古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

続・福井問題

2006-07-15 | 経済と世相
 「愛ルケ」の作者、渡辺淳一さんが週刊新潮7/13号で「福井問題」に触れていました。
【・・一番】頭のいい人が集まる東大を出て、超一流の会社に勤めたから、人間的にも素晴らしいというわけでもない。 その典型が、いま問題になっている福井日銀総裁。
 この人、東大法学部を首席で出て、司法試験、外交官試験、公務員試験のすべてに合格した。いわば四冠王で、勤めたのが超一流の日本銀行。
 まさにエリート中のエリートだが、村上ファンドへの投資で、その化けの皮が一気に剥がれてしまった。
 1000万円が6年間で2.5倍に膨れ上がったのに、「巨額の利益を上げたとは思わない」と発言。それを批判されると360万円程度の給料カットで、「深く反省している」と言ったり,一任勘定について質問されると、「よくわかりません」と答えたり、支離滅裂。
 ただただうろうろして、やたら素直に謝るかと思ったら、平然と総裁職に居座る。
 これを見てまず思うことは,世間一般の常識が欠けていること。加えて頭のいい男らしい才知も策略もない。なぜこんなつまらない人間ができたのか、答えは簡単。
 いい大学を出て日銀に勤めて、あの人はすごく頭がいいえらい人、といわれているうちに、世間も庶民感覚も分からなくなった。
 くわえて知恵を絞ることもなく、気がついたら、ただぼうっと年齢をとっただけのおじさんになってしまった、というわけ。】
 いささか、酷な言い方だが、実態はまさにこの通りと私も思う。
 もう一人、小説『日銀券』の作者、幸田真音氏も週刊文春6/29号に記してい
る。
【福井総裁が村上ファンドに投資していた問題は、本当にショックでした。ファンドとの契約内容を衆院財務金融委員会で問われて、「本当にど素人で、契約書の隅々まで読んだことはない」と福井総裁が発言したときは、耳を疑い、心底がっかりしました。釈明のための咄嗟の詭弁だとしても、金融政策の頂点に立つ方として言ってはならない言葉でした。世界から、日本の中央銀行総裁はこの程度か、と見られるのが残念でなりません。
 福井総裁がどう釈明されようとも、最大の疑惑を招いたのが、2月の解約です。1月23日にライブドアの堀江前社長が逮捕され、疑惑が村上氏にまで連鎖することを知り得る立場に福井氏はありましたし、3月には量的緩和の解除を行なっています。
例え解約の理由が本当に「村上氏の志の変化」だったとしても、「村上逮捕の情報を得て、慌てたからでは」「量的緩和の解除で株価が下落する前に売り抜けたのでは」との疑惑をもたれること自体、総裁としてあってはならないことなのです。】
 福井さんにしても先日亡くなられた橋龍さんにしても、エライ人が晩節を全うすることは難しい。偉くない我々はそんな心配をする必要がないので幸せかも?


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