古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

6月29日は株主総会

2017-06-30 | 経済と世相

6月29日は、昨年と同じく、株主総会の日だった。

9時過ぎ家を出て市バスで大津橋に行き、歩いて会場の銀行協会ホールには9時半着いた。

ぼつぼつ顔なじみの知人が姿を現した。

「今年も質問されるんでしょう」。

「質問しないと、あいつ死んじゃったかな?と誤解されるから」

10時、開会。会長が議長席に就き、「報告事項、決議事項の説明が終わってから質問を受けます」。

報告事項がスライドを使い、アナウンスされた。売り上げは850億円と前期比36億円の増。経常利益20.1億円の減ということだった。配当は期末15円、期中の15円と合せて1株当たり年30円だ。決議事項の余剰金の処理、役員の選任、役員賞与の件が終わると、質疑に入る。私より早く手を挙げた人がいる。私は2番目になった!

「最近テスラなどEV(電気自動車)の話題が報道されているが、Evの普及で、メタルの需要は減少すると思われる。この課題に経営者はどう対応する考えか?」

 社長が立った。「2030年時点で、ハイブリッド・カー含めてEVは30%程度、それもインフラの普及や電池の開発を考えると、エンジン車がなくなるとは思われない。もちろん新技術の対応は準備しなくてはならないが」

2番目に小生が経った。

「所在地別売上・営業損益を見ると、北米は、売り上げが+23.2%の増収にも拘わらず損益はマイナスになっている。説明によると、「自動車用エンジン軸受けの急激な増産に伴う経費増加で利益下ぶれ」とあります。23%も増収なら黒字になると思うのが常識だが、経費増加になって減益という事情を説明してほしい。物流コスト、製造コスト、いずれの影響が大きかったか?

また、4~6月は黒字になっているのか?」

これも社長が立った。「立ち上がりに、注文が殺到し、ラインが混乱し・配送コストも膨らんだ。全社をあげての支援で正常化しつつある。」

なんかよくわからないなぁと思っていたら、Kさんが関連質問に立つ。

「プロジェクトの立ち上がりの管理が甘いのでは?ラインの整備がおわらないうちに注文だけ受けてしまって納期を間に合わせるため航空便で届けていたら配送コストが膨らむのは当然では?」

社長は「貴重なご意見有難うございます」と、否定しなかった。

 なるほど、社長の説明より分かり易い。飛行機で納入していたの。それにしても、K君の情報入手力は凄い!

、「次のご質問は?」と言うので再度手を挙げた。

「日本および英国の子会社で、固定資産減益損失24.4億円を計上している。これはどういう固定資産がどういう状況だったかを説明ください。

経理担当のS専務が答弁するかと思ったら、これも社長。今年はほとんどの質問を社長が裁いていた。

「国内は関連会社のN社の土地の評価が下がっていたことで、減損処理した。また海外は、英国の会社が収益が悪化、収益力の低下を資産評価に反映したものです」。

Kさんがまた関連質問に立った。

「特別損失が多すぎます。この10年で150億円もあります。土地の評価が20億円も下がったということは、最初の株式取得時の評価が高すぎたのでは?これもプロジェクトの立ち上げ時点に問題があったのでは」。

次の質問も小生。

「p7の電気二重層キャパシター用電極シートについて説明ください。製造工程(メタルの製造工程の技術を応用できる工程?)、国内の市場規模、当社のシェア、市場の増加傾向など

また電力・エネルギー関連の発電設備用の特殊軸受けとは具体的にどういう軸受ですか

「「アルミ箔に活性炭の層を薄く貼り付け、コンデンサーに用いる。組み付けた製品(電池の機能が注目されている)としての市場規模は100億円ぐらいである」

「特殊軸受けとは、発電用風車の軸受けなどです」

今年は真面目な質問が多かった。印象に残った質問に触れると、

「役員の選任について。役員が高齢化している。もっと若い人を登用すべきでは」

「報告事項に対する質問と、決議議案に対する質問は一括でなく、別々にすべきでは」

「AI(人工知能)の発展をどう活用するか?」

「製品検査で人に代わってカメラで検査するシステムを検討している」。

最後は、上程議案を拍手で承認した。結局、配当が年30円に増えているので、内容に多少問題があっても承認と言うことか。

12時5分総会は終了しました。