古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

民主党の運命

2013-06-25 | 経済と世相
「東京都都議選」について考えてみます。
 23日の都議選、自民・公明が全員当選、共産党が第三党に、みんなの党が1→7に増えたが、民主党はほぼ3分の1の15名という結果でした。
 私の予想は、「民主党が壊滅的な敗北をして、今まで民主党に投じられていた票が、棄権にまわるか、他の政党に流れる」でしたから、ほぼ、ほぼ予想通りでした(もっとも自民が全員当選までは読めませんでしたが)。
 なぜそう考えたか。3年3月の民主党政権が、徹底的に有権者の期待を裏切るものだったからです。有権者が野党に投票するのは、「今の世の中を変えてもらいたい」と思うからです。ところが、民主党は、今の世の中を変えようという意識がまるでなかった。
 一般に、政党は「こういう世の中にしたい」という構想を持ち、それを国民に呼びかけ、政権奪取の後は、その構想を実現すべく努力するものです。
 ところが、その「こういう世の中にしたい」と言う構想が、最初から民主党になかった。だから、「世の中を変える」政策は何も出てこなかったのです。従って、世の中は自民党時代と何も変わらない。つまり、自民党が描いていた「世の中の構想」と民主党の描く「世の中の構想」とに差がなかった。言葉を変えて言えば、民主党は「かくれ自民党」であった。「かくれ自民党」に投票するぐらいなら、本物の自民党に投票した方がまし、と考えた人は自民に票を投じ、そう考えない人の多くは棄権に回ったと思われます。
 具体的に述べましょう。
 自民党の考え方は、「企業を繁栄させれば、国民も豊かになる」と考えてきました。民主党を支援する労働組合も、大企業の労組が主体で、彼らの考え方は、「企業に儲けさせて、そのおこぼれを自分たちも頂く」というものでした。だから、企業を優遇する施策に賛同する。民主党が「かくれ自民党」になる所以です。
 ところが、米国の圧力で、世界経済がグローバル化された結果、今の世の中「企業を繁栄させれば、国民も豊かになる」が必ずしも成り立たなくなった。
 従来は、輸出で利益を上げた企業は、国内に設備投資をして、国内に資金を回し、国内の雇用を増やした。だから、輸出企業が利益を上げれば国民が豊かになった。ところが、今は、輸出企業の投資は国内に限定されない。というより、国外の投資に回す方が多くなった。こうなると、企業を繁栄させても国民が豊かになるとは限らない。
 ここのところが、今の安倍政権に見えているとは、どうしても思えないのです。輸出企業が稼ぎさえすれば不況は脱出できると、原発のセールスに熱中しています。
 もちろん、民主党に、この状況を脱出する構想力があるとはとても思えません。
民主党は、かつての社会党が政権に着いた後急速に衰えて、わずかに社民党として若干名が生き残っていると同様の運命をたどることでしょう。
おそらく、7月の参院選の結果が、このことを明確にすると思います。