古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

非自発的雇用

2012-11-26 | 経済と世相
  前便で触れた「非自発的失業」と「非自発的雇用」について(独断と偏見の論ですが)補足です。

「雇用」というと、「失業問題」と考えますが、日本の失業率は、欧米諸国と比し特に悪いことはない。

問題は「雇用」の質です。極端な低収入の雇用が増えています。

先日のNHK(クローズアップ現代)では、学校の先生まで契約社員になっていると報道されました。



立命館大学の高橋伸彰教授は、『1929年の世界大恐慌に際し『一般理論』を著し、

働きたくても働く機会を得られない「非自発的失業」の原因は経済全体の需要不足である、とした。

しかし、今、日本で問題視されるべきは「非自発的雇用」である。

「非自発的雇用」とは、働いて得られる賃金よりも働くことに伴う苦痛のほうが大きいにも係らず、

本人の意思に反して働かざるを得ない雇用及び雇用状態をいう。』と述べる。

http://d.hatena.ne.jp/snozue/20121119

非自発的雇用」が生まれた背景については、ここで述べています。

デフレの脱却には良質な「雇用の創出」が必要です。

かつてケインズは、民間の需要が落ちているときは、政府が公共投資などで、需要を造るべきだと説きました。

私は、同じ意味で民間の「雇用」が落ちているときは、政府が「雇用」を作るべきだと思います。

(ですから、役所の採用を減らすなど、逆効果になります)

オマエは「大きな政府」論者か、といわれるかもしれませんね。違います。

景気が悪くて「雇用」が落ち込んだら、大きな政府とし、景気が過熱してきたら、

政府の事業を民間に譲って小さな政府にすると言う、弾力的な政府のあり方を工夫したいのです。

例えば、高齢者の介護を専門とする機関を作る。

介護職員の給与が低いことが話題になりますが、標準並みの給与を払う。

資金が足らなければ、それこそ日銀引き受けの国債を発行してもいい。

景気がよくなったら、この機関を民営化する。ついでながら、年金受給者で健康な人はここで働いてもらう。

その分、いくらかは年金を辞退してもらう(年金は必ずしもお金で払う必要はない。雇用で給付してもいいのです)。

2417でも述べましたが、「非自発的雇用」がなくなれば、国民の購買力が増えて、

経済のサイクルが廻るようになり、金融政策も有効になると考えます。