古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

ひとりでは生きられない

2013-10-30 | Weblog・人生・その他
時々週刊誌にも端倪すべからざる記事が載ることがあります。週刊朝日の11月1日号の「人は一人では生きられない」という脳科学者・池谷裕二さんの寄稿もそうでした。
【人からコミュニケーシヨンを奪ったらどうなるでしょうか。そんな大胆な実験を行った人がいます。医薬分業を推進したことでも有名な神聖ローマ皇帝フリードリッヒ2世です。
 皇帝は身寄りのない赤ちゃんを集め、侍女に育てさせました。彼の興味は「言語の起源」でした。人は言葉を習わなくても話すようになるでしょうか。侍女たちは母乳やオムツや入浴などの最低限の世話は許されましたが、赤ちゃんに話しかけることは禁じられました。結果は意外なものでした。2歳になる前、つまり言葉を覚える前に、全員が死んでしまったのです。・・13世紀の当時、どこまで科学的な研究だったかはわかりません。しかし、信頼のおける調査が第2次世界大戦中に行われました。
 戦争では多くの孤児が生まれました。精神科医のルネ・スピッツは孤児院で調査を行いました。当時、子供の健康に栄養や衛生が重要であることは認知されていました。孤児院でも十分な食事と清潔な部屋が準備されました。唯一足りないものはコミュニケーシヨンです。孤児院には多くの気の毒な子が集められましたから、人手不足から介護者たちとの関係性は不十分でした。調査の結果、91人中34人が2歳までに死んでしまいました。
 動物たちは栄養と衛生が満たされていれば、成長途中で死ぬことはありません。一方、人は肉体的に健康であっても、一人では死んでしまいます。
 だからでしょう。人の脳には、食欲と同じく、関係性欲求の本能も備わっています。人とのコミュニケーシヨンを欲します。本能を我慢するのは難しいものです。たとえば食欲。(中略)その結果、現代特有の病、「生活習慣病」が生まれます。
関係性についても同じことが言えます。今ではEメールやネットを通じて、容易に他人とつながることができます。しかしこの本能もブレーキは貧弱です。その結果、新型現代病「関係性習慣病」が成立します。常に人とつながっていないと不安、直ぐに返事が来なくては不安――気づけば携帯依存症やネット依存症に陥ってしまいます。
 人にとってコミュニケーシヨンとは何か。改めて問い直さなくてばいけません。】

 この前の日曜日、息子が孫をつれてきました。
「僕、いくつになった?」聞くと、
「3歳になりました。4月から幼稚園に行くの」
びっくりしました。正月に来たとき同じ質問をしたら「ふたちゅ」と幼児語風に答えていたのに、10か月経つとこれだけ会話ができるようになったのです。
2~3歳の幼児の言葉を覚える能力はすごい!と驚いたのです。
 同じ驚きは自分の子供で体験しているはずですが、子供の場合は毎日、接していましました。孫は半年ぶりぐらいにしか会いませんので、その進歩に驚嘆するのです。
 孫は充分なコミュニケーシヨンに恵まれているようです。