古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

宇宙は何でできているか

2017-09-07 | サイエンス

宇宙の話をしましょう。「宇宙は何でできているか」(村山斉著、幻冬舎新書)という本を先日丸善で手に入れましたが面白い話題が満載でした。

 「宇宙は爺刻々と脳長している」ということは2003年に分かったそうです。もっと前からわかっていることと思っていましたが、最近の天文学の成果なんですね。

その「宇宙の膨張」なんですが、加速膨張しているそうです。これって不思議ですね。たとえば、ボールを空に投げ上げた場合、手から離れた時が速度が最も早く徐々に減速し一番高くなった後は落ちてきます。当然のことですね。手を離れた後、ボールを押す力がない限り減速はあっても加速はない。加速させようとするなら、ボールを加速する力を加えねばなりません。宇宙だって、加速させない限り膨張する速度が上がることは無い筈です。何が宇宙の拡大を加速させているか。宇宙空間で重力がどのように分布しているか調べれば、加速させている存在が判明すると、天文学者は考えて、宇宙の重力分布図を作成しました。

「重力レンズ効果」、光が天体などの重力により曲げられて観測者からの見え方が変わる効果ですね。アインシュタインが、日食時に太陽近くの星の位置を観測すれば位置がずれる筈と予言したことで一般相対性理論の正しさを証明したことは有名です。

この重力レンズ効果を観測すれば宇宙の重力分布がわかる。

重力は物質の存在するところにありますから、重力の分布を調べることは物資の分布を調べることになります。重力分布図を調べると、我々から見える物質以外の物質が沢山存在することがわかりました。その見えない物質を「暗黒物質」と名付けましたが、宇宙は「暗黒物質だらけ」だったのです。

 宇宙が何でできているかを天文学者は宇宙のエネルギーの構成比で示しました(質量をエネルギーに換算して)

 星と銀河 0.5%

ニュトリノ 0.1~1.5%

普通の物質(原子)4.4%

暗黒物質    23%

安国エネルギー 73%

反物質 0%

暗黒場[ヒグス] 1062%??

というのです。「万物は原子でできている」と昔、学校で習いましたが、実は、「原子以外のもの」が約96%を占めている。それは何かはまだわかっていないが、名前だけはついている。

例えば暗黒物質(ダークマター)です。原子でできていないという。この本に書かれていることから推量すると、どうやら素粒子らしいのですが、良くわかりません。謎です。

第1章の最後に筆者はこう書いています。

「宇宙にはまだまだ謎が沢山ある」。20世紀の尾張から21世紀の初めにかけて、これだけ「わからないことがある」。とわかったこと自体現代物理学の成果です。