古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

週刊誌も馬鹿にしたものでない(3)

2014-05-14 | 経済と世相
 「ジャーナリストの目」というコラムに、「罰金50万円&保釈で落着」。青木理氏の寄稿になる猪瀬問題の内幕です。
『発端は昨年9月。特捜部が徳洲会グループへの強制捜査に乗り出したことだった。容疑は公選法違反。・・・徳田氏の家族らが相次いで逮捕された。
 背後にあったのは徳洲会の内紛だ。徳田氏の側近としてグループの実務をとりしきってきた能宗克行氏と徳田氏の家族が対立し、能宗氏がグループを追われたのである。
 グループの表も裏も知り尽くした能宗氏は、それが義憤なのか私憤なのかはともかく、内部資料を抱えて特捜部に駆け込んだ。
 ここから飛び火したのが猪瀬氏の借り入れ問題だった。能宗氏が特捜部に情報を提供し、強制捜査でも関連の証拠を入手。都知事選前に猪瀬氏が徳洲会から5000万円を受け取ったという噂は徐々に広まり、朝日新聞が昨年11月22日にスクープ。
 メデイヤ報道が盛り上がる中で市民団体も猪瀬氏を告発し、捜査の焦点は徳洲会本体から猪瀬氏問題にシフトした。
 特捜部の現場はやる気満々だったらしい。
 だが、贈収賄の証拠は得られない。辛うじて公選法違反容疑は固まったものの、猪瀬氏逮捕に踏み込むのは、法務・検察の上層部が難色を示した。公選法違反などチンケな罪で捕まえることへの反対論があったほか、個人的な借り入れだという主張を公判で突き崩せなかった場合、検察が傷を負うという危惧もあったという。
 エリート検察官僚に捜査現場が抑え込まれた格好になる。
 とはいえ、検察には不起訴の選択肢を取れないジレンマもあった。猪瀬氏は市民団体に告発されており、不起訴にすれば検察審査会の対象になる。・・・
 そこでひねり出したのが、罰金ですむ略式起訴という妥協策。これなら、検審にひっかからないし、猪瀬氏側も起訴されるよりマシという判断で受け入れたというより、検察の都合を押し付けられた。要するに、検察は「正義の機関」などではなく、組織の保身とメンツを優先する官僚組織に過ぎない。
 ところで騒動の発端となった能宗氏だが、貴重な情報を持ち込んだのに、一連の捜査で警視庁に業務上横領容疑で逮捕されてしまった。
 最終的に猪瀬氏は50万円の罰金を納めて落着し、検察に屈服してすべてを認めた徳田氏の一族も保釈された。一方、能宗氏は現在も収監中である。