工、流通分野まで外国企業に握られてしまうと、これまた国民の安全保障に関わる問題になる。投資の全面自由化は国益と衝突するケースが少なくなく、各国は(アメリカ以外は)常に慎重姿勢を保っている。
 例えば、OECDでは一応「資本移動の自由化に関するコード」において、直接投資の自由化義務が課されている。だが、各国は投資の自由化について留保することが可能になっており、実際に多くの国が留保している。
さらに、FTAなどの2カ国間条約の中には、相手国から自国への投資に際し、最恵国待遇を約束しているものもあることはある。だが、さすがに内国民待遇まで認めている条約は多くない。多国間貿易協定における投資に関する原則も、投資全般のルールこそ定めるものの、最恵国待遇や内国民待遇を強制するものは、ほとんどないというのが現実だ(NAFTAを除く)。
TPPの既存の協定には「投資の自由化」は含まれていない。ところが、なぜか24の作業部会の中に「投資」が含まれている。米国が追加したのだ。要するに、アメリカが貿易協定などにおいて、投資の自由化を求めるのは「いつものこと」なのである。
TPPとはそもそも、「例外品目なしで、100%自由化を実現する過激なFTA」である。
しかも、日本とアメリカが参加した場合、両国のGDPを合計すると全体の9割を超えるわけである。事実上の「過激な日米FTA」である。わが国に突きつけられたアメリカからの「構造改革」の要望こそが、TPPなのだろう。
TPPは「平成の開国」でなく「平成の壊国」だと、この文の著者は記す。
(http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110303/218708/?P=1&ST=money)
私の(独断と偏見の)結論は、「投資の自由化」こそがTPPに託する米国の目的、つまり日本が輸出で稼いだドルを米国が運用すること。この米国の目的に協力することが菅内閣の目的だと推論(邪推?)しています。この点については次便で。

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